閑話 シルアが起きるまで2
はい、尺稼ぎの閑話です。
今度はべギアとルレンの出会いを書きました。
今回も視点が何回か変わります。
「ルレン君とはどうやって知り合ったんですか?」
会長が聞いてくる。
「あー、コイツとはどう知り合ったかな。気づいたら居ました。」
俺はルレンとの出会いを言うのが恥ずかしいので誤魔化した。
「べギアさん!ひどいじゃないですか!僕にとってはヒーローですのでべギアさんとの出会いは一生忘れません!」
忘れてくれ。俺は切に願う。
「べギアさんとはですね────」
俺の願いは届かず、ルレンがその日の事を喋り出す。
「それは僕が5歳の頃、おつかいを頼まれて1人で街に買い物に行っていた時です。僕はメモを見ながら歩いて、周りの事は何も見ていなかったんです。そして、そのまま不良にぶつかってしまったんです」
これは全部言いそうだな。寝たフリをしよう。
「あぁん?」
何かにぶつかられたと気づいて、不良が後を振り向いてきます。
ひぃっ!?
僕ばビビって声が出ません。
「ん?糞ガキじゃねえか」
不良は完全にこちらを向きます。
僕はおつかいに来ていたのでカバンを持ってます。もちろんお金も入ってます。
それがわかったのか、不良がこちらに近づいてきます。
走って逃げたくても、怖くて足が動きません。
殺されると思って、涙が出ても泣き叫ぶ事ができません。
もうだめだ、殺される!!!誰か!!!
そう思った時です。不良の上に大量の水が降ってきました。もちろん雨ではありません。
上を見上げると、僕と同じくらいの子供が居ます。魔法でしょうか?
「弱いものいじめをするなー!!!それ以上その子に近づいたら、さっきより強い魔法を使うからな!」
少年が叫びます。その少年の足はガタガタ震えているように見えます。
「ヘヘッ、ヤッってみろ、ヨ!」
不良は少年に向かって2つ火の玉の魔法を放ちます。
ヴォン、ヴォン。
火の玉は少年の左右を通り過ぎていきました。
少年は怖がっていましたが。腰を抜かすことなく、その場に立っています。
「死にたいようだナァ!シネェ!」
不良が両手で火の玉を作ります。さっきよりも何倍も大きいです。
僕は怖くて目を瞑ります。
その時。
「べギアー!帰るぞー!」
男の人の声がします。どうやら少年を呼んでいるようです。
僕が目を開けると不良は仰向けになって気絶してます。
男の人が倒したんでしょうか?
「僕、大丈夫だったかい?」
男の人が僕に声を掛けてきます。
僕は安心して、その男の人に泣き叫びます。今思えば鼻水も付けたかも知れません。
男の人は僕のことを撫でてきます。不良とは大違いで優しいです。
「君、名前は?」
べギアと呼ばれていた子が話し掛けてきます。
「うぅ、ひっく、ルレン」
僕は泣きながら答えます。
「俺の名前はべギアだ。よろしくな!」
少年は右手を出して握手しようとしてます。僕も右手を出して握手します。
すると、不思議と涙も止まります。僕の初めての友達でありヒーローです。
それから、不良に絡まれたココが僕達の集まる場所になりました。
一瞬で悪い思い出が、良い思い出に変わりました。
べギアさんが鍵を持ってないと知ったのは、あれから1週間経ってからでした。
あの水は、どこから持ってきたんでしょうか?
未だにその事を聞いてもはぐらかされてしまいます。
ルレンが話を終えると同時に、シルアが目を覚ます。
「んん?あれご飯は?」
こいつは相変わらずご飯だ。
「さて、シルアが起きたから、そろそろお開きにしますか」
俺はルレンの昔話を何も聞いてない体で喋る。
「そうですね、私も生徒会のほうに少し顔を出したいのでこの辺にしましょうか。また3人の話を聞かせてくださいね」
ニコニコしながら言う会長。そんなに楽しかったか?
「今度は会長の話もしてくださいね?」
セシアが会長の昔話に興味を持っていた。女の人は、そういう話が好きなのか?
「それじゃ、またです。べギア君、今日はほんとにありがとうございました。新しい制服を学園が用意したのでそれに着替えてくださいね。」
ぺこぺこお辞儀をしながら保健室を出る会長。そんなに何度も礼を言われることしてないのに。制服のお礼を言う前に居なくなってしまう。
「帰りますか」
俺はみんなに声を掛ける。
「うん!」
「はい!」
「ご飯!」
1人だけ変な返事をしたような気がするが、無視する。
保健室を後にした。
次から第2章にするかどうか悩み中です。




