1-21 夢
ご飯食べて確認してからの更新です!
俺は夢を見ていた。
それは両親と一緒に行ったプルス山の夢だ。
山にはハイキングに来ていた。両親はいつも忙しそうにしていたので、久しぶりの家族水入らずである。
そこで事件は起こる。
「ガオオオオオオッ!!」
そこには、1匹の大きな赤いドラゴンが目の前に現れたのだ。
小さい頃の俺はドラゴンなんて見たこと無かったし、母さんが、絵本でドラゴンの物語を読み聞かせてくれた事しかなので、本当のドラゴンがどんな存在なのかもよく分かっていなかった。
「うわぁ!」
俺は興奮し口を開け驚き、好奇心でそのドラゴンに近づく。
「べギア危ない!」
母さんは俺を抱き締め守ろうとする。
夢はそこで終わってしまう。
俺が目を覚ますと、さっきとは違う場所にいた。
「ハッ、ここは……? そうだ、魔物は!?痛たっ!?」
起き上がろうとすると痛みが走る。
なにか夢を見ていた気がするが覚えてない。
「べギアくん!まだ治ってないんだから無理しないで!」
セシアが起き上がろうとする俺の体を制止する。
そのまま、横になる。
「セシア、ここは?」
横になりながらセシアに聞く。
「保健室だよ。魔物の攻撃を喰らって、倒れたんだよ!」
俺が倒れたことを教えてくれる。
「そうだったのか…そうだ!会長は!?」
また起き上がろうとする。
「マリアラ会長は、他に負傷者が居ないか確認しに行ったよ。助けてくれてありがとうございましたって言ってたよ。」
そうか、会長は無事だったか。
全身の力が抜け、また横になる。
「べギアさん。心配しました……」
ルレンが泣きながら話す。
「すまん、昨日も心配かけたのに今日も心配かけた」
俺はルレンに謝る。
そういえばベッドになにか違和感を感じる。
自分に掛かってあった布を捲る。
そこには、スヤスヤと眠っているシルアが居た。
「はぁ、こんな所で寝てたのかよ」
居ないと思ったら、まさか、こんな所に居るとは。
「シルアちゃんがべギアくんを回復してあげたんだよ?起きるまで、そのままにしておこう?」
シルアを揺さぶって起こそうとしたら、セシアに止められた。
そういえば、背骨が折れた感覚があったのを思い出して触ってみるが、そこは痛くも何ともなかった。
気のせいだったか?
ガラガラガラ。
そこに誰かが入ってくる音がする。
「マリアラ会長!」
セシアがいち早く気づいて声を掛ける。
「べギア君、目覚めたんですね。よかったです」
安心した顔で会長が話す。
「会長のお陰で助かりました。ありがとうございます。」
俺は上半身だけ起き上がり礼をする。
「まだ治ってないんですよね?無理はしないで横になってください。私の方こそ助けてくれてありがとうございました。べギア君が助けてくれなければ今頃どうなっていた事やら……」
会長が俺にお礼を言う。
「それで魔物はどうなりましたか?」
俺はあの魔物がどうなったのか尋ねた。
「蝙蝠の魔物は学長が、他の魔物は先生や騎士団の方々が協力して全て倒しました。生徒達も軽傷で済みました。べギア君、重ねてお礼を申し上げます。」
ぺこぺことお辞儀をする会長。
「あれ以外にも魔物が!?街は大丈夫だったんですか?」
「はい、学園以外の被害は聞いておりません」
「よかった…でもなんで学園に魔物が?」
なにか狙うようなものがあったのだろうか。
「そちらについては詳しい事がわかっていません。分かり次第、朝礼を開いてお話したいと思います」
その後、さらに続けて。
「私の仮説ですが、訓練場で黒い雷のようなものが見えたと聞いていたので、もしかしたら、それに釣られてきたのかも知れません」
そこで俺は思い出す。
「あ、ギルネ達は?」
セシアの方を向いて訊ねる。色々あった後なので忘れていた。
「生徒会の人に見てもらいに行ったけど、居なかったみたいだよ?」
起きて帰ったんだろうな。殺されずに済んでよかったよかった。
ガラガラガラガラ……ドンッ!
俺が安心していると、ドアが開く音がする。
「べギアは居るか?」
うげ、ギルネだ。
「べギア君ならここに居ますよ?」
会長が、居ることを伝える。なんてことを!
ドカドカと歩いてこっちに来る。
「今日はお前のお陰で助かったらしいな、礼を言う。一昨日の事と今日の事は不問にしておいてやろう」
ギルネは俺の事を数秒睨んでから喋る。俺は決闘の事を思い出して唾を飲む。
そのまま俺にお礼を言うと立ち去ろうとする。
よかった、殺されずに済んだ。
ギルネが保健室の出入口付近まで行った時に、こっちを振り返る。
「次は無いから、覚悟しておけよ」
ですよねー。
ギルネは立ち去る。
「はぁ、とりあえずは よかったのかな?」
そう思うことにしよう。
次はどんな無茶を言い出してくるか分からないが、しばらくは大丈夫だろう。
「べギアくん、よかったね!」
セシアが俺に抱きついてくる。
「べギアさん、よかったです!」
ルレンも抱きついてくる。やめてくれ。
「ギルネ君と何があったか知りませんが、良かったですね?」
会長にはギルネとの決闘の事を言ってない。
話すことでもないだろう。
俺達はシルアが起きるまでの間、雑談をして時間を潰した。
帰ったら叔父さんの好きなオムライスを作らないとな。
卵あったかな?帰りに買って帰れば良いか。
次は閑話という尺稼ぎになります。




