1-1 べギアさんピンチです。
見つけてくれてありがとうございます。
初めなので少し長めに書きました!
この世界では、人は皆鍵を持って生まれてくる。
種類は様々で大きさも異なる。
鍵を使って通信をしたり 魔法だって使える。
らしいのだが、何故か俺だけは鍵を持って生まれてこなかった。
もちろん通信も魔法も使えない。原始人かよ……。
両親は二人とも俺が小さい頃に病気でなくなった。
流行病だったらしい。
二人は鍵を持っていたし、俺が言うのも恥ずかしいが結構立派な魔法師だった。
そのおかげか小さい頃は鍵がなくても、いじめられることは無かった。
でも今は違う。毎日のようにいじめにあっていた。
今日も、おつかいもとい パシリで山の洞窟まで一人で(見張り付きで)行かされていた。
「よお、べギア ちょっくら山の洞窟に行って花を摘んで来てくれないか?」
こいつの名前はギルネ。
いじっ子のリーダー格である。
名家の生まれだが魔法の才能は、イマイチで すぐ気に食わない事があると家の力を使ってなんとかしようとしてくる。
気に食わないやつだ。
きっと片思いのセシアにでも花をあげるのだろう。
お前からのプレゼントじゃセシアは喜ばないだろうに。
山に行くフリをして草むらから摘んでこよ。
「これはこれはギルネ様 ご機嫌麗しゅうございます。山と言うとプルス山の事でしょうか?」
貴族に挨拶なんて生まれて15の俺にわかるはずがないのでいつも適当だ。きっとやつもよく分かってないだろう。
それは、やつの執事も同じであった。
侮辱するような事を言わなければ大丈夫だろう。
「おぉ…話が早くて助かるぜ」
たぶん山の名前も知らなかったんだろう。
この街から一番近くて大きな山の名前なのにな。
「それでは今から採りに行って参ります。」
礼をして山の方に歩いていく瞬間だった。
「うちの執事も付けるからサボんじゃねーぞ」
こういう時だけ勘のいいやつだ……。
「も、もちろんでございまシュ!」ちょっと噛んでしまった。
…………そんなこんなで5時間かけて漸くプルスの洞窟までやってきた。
ここに来るのは両親が生きてた以来だから、10年前になる。
てか途中まで馬車くらい用意しろよな…
「洞窟は1人で行ってこい」
ギルネの執事も相当疲れてるらしい、それもあるが中まで行くのは、めんどうなんだろう。
なんせこの大っきいプルス山の洞窟だからな、中も相当広いに決まってる。
「こんな所に花なんて咲いてるのかよ……」
俺は半信半疑で洞窟の中を探索した。
魔法も使えない俺は、ランプの灯りだけが頼りだった。
「いきなり崖とかあったら堪らないからな」
俺はこの時、フラグは建てるもんじゃないと心に誓ったのであった。
「うおおおおおおおぉぉぉ!?」
前だけ見てて下をよく見てなかった!?死んじゃう!?俺死んじゃうの!?
これはギルネにやられた落とし穴より深いぞ!?
「くそがあああああぁ」
なんで死ぬかもしれない時にあいつの事おもいだすんだよ!!
まだ彼女だって出来たことないのに!?この街からも出たことないのに?なによりやりたい事いっぱいあるのに?
魔法だって使ったことないのに!!!
ガタガゴロン……フサッ
「痛てて……あれ?生きてる?生きてるぞー!」
藁があって助かったらしい。
でもなんでこんな所に藁が…?
その答えは、すぐに分かってしまった…分かりたくなかった…
「グルルゥ?」
「ド、ド、ドラゴフッ!?」また噛んでしまった。舌が痛い。
そんな事思ってる場合じゃない!?どう逃げれば…
でもよく見たらこいつは幼体らしい、なんとか逃げれそ……
「グルルルルルルゥ!!」
「に、ないな……」
べギアさん最大のピンチです。
読んでくれてありがとうございますm(*_ _)m
これから不定期で投稿していくので、よろしくお願いします。
文才0で頑張ります。