人との決別
私にとってのトラウマは三年前のことなのです
私は当時9歳なのでした
私はそれまでお友達と話していたのでしたー急に私がおかしっくっなってしまうまで
これは私の後悔と感謝、そして世界への懺悔なのです
私だけのだったはずなのに、たくさんの人を巻き込んでしまった後悔の物語なのです
では、張り切って、どうかご静聴下さいなのです
時は現代、それは突然あらわれた。
最初に現れたのはとある小学校の教室、クラスの女児の体に突然草のような物が生え始めた、その女児は激しい混乱におちいったがそれに反応するようにその草はみるみる量を増やし、その草は大量の小学生と教職員を巻きこみ小学校その物をのみこんだ。
後に魔女化と言われるその現象はこれをきに、全世界のありとあらゆる場所で確認された。
各国はこの魔女化現象を危険と判断し同盟を結び魔女化について協議した結果(魔女化対策法)が制定された。
それは魔女化した人間を隔離し治療するというとものだ。
そして魔女化した人間は危険であるため科学力をもち制圧する。
この法案により多くの魔女が狩られた。
後に第二次魔女狩りとよばれる現象である。
「この範囲、しっかり復習しておけよー」
学校のチャイムがなり教師の授業が終わる
魔女が現れてから約三年、今世界では魔女学という教科がありその授業がおわったところだった。
「なぁ将真、最近また魔女が増えてるって話知ってるか?」
授業が終わった後友達が話しかけてきた
「あぁ、あの魔女組合が頑張ってるらしいな」
俺が答えると友達が
「魔女組合って最近出てきた魔女の組合だよな
あれって大丈夫なんか?
魔女がさっきの授業の話みたいに暴走したりとか…」
「お前知らないのかよ
魔女組合ってのは魔女による魔女のための救済活動を行い、魔女と普通の人たちとの共存を図っている組織なんだぜ」
「まっじかよ全然知らなかった
さすが将真、成績優秀、常に冷静沈着、プレゼンでは焦り知らずと呼ばれるだけのことはあるなぁ」
「変なこと大声で言うなよ…」
この声を聞きつけたクラスの奴らが集まってきた
そしてそのうちの一人が話し出した
「なんでも知ってる将真さんよう、じゃあこの話知ってるか?」
「どんな話だよ」
「各国の政府が協力して作った対魔女組織・通称魔女狩りが魔女で人体実験をしてるって話」
「そんな話…」
「そんなひっどい話あるわけないよ」
急に話に入ってきたのは、紅山 秋だった。
他人に厳しく、自分に厳しい。
弱きを助け強きを挫くを地で行くと言われるクラスの委員長的存在だ
「世界を守るために戦ってくれる人たちがそんな悪いことするわけないじゃん
ね?浅田君もそう思うよね」
「一概には言えないんじゃないのかな。なぜなら魔女の脅威は今でも健在だ
世界中の政府が頭を悩ましている。
それに対する備えを考えるならやはり本人達を調べるのが一番だろう、人体実験とまではいかなくとも調べたりはしてるんじゃないかな」
それでも、といつもより強く食いついてくる紅山さんに友達が慌てて話題を変えた
「なぁ友和、今日の紅山さんちょっとおかしくなかったか?」
放課後、俺は親友の友和と一緒に下校しようとしていた
「そうかな?僕にはいつも通りに見えたけどね」
こいつは春風 友和。ゴミ捨てを頼めば行ってくれる、エアコンを掃除するときは真っ先にする、委員会を基本手伝ってくれるなど数々の伝説を持っている。クラスでは学校一のお人好しと言われている。
「まぁ紅山さん、正義感が強い人だしね、譲れないものがあるんじゃない?僕にとっては尊敬するべき人だよ」
「おばあちゃんを見れば荷物を持ち、おじいちゃんを見れば道案内をする、ってお前クラスで言われてるぞ
困っている人は助けずにはいられない熱血主人公って」
「はは、面白いあだ名だねそれ、僕そんなすごい人でもないのに」
そう友和が言いながら下駄箱を開けると大量のラブレターが落ちてきた。
「流石は熱血主人公、だな」
「困ったなぁ
僕、彼女作る気ないのに」
苦笑いをする友和、女に興味がないと言うのが唯一の欠点とも言われている
と、そこで俺のスマホがなった
「父さんからだ、夕飯買ってこいだってよ。
ごめん、途中までしか一緒に帰れない」
「大変だねぇ。じゃあまた明日」
「ああ、明日な」
そうして別れ道まで行き友和と別れた
「じゃがいもと人参とあと牛肉?
なんだ今日はカレーでも作る気なのか?」
大して忙しくもないくせにカレーに走ろうとする父親に嘆息しつつ俺は買い物をしていた
いつもの癖で今日の授業を思い出していた
「国語は古文単語さえ覚えればいいし、数学が復習だな。あと魔女学は…」
ふと今日の紅山さんの様子を思い出していた
友和はああ言っていたがやはりどうも気になるきがした
ゴオォォォ
そんなことをふと考えていると唐突に凄い音がした
音がした方を振り向いた途端目の前が真っ赤に染まった
「ゴホッガハッゲホッゲホッ」
凄まじい煙に思わず咳き込み前を見るとそこは地獄絵図が広がっていた
さっきまであっ食品が、たくさんの人々が、床が、天井が、炎に包まれていた。
「アハハハハ、アハ?アハハ、アッハハ?アハハ」
人々の叫び声、断末魔の叫びの中に笑い声が聞こえた ー人としての正気を完全に失った狂った笑い声が
「まさか?そんな魔女がこんなとこにいるはずか…」
そんな俺の望みを断ち切るかのように目の前に人が現れた
「焼けて…ない?
燃えてよ、燃えろよなぁネェネェネェ」
ダンッ
あまりの熱さと恐ろしさに横にふらついた途端自分が先程までいた場所が炎の中に消滅した
「なぁに避けてんのよォォ?
だァれものがさなァいのよぉぉぉ?」
自分同様、周りの人達もやっとこの状況を認識し始めたのか周りから叫び声が聞こえる。
「まだまだァいるねェ
楽しいネェ
モヤセルネェェェ」
無慈悲な炎が周りを包み込んだ
「お前もそろそろ死ぬときだろォ?」
魔女の目がこちらに向いた途端、右腕が燃えた
「あん?」
ー理解が追いつかなかった
気がついた時というのは脳が痛みに追いついた時、途端右腕に激痛が走った
「があ?」
頭が痺れる、思考がまとまらないあまりの痛みに何も考えられなかった
火が広がるー肩まで
「ギャァァァ」
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い…
「まだまだだよォ?
全身が燃えないとねェ〜」
あまりの熱さに意識が朦朧としてくる。魔女の声のみが辛うじて聞こえる
「グァァァ」
俺の絶叫と共に魔女が手を振りかざすのが見えた
殺される、間違いなく殺される。
そう思った瞬間、無意識に手を空に向けていた。
「んん?なァ〜にやってるのかしらァ?」
魔女が訝しむようにこちらを見るが、そんなことを気にして余裕はない。
その時イメージしたのは全てを押し潰す大岩、それを自分を襲う魔女の上にイメージしたのだ。
なぜこんなことをしたのかは分からない。
ただ何かが俺の中で告げていた
本能に従った。そうとしか言えないような何かが俺の中にあった
「うぉぉぉ」
グァァァァン
岩がー直径二メートルはあろう巨大な岩が魔女の上に落ちた
「ハアハア」
岩の下から店の床に血が染み渡る
何が起きたかわからない、脳が理解を拒否している
「あっれ〜おっかしーな
私が聞いてた報告では炎の女の魔女が暴走してるってのだったんだけどなー?」
突如、唐突に声がした。見上げると店の照明の上に見た目小学3年生くらいのツインテールの女の子がいた
「その女の魔女が岩で死んでてその隣に新たな男の魔女がいる
あっわかったーおにーさん覚醒したんだね
なら私はおにーさんをぶっ殺せばいいのかー」
何を言っているのか理解できなかった
「私も早く終わらして帰って寝たいからね〜
おにーさんもそうでしょ?
そもそもこの辺の管轄は秋の筈なのにね
だからさ」
そこで一息をついた
続きを言わしてはならない聞いてはならない気がした
「だからさ?早く死んでくれると嬉しいな♪」
途端床に亀裂が走った
見るといつのまにか少女の右手には剣が握られていた
「そういえば名乗り忘れてたね
私は魔女狩り組織の隊長・村雨 雫!
そしてこの得物はシチテンノヤイバ!
どう?かっこいいでしょ?」
訳がわからない、急に魔女が現れたと思ったらその魔女が岩に潰れた
その途端、魔女狩りの体調を名乗る村雨雫という少女に襲われた
遂に脳の理解が限界を超えた俺は逃げ出した
「あっれ〜?
だっからさぁ早く死んでくれたら嬉しいって言ったじゃん
なんで逃げるのさー」
おぞましい声が聞こえた
理解をしたくない
何がどうなってどうして今なんでこんな状況になってしまったのか何も考えたくなかった
「逃げても無駄なのにね〜
私のシチテンノヤイバの肉体強化で一瞬で追いつけるんだから♪」
すぐ後ろで少女の声が聞こえた
「死んじゃって♪」
ガチン
「はあ?」
肩に振り下ろされた剣はー刺さらなかった
魔女が唖然とする
その時
「あ、あ、あっちにまた魔女が出たぞー」
「ああん?」
俺の方の進行方向とは逆のまだ燃えてる方から声が聞こえてきた
「もっしかして魔女組合かなー
まっじでだるー
でもあいつらもいつか殺さないといけないしねー」
ここで雫がこちらを向いた
凄惨な笑顔とともに
「ちょっと殺って来るから
動いたらー殺すよ?」
それから俺が何かを言う前に雫は声がした方へ飛んでいった
「逃げるなって…逃げるに決まってんだろ!」
俺は直ぐに逃げ出した
「ハアハア」
急に逃げる場所なんか思いつかず俺は近所の裏山に来ていた
突然視界が揺れた
ドシャ
自分が転けたことにやっと気づいた
足は絡れ、息はあがり、右腕はまだ激痛が走っていた
「クッソォ…
何で、何で俺が魔女なんだよぉぉぉ」
自分でも気づいていた
あの魔女の上に急に岩が落ちたのは俺の魔女の力が目覚めてしまったってことに
俺はその現実から目を必死に逸らそうとしてーそらせなかった
「クッソ、クッソ、何で何で急に魔女なんかに
ほんと意味わかんね
誰か助けてくれよぉぉぉ」
「だから助けてあげるって言るんだよー
ー死ぬことでね♪」
ゾクッ
後ろから声が聞こえた
子供のように純真で子供のように残酷な、人を殺すことに何の感慨も躊躇ないような透き通るように美しい村雨 雫の声が
「ヒッはっ」
息が詰まる、喉が一瞬で干上がった
さっきの恐怖が蘇る
「私に嘘の情報流した可愛い子は後で嬲り殺すとしてー逃げた君はもっと重罪だよねー?だって私が自ら君の望みを叶えてあげようとしてあげてるのに
君、逃げるんだもーん
私、ちょっと傷ついちゃったかな?
というわけで
君、
死ねよ」
走り出した
動こうとしない足をもう一度酷使し必死に山道を登ろうとした
後ろから声が聞こえる
「君に私の絶対斬撃が効かないのは魔女の性質だからかな?
なら私は君を剣の力の1つである肉体強化で直接ぶっ殺せばいいのか
私自らが人を殺すなんて滅多にないんだよー?
だって手、汚れちゃうし
感謝してもいいくらいだよ?」
バッキィ
後ろから飛んできた大木が目の前に立ち塞がった
雫の肉体強化で吹っ飛ばされた木だった
「これで逃げ道、なくなったねー
これで心置きなく私は魔女を殺せて君はこの苦しみから解放される、これぞウィンウィンの関係ってやつだよね♪」
大木を吹っ飛ばしたと思われる拳が俺に向かってきた。