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青春に召喚魔法は必要ない!?  作者: ごりもす
1/1

プロローグ

「――――――ッ!」


父の怒鳴る声が聞こえる。

また倒れたのか…何度気を失ったのだろう。

身体が動かない。

――熱い、燃えるように熱い


だが、痛みなんてもう慣れた。

痛みなんて怖くない。

でもなぜだろう

空を飛ぶ鳥の声、必死に鳴く蝉のこえ、楽しく走り回る子供の声

朦朧とした意識の中、鮮明に聞こえるその声に俺は涙を流していた。


『あぁ…そうか俺は孤独だ。孤独が一番怖かったのか…』


涙を拭いた俺は今にも崩れそうなその脚で身体を支えて立ち、

今にも消えそうなその声で友の名を呼んだ

「召喚!――――――――!」


そして今にも折れそうなその心は燃え盛る炎の中へ身体を投げた。




――――「熱ッッッツゥ!!!」

バカみたいな大声で叫んで目覚めた俺の目の前には、鬼のような顔でこちらを睨んでいる妹の姿があった。

間違いない…これは寝坊したパターンだ。

原因がわかっていながらも俺は妹に尋ねる。


「おいミツキ…実の兄を起こすのは顔面に熱湯をかけてやるのがベストアンサーです、なんてどっかの知恵袋にでも書いてあったのか?」


「ハァ!?なにそれ意味わかんないんだけど!お兄ちゃんが寝言で熱い熱いってウルサいから熱湯をかけて起こしてあげたの。」


俺はまたあの夢を…


「お兄ちゃん、高校に入ったらリア充生活を送ってやる!的なこと言って張り切ってたクセに初日から遅刻なんて妹として恥ずかしいからはやく準備して!」

はいはい。と俺は起き上がり支度を始める。


高校というのは全校生徒約2000人のマンモス校【竜ヶ峰魔法学園】

国に2校しかない魔法学園はその名の通り魔法を学問とする高校で、オーソドックスな魔術師をはじめとして呪術師、召喚士、奇跡などいろいろな種類の魔法使いが、さらなる技術の向上を図って通う場所だ。

そんな場所に俺は召喚士として入学することになったんだが…ぶっちゃけ魔法は嫌いだ。


幼いころに母を亡くしずっと父と妹と3人で暮らしていた俺は、物心ついたころから召喚術の特訓を受けていた。学校なんてものには通わせてもらえず、遊びなんてものは考えることすら許されなかった。

しかもその父は1年前に急に失踪しやがった。なんていうか…魔法を使うと父や孤独だったあの頃を思い出してしまうから嫌いなんだ。


魔法使いの家系は普通の学校に入ることができないから仕方なくこの学校に入学することにしたが俺は絶対に青春を満喫してやる!

アイツに奪われた青春を取り戻すんだ!


改めて決意した俺は外の世界に自由を求めて一歩を踏み出した。


行ってきます。




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