序章.ポピー
読み方書いておきます。
野城 花梨ーのしろ かりん
蓮見 煉 ーはすみ れん
菖蒲 尚輝ーしょうぶ なおき
ピピピ ピピピ...
「ん~。あと5分...」
ピピピ...
「もうっ!何で今日はこんなに鳴ってるの!?」
イライラしながらスマホをとると、画面には大きく予定がでていた。
【始業式】
「始業式?...あーっ!今日から学校じゃん!!」
そうだった。今日から長いようで短かった春休みが終わり、新学期が始まるのだ。
「明日は寝坊できないからって長めにアラームかけてたんだ。」
大慌てで制服に着替えていると、リビングから母親の声が聞こえてきた。
「花梨ー!いつまで寝てるの!!」
「今起きたー!!」
「煉くんと尚輝くんもう来てるわよー。」
「ヤバっ!マジか!!」
急いで髪を結び、鞄を抱えて階段をかけ降りると、呆れ顔の母親が待っていた。
「もう!こんな日にまで寝坊だなんて。」
「はいはい。てか起こしてよ。」
小言が始まりそうな雰囲気だったので、私は急いで靴を履く。
「行ってきまーす!!」
外に出ると、ニコニコ笑っている長身の男子と仏頂面の男子が立っていた。
「尚輝、煉!待ったよね?ごめん!!」
「遅い。こんな日まで寝坊か。」
「あぅ〜。」
「まぁまぁ。煉ったらこんな日まで怒んないの。ほら遅刻しちゃうし行こう?」
「お前はいつになったらしっかりするんだ。」
「アハハ。でも、そこが花梨のいいところじゃない。」
「尚輝は甘すぎるんだよ。」
私の右側でブツブツ文句を言っている小柄な男子が【蓮見 煉】
大体いつも仏頂面。だけど、そこがクールでかっこいいと女子から結構モテる。(私は全然わからないけど。)
中学の頃からテストでは1位しか取ったことがなくて(やばくない?)陸上部に所属していて、今年度は生徒会副会長も務める秀才。
「これで背がもうちょっと高ければね。」
「あ?なんか言ったか?」
「別に〜。」
まぁ私も身長は高くはないから人のこと言えないけど。
「2人ともそんなに低くないじゃん。」
「「黙れ 巨人。」」
「ヒドっ!」
私達とは正反対。190cm越えの学校一背の高い【菖蒲 尚輝】
その長身を生かして所属しているバレー部ではエース。温厚で誰にでも優しいので女子からも男子からも人気がある。
煉、尚輝、そして私【野城 花梨】は幼稚園からずっと一緒。
所謂、幼なじみというやつだ。小さい頃から遊んでて、親同士も仲がいいのでほとんど家族のような関係だ。
そして私達3人は、今日から桜草高校の最高学年として学校生活を送る。
満開の花がすぐに散ってしまうように、1年などあっという間に過ぎるだろう。だから悔いが残らないように過ごそう。
ーこれは強く、全力で咲き続けた6輪の花の物語
花の説明
題名ークロッカス
花言葉ー青春の喜び
ポピー
花言葉ー恋の予感
野城花梨ーカリン
蓮見煉 ー蓮
菖蒲尚輝ー菖蒲
3人の花言葉についてはもっとお話が進んでからにします。