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ダンジョンの隠し部屋でのんびり生活  作者: 泪
ダンジョンの暮らし
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Aランク冒険者とカレーライス 下

 昨夜レオンさんが、ダンジョンマスターの会合で数日ダンジョンを離れるそうで、デスホーンと言う魔物を狩ってきてくれました。

 大量の牛肉ゲットです、しかも冷蔵庫に状態保存の魔法を追加してくれたので冷蔵庫にさえ入れておけば賞味期限を考えなくて良いそうです。

 魔法って……日本にいた頃より快適で便利な生活が出来てますよ。


「サクラ、2日程前からAランク冒険者のパーティーがダンジョンの31階で迷ってる、此処に来る可能性がねぇ訳じゃねぇから、これやる。」

 とレオンさんから不思議な光沢のある、黒い腕輪をもらった。

 どうやらこの腕輪レオンさんの鱗で出来ているらしい。

 私の腕に通すとぴったりのサイズに縮み、外れない様になるこの腕輪にはレオンさんの魔力が流れてて、ダンジョン内なら腕輪を着けた私に魔力がある様に感じられる優れものだそうです。


 我が家のカレーは、亡くなった母の

『カレーは大好きだけど、カレーの中のとろけたジャガイモは許せない、人参も嫌い』

 という子供みたいな意見により、大量の玉ねぎと薄切り牛肉のみが具のカレーでした。

 大量の牛肉が手に入った事だし、余ったら冷凍しておけば良いから、久し振りに納戸から大鍋を取り出してカレーにしよ♪


 大鍋に玉ねぎの薄切りを大量に入れて炒めて、しんなりしたらブイヨンを入れて煮込みます。

 しばらく煮たら火を止めて、一旦冷まし玉ねぎに味が染み込むのを待ちます。

 もう一度火を入れて沸騰したら薄切り牛肉を入れ、丁寧に灰汁をとって2種類のカレー粉を入れ馴染んだら又火を止めて、食べる前に温めます。


「「コケーッ、コッコッコ、コケーッ」」

 今度は誰が来たのかしら?

 玄関のドアを開けると、革鎧を着た男の人の背中にピーちゃんの蹴りがきまりその人が倒れこむところでした。

「きゃー、ピーちゃんコッコちゃん止めなさい!それ以上攻撃したらダメ~」

 部屋の入口には金属鎧を着て、剣を手にコッコちゃんと睨み合ってる男性と、壁に背を預け座り込んでいる人が……


「サクラ、もし冒険者達が此処に来たらお前は薬師だと言っとけ、此処の薬草でポーションを作って家族が売りに行ったって、冒険者はポーションを作る薬師に無茶はしねぇはずだ」

 とレオンさんの言ってた言葉を思い出しながら声をかける。

「すいません。お怪我はありませんか?ピーちゃん、いきなり攻撃したらメッでしょ」


「君は何者だ?こんな場所で何をしている?」

 剣を構えたままの男性が、警戒感もあらわに私に問いかける

「私は薬師です、此処の薬草でポーションを作って生活してます」

「薬師!仲間が病なんだ、ポーションを分けてくれないか?」

 ピーちゃんに蹴られて倒れた人が、立ち上がり私の腕を掴む……ピーちゃんコッコちゃん威嚇しちゃダメッ。

「ポーションですね、直ぐ用意しますから家の中にどうぞ」

 私が薬師と言ったら、剣を構えてた人も警戒をとき、座り込んでいた人に肩を貸してこちらによってきました。


「仲間を助けてくれてありがとう。俺は冒険者でAランクパーティー『トライアスラ』のリーダー、ランだ……君の名を聞いてもいいか?」

「私の名前は桜です、ポーションが効いたみたいで良かったですね」

 家に入った時は、高熱で苦しそうにしてた人もポーションを飲んだ事で症状が落ち着いてきたみたいね、良かった。

  「サクラちゃんか~、俺はスイムって言うんだ、 そこの無口でデカイのはバイクだよ」

「……感謝する……助かった」


「このダンジョンの中に薬師が住んでるとは、聞いたことがなかったが……何故ギルドが把握していないのだろう?」

 ランさんが私に、鋭い視線を向けながら質問する。

「薬師は薬草園の在処を秘匿します、でないと仕事にならないですから」

「しかし、ダンジョンの攻略にセーフティエリアは、重要な地点だ。君が独り占めしていいものではないはずだ」

「……32階のセーフティエリアは別に有ります、此処は隠し部屋なので、普通の人には見つからないのです」


「ぐぅ~きゅるるるる~、ゴメンサクラちゃん、良い匂いするから腹減っちゃって」

 スイムさんが、笑いながらお腹を押さえてる、

「カレーが出来たところなんです、皆さんいかがですか?」

「サクラちゃん良いの~?俺達、乾パンと干し肉ばっかりで、まともな食事久し振りなんだよね~」

「直ぐご用意しますね」

 バイクさんは病み上がりだから、カレーはキツいよね、鳥肉と卵でおじやを作ろう。

 私が台所で料理を始めると、スイムさんがぼそぼそ話す声が聞こえてきた


「ラン、ギルドに報告なんてするなよ。いくら薬師でも、サクラちゃんみたいな若い女の子がこんな場所に住むなんて、訳ありに決まってる、恩を仇で返すなんて俺は嫌だからな」

「……俺も……嫌だ」

「はぁ、そうだな、サクラさんを危険な目に合わす訳にはいかないよな」

 ……良かった。


 カレー皿にたっぷり、カレーとライスを盛ったものを2皿と、鳥肉と卵入りおじやの丼をテーブルに運んで、さぁ召し上がれ。

「サ、サクラちゃん、これ何?なんか、○○○みたいな……」

「これは……食べ物なのか?匂いは良いのだが……」

 カレーライスを見て固まった、ランさんとスイムさんをよそ目に一人おじやをパクパク食べてるバイクさんが……

 カレーライス、確かに知らない人から見たら、見た目がねぇ、美味しいんだけどね。

「私の故郷の料理です、見た目はあれですが美味しいですよ」

 と私が食べて見せると、スイムさんが意を決したように一口、口に入れる

「美味~、辛味の中にオニルの甘味と肉の旨味が……俺、こんな美味いの初めて食った」

 スイムさんが凄い勢いで食べてるのを見て、ランさんも食べ始める

「美味い、香辛料が複雑に絡み合って深い味わいになってる……すまない、おかわりをもらっても良いかな?」

「あ~ズルいぞ、ラン。俺もおかわり欲しい」

 クスクス、いっぱい作りましたから大丈夫ですよ。


 結局、ランさんとスイムさんは3皿づつカレーライスを食べ、バイクさんはそんな2人をちょっと羨ましそうな目で見てました。

 その後、予備のポーションを持ってトライアスラの皆さんが帰られる時、此処の事は秘密にすると言ってくれました。

 無事に帰られる事を、お祈りしてます。

「……俺も……食べたかった……カレー……」


次は2月9日の予定です。


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