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ダンジョンの隠し部屋でのんびり生活  作者: 泪
ダンジョンの夏
33/54

海に行こう

いつも読んでいただき、ありがとうございます。


青山様、味噌様、活動報告のコメントありがとうございました、両方のパターンで試しに書いてみた所、この様な結果になりました。

本人は次回登場予定……魅力的な人に書けると良いなぁ。

 ノースダンジョンの中は夏なら外より暑く、冬なら外より寒い過酷な環境にしてある。 

 昔はそんな面倒な事はしねぇで1年中一定の環境にしてたんだが、100年程前に外に比べて夏涼しくて冬暖かい、その上嵐がきても影響のないダンジョン内に村を作ろうと、人間共が冒険者を雇い大挙して押し寄せた事があった。

 しかも入口付近の魔物を狩りつくし勝手に拡張工事まで始めやがった、まあそのせいでダンジョンのバランスが崩れて入口付近で魔物のスタンピ-ドが起きてその連中は全滅したんだが。

 あの時はかなりの人数の人間が、一度にダンジョン内で死んだって事で軍が調査に来て、その後始末のあまりの面倒臭さにダンジョン内の環境を変えたんだ。

 おかげで夏や冬は冒険者も少なくて、ダンジョン管理が楽になったって言ったら、レッカ達も同じ環境に変えたらしい。

 

 そうは言っても獣人の里と、この隠し部屋は外の環境と同じ位になるように調整してある、育ててる野菜がダメになったり年寄りや子供が病気になったらまずいからな。

 それでも夏は36℃以上になる日もあるし、冬は0℃以下になる日もあるが、サクラは高温多湿な日本の夏と比べれば、ここのからっと乾燥した暑さはすごしやすいと笑ってた。

 その上異世界のエアコンって魔道具のおかげで家の中は快適だ、ただレイみたいに小さな子供に家の中だけで遊べってのはな……

 獣人族のガキ共はこの季節、川で泳いだり潜って魚やエビを捕まえたりしているが、レイにはまだ危険だしな。


 ダンジョン内の冒険者が少ないせいで思ったより早く家に帰ると、昼寝中のレイの隣でサクラが小さな絵を何枚も広げて眺めている、

「ただいまサクラ……ちゅっ……なんだこれ!!これサクラだよな何で外でこんな格好してんだ?」

 嘘だろ、今より少し幼さの残るサクラと他の女が下着姿で描かれてるだと……この絵は見たものを一瞬で写し取る魔道具で撮られた写真って言ってたやつか?

「おかえりなさいレオン、こんな格好って海に泳ぎに行った時のだから、水着を着てるだけよ」

 平然と答えるサクラに頭が混乱する、俺だってこんな格好のサクラは明るい場所で見たこと無いってのに、別の写真には後ろに若い男達も写ってるだと、こいつらもサクラのこの格好見たのか?

「これ下着と変わらないじゃねえか!男もいる場所でこんな格好して襲われたらどうすんだ!!」

 思わず叫ぶと、レイを起こしてしまった。


「うぇ~ん、と-しゃまこわい~」

 ヤバイ、怖がらせたかっ、サクラも呆れた顔してるし

「レイ~急に大きな声だしてごめんなー」

 慌てて抱き上げてあやしていれば、なんとかご機嫌がなおり畳に拡がる写真に興味が移ったみたいだ、

「きれ~なえね~。かーしゃま、これどこ~?」

 海の中の小魚の群れや、見たことも無い変な生物の写真に夢中になるレイの横で、サクラの写ってる写真を集める。

 くそっ、サクラの形の良い胸の谷間が……臍も出してる上に、このスカートなんてほとんど太もも全部見えてるだろ、俺がこんなに動揺してるってのに、サクラはのんきに

「これは海の中よレイちゃん、お魚さん達が泳いでるの綺麗でしょ」

 なんて言ってる、その上レイは両頬に手を当てキラキラした目で俺を見上げ、

「レイちゃんも、うみいきたいな~」

だと……



 はぁぁぁ、落ち着いてよく見れば南の方に住む人間や人魚族は、こんな格好していたか?

 たしか袖や襟のある服は暑すぎるとか、泳ぎにくいとか……だがサクラの肌は俺のもの、他の男には見せん!

 いやしかし、俺だけが見るならこの格好は有りだよな……人魚族の女達は魔法で下半身を足に変えて、陸上でも生活してたはず、この格好はあいつらの着てる服に似てるし、ダンジョン内なら他の男の目も無いか。

 ……う、変なもん思い出しちまった、いやいやアイツはあの脳筋の手綱をしっかり握って、馬車馬みたいに働かす事の出来る有能な奴ではあるんだ、ちょっと見た目と言動に難があるだけでな。


「ね~とーしゃま、ダメ~?」

 俺の袖を引っ張りながら、もう一度聞いてくるレイに困った顔のサクラが言い聞かせてる、

「レイちゃんごめんね、海は綺麗だけど危ない場所でもあるの。だから簡単には行けないのよ」

「だめなの~」

 しゅんっとなったレイを宥めるサクラを見ながら考える、ブルーノの所には獣人用の塩と肉の交換に行く時期だし、ついでに人魚族の里でちょっとレイを遊ばせてやるくらいならかまわねえだろ。


「よし、海に行くぞ。行き先はイーストダンジョンの人魚の里だ」

 そう言うと、ヤッタ-とぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶレイを見ながら、サクラが心配そうに、

「人魚の里ってブルーノさんの所でしょ、私達が行ってもいいの?レオンの仕事は大丈夫?」

 と聞いてきたから、説明しておくか、

「あいつの所に肉と塩を交換しに行くついでだ、人魚の里の方はウーノに言っとけば問題ない」

 ブルーノは人魚達からうざがられてるし、副官のウーノの方がきっちりダンジョン内を把握してるしな……ただ、アイツはアイツでかなり特殊なんだが。

「ウーノさん?それに、人魚の里ってどんな場所?」

 そんな事を聞いてきたサクラには、先に言っといた方が良いか?何も知らずに会ってびびらせるよりは。


「ウーノはブルーノの副官で、セイレーンだ。脳筋を上手くこき使ってダンジョンを維持してる、ある意味ラスボスだ。普通セイレーンってのは、上半身女で背中に1対の翼を持ち下半身が鳥の魔物なんだが、ウーノはその変異種でな、白い髪に赤い目で上半身が男なんだ……それと、な。アイツの喋り方と性格は女だと思っておいてくれ」

 そう言うと、きょとんと首をかしげたサクラが

「あ、はい。ウーノさんって見た目も女性っぽいの?」

 やけにあっさり納得したようだが、本当に分かってんのか?っていうか、その仕草可愛いな、おい。

「顔はまぁ整ってるし化粧してるから女に見えるが、体はかなり鍛えられてるな。ダンジョン内の環境の調整とか細かい仕事を嫌がって、下層の魔物と戦いに行こうとするブルーノをおさえつけて仕事を続けさせられる位には逞しい」

 サクラを抱きしめながらそう言うと、あはははと乾いた笑い声をあげながら振り返り、

「ブルーノさんの仕事風景が想像通りなのと、ウーノさんがすっごく有能な人だというのは分かった。心と体の性別が違う人がいるのも知ってるから」

 って……異世界にもいるのか、まあ他人に迷惑かけてる訳じゃないし、悪い奴じゃないしな。


「ああそうだ、人魚の里は海中洞窟の奥にあるが、ちゃんと空気も砂浜もあるし、水中でも息が出来る魔道具があるからな」

 さっきのもう一つの質問にも答えると、ほっとしたようにレイの頭を撫でながら、

「よかった、私も泳げるけどレイちゃんが溺れたら大変だと思ってたんだ。あ、ブルーノさんや人魚の里にも何か手土産持っていった方が良いよね、何がいいかな?」

 泳げるって、あの下着みたいなの着るつもりか?

「サクラ、あの水着着るのか?」

「え?あ、そうか、あの水着はもう無理よ、あの水着着れるほど若くないしね。レイちゃんの水着も無いか、どうしよう?」

 なんだ着ないのか、若くないって今のサクラも十分綺麗だから、俺だけが見るならあの水着ありだったんだがな。

 ……服関係はブランに任すのが一番か?

「ブランに水着を作ってくれって頼んどく、レイ~水着が出来たら海に行くぞー」

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