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ダンジョンの隠し部屋でのんびり生活  作者: 泪
隠し部屋の春
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モウモウ乳と爆発料理人

いつも読んでいただき、ありがとうございます~(*´∇`*)

 今日はシバさん達が牛乳?を持ってきてくれる日なので、約束の筍料理の準備中。

 お花見の時にも作った筍ご飯のおにぎりと煮物と天ぷら、天ぷらは煮物にしてから揚げると食べた時にじゅわっと出汁が出てきて美味しいの。

 獣人族の里の人達も筍の食べ方に興味があるみたいだから、お弁当に詰めて持って帰ってもらうつもり、もちろんシバさん達の大好物の唐揚げも詰めてあります♪


「「「おっはようございまーす」」」

「シバしゃんたち、きた~」

 子供部屋で遊んでたレイちゃんが、とてとて玄関に走って行こうとするのを捕まえて

「こーら!知ってる人の声がしても一人で玄関開けちゃダメでしょ」

 と叱る、ドアに手をはさんだりしたら大変だもの。


「おはようございます、今日もお野菜ありがとうございます」

 私が挨拶している間に、玄関を出た所でニコニコ笑顔で待っててくれたシバさん達3人に向かって、レイちゃんが突撃する。

「シバしゃん、ニャーしゃん、あしょんで~」

 この前一緒に遊んでもらったのがよっぽど楽しかったみたいで、ニャニャちゃんが来てくれるのを楽しみにしてたの、やっぱりレイちゃんには年の近いお友達が必要ね。

 今夜にでもレオンに、獣人族の里のチビッ子達とレイちゃんが一緒に遊べないか聞いてみなくちゃ。


 走ってきたレイちゃんを、ひょいっと抱き上げたニャニャちゃんはこちらを向くと、

「レイちゃんの事はニャニャに任せるにゃ。サクラちゃんはモウモウ乳の事頼んだにゃ」

 なんて言って敬礼すると、桜の木の方に走っていった。

「ごめんね、いつもレイちゃんの遊び相手になってもらって」

 毎回申し訳ないなと謝っていると、大きなビンに入った牛乳?を持ったニャタロウ君が、

「こちらこそ、モウモウ乳が美味しい料理になるって聞いて、いてもたってもいられなくて僕まで来てしまったみゃ、ごめんみゃー」

 と頭を下げた……竜族の習性が気になるのかな?


 昨夜レオンが言ってた事、教えてあげた方がいいみたいね。

「シバさん達なら、何時でも遊びに来ればいいって言ってたから、レオンの事は気にしないでね。私もモウモウ乳が楽しみにしてたしね」

 と言ったら、ひきつったように笑ったシバさんが、

「あははは、俺達なんて黒竜様の眼中にないっすよねー。じゃあ俺もレイちゃんと遊んできます、俺とニャニャは料理作ろうとすると、何故か必ず鍋が爆発するんで台所には立入禁止なんっす」

 って笑ながら走って行ったんだけど、必ず鍋が爆発って……思わずニャタロウ君を見ると、困った顔で無言で首を振ってた、あははは。


 とりあえず台所に移動して、モウモウ乳の味見です。

 ビンの上の方は少し色が濃くて、生クリームっぽいのでちょっと別に取り分けて置いて、コップに注いで……匂いはうん、牛乳ね。

 味は……美味しい!やっぱり搾りたてだから?濃くて少し甘みがあって、昔おばあちゃん家で乳牛を飼ってた時に飲んだものにそっくり。

「美味しいよニャタロウ君、これで本当に獣人族には不人気なの?」

 と言ったら凄く嬉しそうに笑って、

「美味しいって言ってもらえて嬉しいみゃ。でも獣人族は鼻が良いのみゃ、だからこの匂いが嫌って人が多いみゃ」

 匂いか……ホワイトシチューを作るつもりだったけど、匂いがダメならビミョーかな?

 後はプリンなら大丈夫かな?


「とりあえずモウモウ乳を使って昼食を作りましょ、バターは里でも作ってるかな?」

 手順を考えながら聞いてみると、

「黒竜様に人間の町で買ってきてもらった事があるみゃ、でもどうやって作るか分からないみゃ」

 と悲しそうに言われてしまった、けど大丈夫バターは簡単に作れるよ。


「バターは意外と簡単に出来るのよ。そうだ、シバさん達にも手伝ってもらいましょう」

 あの二人なら体力有るし、バター作りは楽しいからレイちゃんも喜びそうよねと思ってたら、

「ダメみゃ~!!あの二人は絶対ダメみゃ」

 ニャタロウ君が泣きそうになりながら首を振ってる……え、そんなにヤバイのあの二人って。

「あのねニャタロウ君、バターはビンにモウモウ乳と塩を入れてひたすら振ると分離して出来るの、結構体力がいるけど単純作業だから子供でも出来るんだけど」

 と言ってみると、へなへなと脱力したようにしゃがみこんでしまった。

「そんな簡単に出来るみゃ……確かにビンを振るだけならあの二人にも出来る……かみゃ?」

 それでも?が付くのね、大丈夫よね。


 取り分けて置いた生クリームっぽい部分を、500mlのペットボトルに半分位入れて、塩を入れたのと入れない無塩バターになる物2種類用意して庭に出る。

「シバさーん、ニャニャちゃーん、ちょっとお手伝いお願いしても良いかな?」

 庭で遊んでた3人に声をかけると、レイちゃんを肩車したシバさんとニャニャちゃんが走って来て、

「お手伝いするにゃ。何するにゃ?」

 と嬉しそうに言ったニャニャちゃんに、慌ててシバさんが止めにはいる。

「ニャニャ待つっす、俺達が料理の手伝いが出来るわけないっすよ」

「大丈夫よシバさん、二人にはこのビンを振ってもらうだけだから」

 とペットボトルを渡すと、二人とも不思議そうに中身を見てる。


「ビンの中にモウモウ乳を入れてね、ひたすら振ると中身が分離してバターが出来るの。ちょっと大変だけどお願いして良いかな?」

 ニャタロウ君はまだ少し不安そうな顔をしているけど、シバさん達は

「振るだけっすか、なら大丈夫っす」

「それならニャニャにも出来るにゃ、まっかせるにゃ~!」

 なんて言って早速しゃかしゃか振り始めた。

 その楽しそうな二人をうやましそうに見てるレイちゃんに気が付いたシバさんが、

「レイちゃんも振ってみるっすか?楽しいっすよ」

 とペットボトルを渡してくれたけど、ちょっと重かったのか上手く振れないみたいで

「うんしょうんしょ、シバしゃんおもいの~。レイちゃんもういいの」

 なんてしょんぼりしちゃった、今度作る時はレイちゃん用に小さい容器を用意してあげるね。


「振っり振っり振っり、振り振りにゃ~!!」

「ニャニャには負けないっす、うぉー振りまくるっすよー!!」

 うん、獣人族って凄いね、二人ともかなりのスピードでペットボトルを振りまくってる、さっきまでしょんぼりしてたレイちゃんも目を輝かせて見てるけど…………あ、ヤバイ。

「ちょっと待って、二人と……キャー」

 二人を止めようと1歩近付いたその時、ポンッという音とともにシバさんの振っていたペットボトルの蓋が飛ぶと、ブッシャーとまだ分離していなかったモウモウ乳が噴水の様に吹き上がる、そのすぐ後にニャニャちゃんの方のペットボトルに鋭い爪が突き刺さり、空いた穴から中身が噴出し二人をモウモウ乳まみれにしてしまった。


「やっぱりあの二人に料理は無理だったみゃ、台所でやってたら掃除が大変だったみゃ」

 呆れたようなニャタロウ君の言葉に、私も何も言えなかった……獣人族にはペットボトルでは柔過ぎたのね、代わりの物を考えなきゃ。

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