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ダンジョンの隠し部屋でのんびり生活  作者: 泪
隠し部屋の春
25/54

お花見とウエディングドレス 4

51万PV、11万ユニーク突破ありがとうございます~(*´∇`*)


何時も読んで下さっている皆様のおかげです、ついでにブクマ、評価を頂けると嬉しいなぁ。

 ブランさんに手を引かれて庭に向かう途中、両親にもこの姿を見てもらいたくなって、

「すいません、少しこの部屋によっていいですか?」

 と断りをいれて仏間に入ると、黒いたて襟の軍服の様な服を着たレオンが仏壇の前に座って待っていた。


「やっぱりな、ここにサクラの両親がいるんだろ、俺達が番になった日にも二人で報告したもんな。サクラならその姿両親に見せにくると思ってた。ブラン、先に庭に行ってくれ」

 振り返って笑いながらそう言って、立ち上がったレオンの隣に並びそっと手を握られて二人で両親に挨拶する。

「お父さん、お母さん、見て。レオンがウエディングドレスを用意してくれたの、二人が生きている間に花嫁姿を見せられなかったのは残念だけど、私はこっちで幸せに暮らしてます」

「親父、おふくろ、サクラは俺が一生大切に守る、だから安心して見守ってくれよな」

 レオンったら私と番になったんだから、番の親は俺の親なんて言って私の両親の事を親父、おふくろって呼ぶようになったの、レオンの両親はもう随分前に亡くなった上に竜族は4人だけになってしまったのでレッカさん達が家族みたいなものだって言ってたっけ。


「そのドレス似合うな。でも胸の辺りがちょっと物足りないか?」

 上から下までじっくりと私の姿を眺めた後のセリフがそれですか、小さい胸で悪かったわねと睨むと、レオンは焦った様に言い直した

「違う違う、なんか首飾りでも用意しとけば良かったと思っただけだ」

 確か真珠のネックレスがあったはず、あれならこのドレスに合うかも

「これはどうかな?母の形見なんだけど」

 とタンスから取り出すと、レオンが後ろから着けてくれた。

「あぁ良いな、綺麗だな……ちゅ」

 ちょっと待って、口紅がとれちゃう、それ以上はダメでしょ。

「皆が待ってくれてるんだから、そういうのは後で、ね」

「後で、な。楽しみだ」

 ニヤリと笑ったレオンは直ぐに止めてくれたけど、ヤバイ墓穴掘っちゃったかも……


 レオンに手を引かれて庭に出て、桜の木の下で待つレッカさん達の前まで進み、二人で誓いの言葉を言う

「我、黒竜のレオンは異世界の人間であるサクラを番とし、生涯愛し守る事をここに誓う」

「私、桜は黒竜レオンの番となり、病める時も健やかなる時も番を愛す事を誓います」

 と、竜族の3人が声を揃えて返答をしてくれた。

「「「我ら竜族は、黒竜レオンと異世界人サクラを番と認め祝福する」」」


 その時、ダンジョンの隠し部屋になぜか風が吹き、ざぁっと桜吹雪が私達の上に降り注いだ。

 その薄ピンクの桜の花びらが舞い散る中、私の耳には「おめでとう、幸せになるんだよ」と言う両親の声と、こちらの神様の「特別大サービスじゃ」と言う悪戯っぽい声が聞こえたの。


「くっそー、ジジイに良いところ持ってかれた……けど、綺麗だな」

 こちらの神様の言葉は聞こえたのか、悔しそうなレオンと寄り添って舞い散る桜を見ていたら、とことこ近付いてきたレイちゃんがこぼれ落ちそうなほど目を見開いて

「かーしゃま、きれ~!きれ~ねぇ」

 って、レイちゃんも可愛いドレス着てるのね、まるで花の妖精みたいよ。

 ピンク色のふんわりしたスカートのワンピースドレス、これもブランさんが作ってくれたの?

「ありがとうレイちゃんのドレスも素敵よ、ブランさんに着せてもらったの?」

「うん、ブランしゃんにもらったの。レイちゃん、かわいい?」

 なんて言いながら、スカートの端を持ってちょこんと腰を下げてポーズをとる、か、可愛い~!

 思わず抱き締めようとする私よりも早く、レオンがレイちゃんを抱上げ

「可愛いぞー、レイは可愛い」

 とか言って頬擦りしてる……オ・ヤ・バ・カ……


 そんなことをしていたら、すぐ側まで来ていたブルーノさんが

「しっかし見違えたな、なかなか綺麗じゃねえか。それにその首飾り『人魚の雫』か?かなり良い品だが、どうやって手に入れた?」

 なんて言ってくれたんだけど、人魚の雫ってこの真珠の事?

「これは母の形見の真珠のネックレスです。こちらの世界では真珠の事を人魚の雫って言うの?」

 と聞いてみたら、横から興奮したブランさんが

「人魚の雫はね、イーストダンジョンの海中にある貝の中から稀に出てくるの。これだけ粒ぞろいで質の良い首飾りは私も初めて見たわ!」

 なんて目を輝かせてる、ブランさんがこんなに興奮するなんて、こちらの世界ではよっぽど珍しい物なのかな?

 まあ、天然の真珠でネックレスを作ろうとしたら、大きさとか色を合わせるのが大変だよね、養殖でもやらないと。

「私の暮らしていた世界では、真珠の出来る貝に人工の核を入れて養殖して、大量の真珠を作り出す事に成功していたんですよ」

 と説明するとブルーノさんもブランさんも驚いた顔をして、二人でぶつぶつこちらでも養殖が出来ないか話だした。


「ねぇサクラちゃん、その養殖のやり方って詳しく教えてくれないかしら?人魚の雫ってね、装飾品だけじゃなくて上級魔力ポーションの材料にもなるのよ」

 とブランさんに聞かれたけど、

「お力になれずすいません、私には詳しい事は分からないんです」

 謝るしかないです、知り合いに真珠の養殖をしていた人はいましたが、核入れの方法なんて聞いた事がないので。

 それに魔力ポーションって、初めて聞きますが?

「そっかー、エルフ達は魔力量が多いから戦闘中に魔力切れになったら普通の魔力ポーションじゃ中々回復しないのよ、人魚の雫が大量に手に入ればと思ったけどそんなに上手くはいかないわよね」

「ダメかー、魚人達は求婚の時に人魚の雫を女に送るからな、これがないと結婚出来ないから切実なんだ」

 ってブルーノさんもガックリきてます、真珠ってそんなに重要なアイテムなんですね。


 その後も二人でどうにか養殖がやれないか、話をしているのを呆れた様に見ていたレッカさんが

「そこの二人、そういう話は後にしな。ブルーノはまず私のお説教からだよ」

 と小さな体の何処にそんな力があるのか、ブルーノさんを引きずって帰っていく。

「じゃあね。今日は楽しかったわ、またね~」

「又美味いもん食いに来るからな~!」

 慌ただしく帰っていく3人に

「皆さん今日は本当に、ありがとうございました~。又遊びに来て下さいね」

 と挨拶して、レオンとレイちゃん、3人で家に帰ります。


 今日は色々あって、ちょっと疲れましたね、早めに寝ようかな…………と思っていたのに。

『後で』を楽しみにしていたレオンに捕まり、中々眠らせてもらえなかった……

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