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悪役令嬢の肩書きに【転生】が増える

ー私の話をしよう。


名はルゼナ・ダンゼルク。

このミクラ王国の宰相を勤めるオリバー・ダンゼルク公爵の一人娘。歳は4歳。

え?公爵令嬢のくせにらしくないって?

確かに。でも、それはあの時から。ワガママを言って木に登った挙げ句、落ちてしまったあの時から。


思えば、落ちる時にみた彼の目がトリガーだったのかもしれない。

今、私は意識を手放したまま真っ暗な世界に放り出されている感覚なのだけど、不思議な事に同時に色んな記憶が甦っている感覚でもある。

それは私が私になる前の私。日本という国で生きていた頃の私の記憶。それでわかった。


なるほどねー。私、やっちゃったのかー。

【乙女ゲームの世界へ転生】ってやつを!。

めちゃくちゃネット小説読んだよね!

ざまぁってスカッとしたよね!

更にルゼナ・ダンゼルクって名前。

それは……【悪役令嬢】っ!

ハイきたーっ、テンプレ、倍々っ、どん!


……………………はあ。

沸き上がってきた感情そのままに、以前の私の言葉遣いと口調で言って見たけど、本当に厄介な事態だ。


『………ゼナ』


さて、どうしようか。

あの【ルゼナ・ダンゼルク】が私ならば、ここで助かろうがいずれ死ぬ。

回避するために、先ずは本当に乙女ゲームの世界か確かめるのが、順当なところだろうか。

ルゼナが出てくる乙女ゲームの攻略者は…、この国の王太子である第2王子、騎士団長の嫡男、魔術長官の直孫、そしてお父様の隠し子…つまり私の義母弟。

そして隠しキャラが、身分を隠して留学する隣国王子と、血筋が途絶えたはずの名門貴族の唯一生き残りであったと判明する教師だったような。

まあ、確認は王子と嫡男と直孫の名前だけでもいいか。


『……ルゼナ 』


確認がとれたら、次はどう行動するべき?

完全にヒロイン達の動きをスルーする。関わってとことん仲良くなって関係を変える。そもそも彼らと関わらないルートへ進む。

うーん。小説ではいくつかのパターンがあったけれど…………。


『ールゼナ、お願いだから目を覚ましておくれ』


ん?お父様の声は聞こえる。記憶の洪水もいつの間にかおさまっているし……。

まあ、この先は私が助かってから考える事だ。

大丈夫だと思うけど、お父様の声を道標に起きてみよう。




お父様の声に集中して起きたいと思えば、意識が浮上していくのがわかる。このままいけば、私は目覚めるだろう。


………………お父様の呼び掛ける声もはっきりしてきて。


ーえ。あれ?

転生悪役令嬢の新たなスタートに覚悟を決めたというのに、何でこのタイミングでこんなもので頭が一杯になっているのか!



(【星降る夜に君に捧ぐ】ってタイトル。なんかベタ!スッゴいベタ!)



ー私の馬鹿っ!



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