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撒き餌

クトゥルフ神話と言ったらネクロノミコン! 

ってことで超短編を書いてみました!

この他にも作品を投稿しているのでよかったら、そちらも読んでみてください

 なんということだ! 


 奇怪稀なる偶然により、私は『ネクロノミコン』を手に入れてしまった! たまたま立ち寄った古書店の奥深い所にある棚にまるで隠されるように置かれていたのだ。


 だが、いや、まて。落ち着くのだ。


 はたしてこの本が本当にかの有名な実在するかも怪しい禁忌の書『ネクロノミコン』なのか? 私にこれを『ネクロノミコン』だと証明できうるだろうか? 


 私は興奮から来るのか、恐怖から来るのかわからない震えをなんとか押さえつけて、そっと、ページを捲ることにした。


 おお! これは!? 


 本に書かれていたのはまさに噂で聞いた禁断の知識よりも暗く深い口にするのもはばかれる暗黒の知識の数々であった。これはもう、この本が『ネクロノミコン』であること物語っている証拠ではないか!


 ページを捲ることが止められない。この知識が私の身体を蝕んでいくようだ。


 気が付けば朝日が差している。もうそんなに時間が経ってしまったのか?


 しかも、身体にかなりの疲労を感じる。まるで身体の精気が風船が萎むかのように抜け出ているかのようだ。これもこの『ネクロノミコン』の影響だろうか……


 その時、漠然とした不安と一種の勘のようなものが私の中で湧きあがった。もしかすると、これは『ネクロノミコン』ではないのかもしれない。確かに見た目も中身も禁忌の書『ネクロノミコン』、もしくは写本、それらに匹敵する本ではあるが……


 この身体の疲労感、止めることができない! 憑りつかれたかのような手、これらが示すことは?


 そうか、わかったぞ! 


 なんということだ。私は騙されたのだ! 


 いや、騙されたというよりは罠に引っかかってしまったのだ! これは撒き餌だ。奇書に惹かれてきた愚かな人間の精気を吸い取る撒き餌だったのだ。


 ああ、自分でも意識が途切れかかるのがわかる。恐ろしい! いったい、この本はどれほどの愚かな人間の精気を吸い取ってきたのか。ああ、意識が…… 


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