謎の村シュタリックにて貴重なニンゲンを発見したエルカ!出世のチャンスを逃がすまいと努力するが、ニンゲンに人外だとばれてしまい!?初めて投稿する「いまそかり」による、コメディー×ファンタジー!!
ニンゲンを知っていますか?そう、これを読んでいる貴方たちのこと、そうじゃなくてもこの小説を読んでいない貴方のご両親も、そしてその祖先も。
知らない?そういう場合もあるでしょう。なぜならこれから始まるのはニンゲンが滅んでから314159年後の事ですから。
ニンゲン保護隊幹部の「エルカ」は今日もいつも通り幹部としての威厳を保つべく人間を探す名目でシュタリックに来ました。
「あれ?もしかして、もしかしなくとも、ニンゲン!?あの絶滅危惧種、無能力、貴重なニンゲン、シュタリックにニンゲンがいた!なんて・・・もしかしてあたし出世しちゃうんじゃないの!?あ、あ怖がらなくても大丈夫!あたしはニンゲン保護幹部だから!あたしに任せんしゃい!」
「そうだ、ニンゲンにあたしたちの姿見られたらいけないんだっけ?やべ」
慌てて口をふさいでも、もう遅いに決まってる。
ニンゲンが口を開く。
「えーっと」
うわ!ニンゲンだ!本物だ!
「っちょ、ちょっと待って!」
焦っちゃいけない、ここは最年少幹部(仮)としての威厳を見せなきゃ。
「そうだ!自己紹介がまだだったよね!」
あたし何やってんの!?あたしたちの存在がニンゲンにばれたら・・・、
やっべー!!!
ニンゲンに見られた。
ニンゲンに存在を知られた。
思い出せ!思い出さないと!
規則その1ニンゲンからは我々が未確認生なため絶対に知られてはいけない。
規則その2もし知られてしまった場合は適切な処理をすること。
処理って何!あたし二万年前に受かってそれから一回も本物のニンゲンなんて見たことないからわかんねーんだけど!?講習以外で会うとか知らねえって!マニュアルもっと読んどけばよかったーーー!!!
とりあえず。誤魔化そう!
「そうそう!あたしはエルカ!ここに住んでるんだーなんちゃって!」
「あ、ニンゲン、名前あるんだっけ?」
さりげなく自分の等身を整える。だってそうじゃないと絶対おかしいってばれる!
ニンゲンは鋭い目つきであたしの事を見つめている。
やばい?見抜かれてる!?
「私。奏」
「カナデ?」
うおおおお!これ歴史的瞬間に立ち会えてる!よおし!あたし絶対ヘマするなよ!あたしの出世!
「すごくニンゲンっぽい!!・・・」
「あなたも人間では?(もしかしたら、人間じゃなかったりするのかな)」
急にカナデの声が低くなる。
「そうだよ!だって・・・」
言いかけると、ヒュッと空気が裂ける音がした。
見るとカナデの手には刃物が握られている、そしてその先端があたしの喉元のギリギリで止まっている。
「エルカ、でしたっけ?(面白いかも)」
「ヒイイイイ」
ちょとととまって!?あたしの人生の終わり見えてきた!?社長に殺されるどころかここで終わり!?
「・・・・・え?あ、うん!そうそう!私エルカ、シュタリック!じゃなくてシュ、シュタ、シュタ、村!に住んでる、そこらの村人だから!」
やばい!今の完全に怪しい!
「はあ。なんでその村人が人間を見て騒いでいるのですか?(やばい可愛い!)」
分かる!気になるよね!!!(泣)分かってた!それ聞かれるの!
落ち着いて!まだやり直せる!きっと
「それはね!えっと、あ!そう、キノコ狩り!」
「キノコはない。」
やばい!ほんとにキノコないよ!ほか、ほかには?
「・・・じゃなくて!やっぱりハーブ!ハーブを取りに来たの!」
必死に見れる限り見渡すけど、ハーブどころか草も生えてない!?
「そう。ハーブ、ね?(大丈夫かな!?)」
やばい疑われてる!てか120%ばれてる!
で、どうする!?死にたくないって!
「エルカ、本当にここの住民なんですか?あまりにも村のことを知らないようですから。(やっぱ人間じゃない!?)」
「もっちろんんんん!」
「信じられません。(やっぱり人外!♡)」
「待って!落ち着いて!大丈夫。深呼吸しよ!!!」
「ね!ほら、スーーーーってやってハーーーーーてさ!」
必死に手を振りながら訴えるけど、カナデはますます視線であたしを殺せそうになっている。そんな表情で、
「・・・・・・ふぅ」
カナデが刃物を下ろして一息ついた。
待ってこれ生還ルート!?いやいやまだ油断できない!!カナデの頭が一時的におかしくなっただけかもしれない!
「分かりました、信じます。」
はあ?いやさ、さっきまで疑ってたよね?てかあたし辻褄あってなかったと思うし?
「私にも秘密があります。変わり者ですし。」
お!?
「おー!そっか、そうだったんだ!そういうことなら話が速いね!」
これはチャンスだ!やっぱり生還ルートだ!
気まずいときはとりあえず共感するべし!ってつい百年前くらいに社長が言ってた!
「そうだよね!みんな秘密くらいあるもんね!うんうん!」
「はい。」
カナデは短く答えた。
だいぶ気になるなー結構気になるなー
「秘密って何なの?教えてよーほら!後輩!」
気を許してくれたんだし!仲良くやってこうじゃあないか!!!
「馬鹿ですか?少なくても二万年は生きたおばあちゃんに教えるわけないじゃないですか。(やっぱ人外だ!)」
「はあ!?いやいやいやいや!それは、正確に言えば19908才の時のことだし!?てか、あたしの方が知識多いし!?」
「カナデは何才なんだよ!!!もういいよあたしの実年齢は35000、、、、あれ?どれくらいだっけ?まあまあ!でも大体三万才だからね!敬いなさい!お姉さんだよ!」
「四捨五入して四万才ですね。計算のできない高齢者さん?私の年齢教えるわけないじゃないですか。ピッチピチなおねいさんの年齢を聞きたいんですか?良い趣味ですね。(わーーーー!人外だ!)」
チッ!なんなんだよ!クソニンゲンが!ていうかあたしまだ若い方だし!あたしだってピッチピチだし?
ごほん!ごめんね!取り乱しちゃったかも!とりあえず、今しないといけないのは、ニンゲンじゃない疑惑がかかってるニンゲンをみんなに見つからないように隠さないといけない。つまり、今すぐこの場から立ち去らないといけない!!!!
何か、ニンゲンを引き付けるような話題は!
「ね、ねえもしかしておなかすいてたりしたりしてなかったりしない?」
「・・・・・・いや(空いてます)」
「それは・・・えっと、神に誓って?」
「か、神・・・」
「あと・・・さっきから険しい顔してるけど、それもおなかがすいてるから?」
「・・・・・。(頭おかしいって)」
目をそらした。ってことは!?アタリってことでは?
ここはさっきのお返しも兼ねて、幹部としての威厳を見せるチャンス!?
あたしはすぐさまカナデの服の襟元を軽くつかんで、勢いよく地面へ押し倒した。(怪我をさせるつもりはないから、力加減はしっかり調整してるよ!)
そして、その場で魔法使って、手のひらの上に一振りの剣を生み出す。(あたし特製のね!)その剣の刃先をカナデの耳のすぐそばに突き立てた。
さっきのお返しということで、やっぱ幹部としての威厳を見せなきゃいけないからね!
「どうしましょう、もしかして私をお持ち帰りするつもりですか?エルカさん。」
「馬鹿!勘違いされる言い回しやめてって」
「イヤータスケテーワタシオモチカエリサレチャウー」
「だからやめてって!」
「普通にビビったんで辞めてください。叫びましょうか?」
「やーだね!」
「じゃあ、失礼します。・・・・すぅ」
何やってんの!早引き下がれよあたし!!良くない良くない良くない!!!見つかったらダメなんだけど!
「ちょ、ちょーーーっとまったあああ!」
あたしはとっさの判断でとりあえず手で口をふさいだ。
「話せばわかる!話せばわかるから!」
「んんんんんんんんんん」
なんて言ってるかわかんないけどとりあえずふさぎ込めたから成功!
(主導権を握られたらやばいから・・・・)
ついでに空いている左手で、発育途中の胸を!!
おおおお!頑張れあたし!もうすぐその胸に手が届く!
「がうっ!!!!」
噛まれた。
「がうっ!がうっ!はむっ!」
何で!?
「やめろ!このあたしが傷ついたらどうするつもりだ!」
「むしゃむしゃ」
「いやあああああああああ!!!!!」
「やめて!
「はなせったら
「はなせぇええええ!
「このっ!
「罵倒しかしないニンゲン野郎!」