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「・・・あの、もう一度言ってもらっても良いですか?」
グレン『はい、お二人には学園に通ってもらおうと思います。そのため手続きを事前に済ませておきました、来週から通ってもらうのでその下見に今から行きませんかというお誘いです。』
「・・・なんで俺ら学園に?」
グレン『リュウセイ様、ユウヤ様失礼ながら年齢は?』
2人「17歳」
グレン『でしたら学園に通う年齢ですね。』
「あ。はい。」
裕也「あの、その学園ってここから遠い?」
グレン『寮生活になりますので、帰る心配はございません。』
「じゃあこの部屋は・・・」
グレン『一時的な仮住まいになりますね、来週には寮の方で生活してもらいますので。
学園の卒業後改めて住居スペースの確保をしたいと思います。それでは参りましょうか?』
今の今まで気にしてなかったけど、この間不思議なことが起こっていた。
この部屋ではさっきまでゼウスが送ってきた即席ポータルとやらの部品が散らばって、今は完成品とちょっとしたゴミで尚散乱している。
が、どうやら気づいていないみたい。
この存在もまた認知できていないってことなんだろう。
俺たちはグレンさんに引き連れられ、城を後にした。
城を出るとすぐ城下町、城との境界はひとつの門のみ。
扉を開けると2、3段階段を下りて門がある、その門を開けるとすぐに城下町。
左右に賑やかな出店?のようなものがある。
アクセサリーだとか、お菓子だとか色々こまごましたものが売っている。
ちょっと歩くと中央広場のようで、大きな噴水が真ん中にある。
円を描くようにベンチが設置されていて、”憩いの場”のようだ。
今はお爺さんが腰かけ鳥と戯れていた。
更に進むと住居スペースが真ん中の道を境界に左右に所狭しと並んでいる。
1件1件ごとに段差で下に降りていく斬新な作りだ。
しかも横に長く1列に何件かある感じだ。
それが10段ほど続いてようやく所謂”通り”、俺らでいう道路?にたどり着く。
グレン『今馬車を呼んでいますのでもうしばらくお待ちください。』
雰囲気から察していたが、西洋風味のある建物で馬車が良く似合う景観だ。
裕也「学園って何だろうね?楽しみだね^^」
「そうか?俺は不安だよ。」
モノの数分で白馬の馬車が到着。
装飾がいちいち豪華、城の所有している物なのか金ぴかでまぶしい。
グレン『10分ほどで着きますので、景色を楽しみながらお待ちください。』
さっきから必要最低限のことしか言わない。
やはり俺らは他人だからなのか?
それならなぜ城に入れた?
皇帝に合わせた?
ここまで優しくしてくれる?
疑問は尽きない。
日本から出たことがない俺らにとっては周りの景色に一喜一憂するには十分な魅力で詰まっていた。
中には異世界特有のものもあった。
魔法を使ったゲームとか、魔法を行使しながらお買い物していたり様々だ。
そういえば魔法、俺ら使えないんじゃなかったっけ?
俺と裕也は顔を見合わせる。
裕也も同じことを思ったみたい。
そしてなんやかんやで学園到着した。