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・・・
いや、あの一方的に切らないでくれるか?
「はぁ、仕方ない組み立てるか?」
裕也「そうだね、それ以外やれることないし。」
渋々落ちてきた物を手に取りながら愚痴をこぼす。
即席ポータルって言ってたっけ?
なんか組み合わせたら出来そうなパーツがいくつか転がっている。
組み合わせていくと歪な、縁がガタガタしている円形状になりそうだ。
叩いてみると鉄っぽい感じがする、よく見るとメカメカしいデザインが施されている。
これに意味があるのかどうか・・・
ーー
ゼウス『ワシの趣味じゃ、空間転移作用をきたすアイテムとして見栄えするものがイイじゃろうって思ってな。遊び心というものじゃ。』
ーー
「ナチュラルに会話に入ってくるな!っていうか心読んだ!?」
ーー
ゼウス『心読は神様の十八番、それにナビゲートは必要じゃて・・・
あぁ、この世界に無断干渉した弊害については引き続き調査中故もうしばらく待つのじゃ!』
「あ、はい。」
裕也「半分出来たよ?」
「・・・はやっw
ってお前こういうの得意だよな~」
裕也「うん、家にいろんなプラモ飾ってるよ^^」
「はいはい自慢乙w」
裕也「りゅうが話振ったくせに勝手に終わらせんなよw」
「だって俺興味ないし・・・」
裕也「りゅうってそういうとこあるよね~」
「今更だろw」
とかなんとか適当なこと喋りながら組み立てていく。
嵌める度に”ガチャリ”と重々しい組み合わさった感じの音が鳴るから分かりやすい。
そんなこんなで即席ポータルとやらが完成した。
「・・・これでどうするんだ?」
ーー
ゼウス『上の方に丸いボタンがあるじゃろ、それを押すと起動する。』
ーー
言われたところを見ると、確かに赤い丸いボタンがあった。
さっきまでなかった気がするけど、全部嵌めたら現れたとか?
んなわけ・・・いや落ち着け。
ここは異世界だし、あの爺さんは神様だし、不思議なことはここに来るまでたくさん見てきたからこの際どうでもいいや。
ポチッ
ウィーン
ガガガガガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
機械音が鳴り響き、ゲートがバチバチ言い始めた。
それはすぐに収まったが、ゲートの縁の中が渦を巻いて奥が見えない。
普通に考えたらこの縁の先は言うまでもなくこの部屋のままのはずだが、まぁゼウス曰く空間転移する代物らしいので、まぁそういうことなんだろう。
ーー
ゼウス『さて、いざ神様処分の冒険へ!』
ーー
「・・・ここ留守にしたらマズくね?」
裕也「なんか様子おかしかったし、誰もいないってわかったらどうなるんだ?」
ーー
ゼウス『それもそうじゃな、分身を作るわけにもいかんし・・・』
ーー
「分身作らせる気だったの!?」
裕也「面白そう・・・」
ーー
ゼウス『一時しのぎのためだけのものじゃし、本物と齟齬が生まれれば事はよりややこしくなる一方。はてどうしたものか・・・』
ーー
ガチャリッ
ギィイ
鍵が開きドアが開く音がした。
後ろを振り向くと・・・
グレン『リュウセイ様、ユウヤ様。学園の入学手続きが整ってにございます、今から下見がてら見学して行かれますか?』
・・・・
2人「歯ぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」