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ーグラウス帝国城ー
あら~
あっさり城に入れちゃったよ!?
いいの、コレ・・・
俺ら部外者なはずなんだけどなぁ~
神様ってスゴイわw
外装は屋根が淡い青色に統一されたザ・城っていう感じの城だった。
帝国っていうくらいだから結構殺伐とした感じの城かなって思ったけど、清楚系のメルヘンチックよりだったのが意外。
内装はというと、普通にゴージャス。
全面大理石って正直どうよって思う。
当然のように通路はレッドカーペット。
グレン『この先が謁見の間です。皇帝グラヌイル様がお待ちです。』
「あ、はい。」
裕也「失礼します。」
金ぴかな大きな豪華な扉を重たそうに開けるグレンさんとシオンさんを他人事のように見届ける。
いやだって、俺らは知らん人向かい入れているって感覚だよ?
この人たちは、さっきのゼウスの話を信用するなら俺らが必要ってことになっているらしいけど・・・
ーー
ゼウス『あまり神経質になる必要はないぞい?この国にとってお主は必要な存在というのは確かなのじゃからな。いや、全世界でお主らの助けを求めておる』
ーー
「いや、勝手に話しかけるな。びっくりして心臓飛び出しそうになったわ」ボソッ
グレ『何か?』
「あ、いえ・・・」
ーー
ゼウス『ワシの声はお主ら2人にしか聞こえんから返事は要注意じゃ。
話を戻そう、要するにお主らに命じた処分対象の神々はいずれ各異世界の脅威になる。今は遠く離れた異世界で暴虐の限りを尽くしているだけじゃが、いずれはこの異世界にもやってきてあっという間に荒廃した土地になるのじゃ。そういう意味ではこの世界の救世主、勇者という肩書は嘘じゃないじゃろう?』
ーー
なんか釈然としないんだよな、その言い訳w
まぁイイか・・・
目の前の玉座に座っている人はさっきの話からすると皇帝グラヌイルとかっていう人らしいが・・・
顔が細長い白髭蓄えた優しい爺さんにしか見えない。
グラヌイル『ふむ、遠方より渡来せし勇者よ、この国を守り続けてくれ。それと城下町にある店は全て自由に使ってよい。ついでに寝泊まりできるところも用意しよう、話は以上じゃ。』
ホントふわっとしてるな。今は脅威がないってことなんだろうが、それならなぜ見ず知らずの何者かのことを信用しているんだ?
店使い放題ってのも普通に意味わからんし・・・
ってかあっさりしすぎてる気がするんだが、気のせいか!?
裕也「はやっ」
まぁ突っ込みたくもなるよなw
あ、因みに声も優しかった。言い方は結構堅苦しかったけどw
グレン『さ、コチラへ?』
どうしようもないから謁見の間を後にした。
城入り口から色々左右に道が分かれていたが、正直覚えられる気がしないw
何回曲がったのか、元の場所に戻ってるんじゃないか?ってくらいにはグルグルしている。
っと、たどり着いたみたいだ。
グレン『お二人はココで寝泊まりしてください。』
「あの、道分からない・・・」
グレン『このボタンを押せばすぐに迎えに参りますので、では失礼します!』
ガチャリ
えっと、あの鍵掛けていったんだけど!?
内側からじゃ開けられないし、ん?窓もないんだけど!?
連想されたのは、牢屋・独房・監獄とかそういう類の部屋。
「おい、ゼウスこれはどういうことだ?」
裕也「おい、オセロあるぞ?」
「遊んでる場合か!おいゼウスなんとか言え!」
ーー
ゼウス『ふむ、どうやら失敗したみたいじゃ。』
ーー
「はぁ!?」
ーー
ゼウス『この世界の常識に干渉してお主らを城内部へ引き入れたはいいが、その後の流れがワシの思い描いたのとはずいぶん違ってたわいww』
ーー
「笑っている場合か!?」
裕也「ねぇねぇ、りゅう!浄水器あるよ?」
「それはどうでもいいから!!」
意外と贅沢品とかもあったりするのかぁ・・・いやそれはどうでもいい、ホント。
ーー
ゼウス『今原因を探っておる、とりあえずお主らは計画通り任務遂行に当たってくれ』
ーー
「・・・いやどうやって!?」
裕也「窓もないわ」
ーー
ゼウス『いま即席ポータルを送る。それを起動すれば”踏み潰す神様”のいる空間へひとっ飛びじゃ♪』
ーー
「あ、なんか上から神々しい光が」
裕也「まぶっ」
ヒュンッ
ガシャン
ーー
ゼウス『じゃヨロシク。』
ーー
「いやちょ、待て!」
裕也「これどうやって組み立てるの!?」