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目を開ける、と同時に自分の運命を悟って思わず口にする。
「あれ?俺死んだんじゃ・・・」
裕也「え?あれ?俺死んだんじゃ・・・」
??『フォッフォフォフォ、死んだよ見事ぐちゃぐちゃのぐちょぐちょ。
見るも堪えない汚い亡骸じゃw』
「誰おっさん。」
裕也「不審者?」
??『何を言う!ワシこそ全知全能の神、ゼウス!だと思う神様じゃ!』
「帰ろうぜ裕也。」
裕也「そだね^^
・・・ってどこに!?」
ふと改めて周りを見渡す。
あたり一面真っ白で地面と天井の区別がつかない。いや、そもそも天井なんてあるのか?
それすら曖昧で分からなかった。
そして、目の前にいるさっきから変なことを言っている爺を改めて見てみる。
頭には変なワッカを付けてるし、白い羽は生えてるし、ギリシャ神話に出て来そうな白い服?みたいなの来てるし・・・
見る限り、
「やっぱり神様?」
ゼウス『そうじゃ、多分ワシはゼウスじゃ!』
裕也「多分って何?ねぇりゅう、この人頭悪いの?」
「そう言うことは言うなw」
ゼウス『聞こえとるぞ。』
「はい!」
ゼウス『良い返事じゃ、ワシがゼウスなのかどうなのか曖昧に自己紹介するのには訳がある。
この世にゼウスは無数に存在するからじゃ。』
2人「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
ゼウス『うるさいわい。』
「いやよく分からないことを言ってるから・・・」
ゼウス『とある理由によりそういうことになっておるのじゃ。なのでワシはゼウスだがゼウスではない・・・のかもしれないゼウスなのじゃ。』
「日本語でおk。」
裕也「やっぱりこの人変だよ、帰ろう?」
「うん、どこに?」
裕也「うっ・・・」
ゼウス『仕方ない、理解はできんじゃろうが説明はしてやる、しかと聞くんじゃぞ?』
「あ、はいお願いします。」
ゼウス『お主、パラレルワールドという言葉は知っておるか?』
裕也「・・・あ、俺!?
あぁえっと、並行世界?あったかもしれない世界線のこと・・・だっけ?」(ボソッ)
「多分」(ボソッ)
ゼウス『そこ、打ち合わせしない!』
裕也「打ち合わせじゃありません。」
ゼウス『わかっとるわ、ボケじゃわいw』
裕也「やっぱこの人変だよ!」
ゼウス『ウォッホンあぁ、この世はあらゆる選択肢満ちている。ある人間が一生を終えるのにどれだけの選択肢を乗り越えているのか、文字通り無数じゃ。
この世は、ある何者かの一生によって生まれた数多の分岐に存在する全てのパラレルワールドが集約された次元なのじゃ。』
裕也「?」
「?」
ゼウス『選択肢Aの世界線、選択肢Bの世界線、選択肢Cの世界線があるとする。この次元はそのすべてを包含していると言っておるのじゃ。つまり単純計算でこの次元には三倍生き物がいることになるのじゃ。
しかし、これはたった一つの分岐点における例を挙げたまでじゃ。
分岐自体は遥かに無数にある、そしてその分岐点にある選択肢は場合によっては10を超えるものもあるじゃろう。そうやっていくと同じ存在が無数に存在することになるのじゃ。
神様も同様じゃ、さっきの例じゃと選択肢AにいるゼウスとBにいるゼウス、Cのゼウスで3人いる計算になるのう。』
裕也「・・・ちょっとよく分からない。」
「先生、もうちょっとかいつまんでくれますか?」
ゼウス『ノリ良いのう~
しかしこれ以上の分かりやすい説明は難しいのじゃ。とにかくこの世には同姓同名の同一人物が無限にいると解釈してよい。そして、それらは自我を持ちアイデンティティを主張し始めている。』
裕也「先生先走らないでください!」
「どういうことか教えろよ!」
ゼウス『キャラ崩壊しているぞい!?』
「・・・教えてください。」
ゼウス『仕方あるまい。
・・・百聞は一見に如かず、まずはコレを見るのじゃ!
フォ~イ♪』
変な掛け声とともに目の前に透明度の高い水色のモニター?
みたいなものが現れた。