あらすじ
この世には無数の神様が存在する。
それはあらゆる物に対してということではない、あらゆる概念に対してという意味だ。
ある人間が一生を終える中で様々な選択・行動をしていくその節々に神様は宿っているのだ。
ある男が立ちしょんをした、それはその男が尿意を感じ近くにトイレも何もなかったから仕方なしに取った行動に思えるが実はこれ神様の力が働いている。
『立ちしょんの神』、立ちしょんをさせる、管理する力を持っている。
つまり尿意を感じた男にその力を使えばたちまち立ちしょんさせる運命を築けるということだ、
ある人が万引きをした、それはその人に万引きをする意思があり行動を取っただけのことだと思えるだろうが、これもまた神様の力が働いている。
『万引きの神』、万引きをせさたり、管理したりしているということ。
こんなものまである。
『石に躓く神』、文字通り誰かを石で躓かせるだけの存在で、石で躓く或いは躓きそう、はたまたすでに躓いたという記録を取り管理している神様ということになる。
そんなわけで、この世にはありとあらゆる事象に対して神様の力が宿っているのだ。
何気ない行動から非情な行動まで、些細な行動から人生を左右するほど大きな行動まで…
そして新しい事象が発生するとそれに適した神様が生まれてくる。
漫画のような、曲がり角でばったり人と人がぶつかる瞬間がこの世のどこかで生まれればその途端、『曲がり角で正面衝突させる神』が生まれる。
こうして、今でも神様は無数に増え続けている。
その中には、存在すること自体由々しき神様があったりするのだ。
これはそんな存在する価値もない残念な神様を粛正する物語である。