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異世界転生主人公は、ラスダン近くの美少女だらけの村を勢い任せにハーレムにしてしまうかの岐路に常に立たされている  作者: くる


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エド うま L6

 いろいろ、強い生物の死体と、遺跡の廃材らしいものを混ぜて組み立てたらしい、人の身長の三倍以上の高さはあるだろう巨大な人型の鎧を着た何か。

 オークは30くらい使っているらしいのでサーティオーガ。

 いろいろ最初から間違ってる物体だな。

 ゾンビ兵器というイメージを僕は一度持ったが、外から生体部品を使っているのは、想像より見えないので、まぁ実質ロボっぽくある。

 周囲の動くものをただ殴る、という自動モードもあるようだが、相当ムラがあるようで、村の外で僕が見たときのように動かない時には不思議なほど動かない。

 おまけのモードなのだと思うべきなんだろう。


「危なくないんですのー?」

「大丈夫ですー!」


 思えば、操縦する人に反応して殴ろうとしたら、たまったものではない。

 ゆるく対処するほうが正しいんだな。これは。

 ともかく、周囲を歩かせ、そこ無しで沈んで終わりにならないかどうかの確認。

 通れるところがあったなら、馬車と馬を持って運搬。

 馬が怯えるので、少し時間と手間をかけて馬を入れる箱を作成したりもする。


「でも、そこまでするならあちらの、森がわの道のほうがよかったんじゃありませんの?」

「…だめです」

「時間で言ったらこれ、それなりにかかりますわよ?…いえ、作業で汗をかくのが嫌というのではなく」

「…いやなんですね」

「……ちがいますわ」


 小声でもお嬢様を追い詰める程度の毒は出てくるマッパーの方。

 メガネでは隠せない内面って、絶対にあります。


「…森側の、元…本街道は、いま、ワイバーンとラストスラッグと増殖しすぎた耐水スライムの巣がありすぎ…ノーです」

「ラストスラッグってまだいるんですか?」


 思わず反応したのは、魔王の従者の人。


「私どもでも、あんまりに厄介なのであれだけは絶滅させるように昔根絶用の事業をやったと聞いてるんですが」

「…ワイバーンの宝を錆にして食べようとしているのに対して、暴れて、周囲を焼いて結果勢力圏が広がるというサイクルが起きたのが今なので、間違いないです…また何とかしてください」

「あー…なら駄目ですわね。そんな合わせ技で被害の想定が無理、です」

「…つかぬことを伺いますが、ラストスラッグってなんです?」


 その辺で切った丸太を使った箱作成の作業中で、すこし遠くだった僕が、すこし会話に入る。


「…まあ、下賤な輩が見たことないのは当然ですね」

「…割って入る無粋な馬鹿犬…」


 そんないきなり言われるほど?

 泣くよ?


「ラストスラッグというのは、金属サビが主食の大型ナメクジで、粘液も酸化作用がとても高い危険生物なのです」

「…鉱山の鉱物を食べ尽くすので、どこでも見かけたら全力で退治される生き物ですから、今となってはほぼみません」

「ま、こっちの地方にしか元々いなかったので、広がらないのが普通なのですが」


 あちこちに出現した目撃情報があったら、持って行ったの、魔族なんだろうな。

 と、思うが、言わない。

 とにかく、今の人間の文明の天敵みたいな生き物だなあ。

 覚えておかないと。


「…なんであれ、ワイバーンのナワバリ意識持っている範囲に入るの…自殺行為…」

「まぁ、あなたほどの実力者が言うのなら…」


 お嬢様も納得の説得力。

 僕としても、守りながらという条件付きの戦いがどの程度きついかは噛み締めちゃったから、無いほうがいい。

 結構土地柄からヤバいところなのは当然だけど、聞くと本当に、村の住人によるお気楽旅行していいところじゃない気配。

 だが、すごい村の近所でもある。

 …本当に、誰かに守られてないと無理だった所なのかと、今更。


「胸近くまで沈みましたけど、ここ、いけまーす」


 馬を入れる入れ物完成後に、少しずつ周囲を歩いてみた結果。


「まったく、痛いだのなんだの言って、それでも積極的に物事をやるんですから、心配するほうもどうしたらいいのやら、ですわよね」

「…全くです」

「…犬は走ってれば幸福なのです…」


 休んでいろという指示も半日持たず、文句の一つも言いたくなってくる面々。

 すまんとしか、言えねえ。

 でも、今になって、気がするだけで何でもないと言うのも…怒らない?

 伝達のすれ違いで破局しない?

 だから、だまっておこう。


「馬から移動しますね」

「よろしくねー」


 のんびりとした作業が進んでいく。

 オーガとかいう名前のわりに、単純に労働力として使いやすくて楽しいな、これ。

 そう思いながら、先のほうに移動した丸太を組んだ箱から馬を出し、少し申し訳ないがそのへんに繋いでもどる。

 一片を分解した箱を持ち帰り、今度は人を乗せて往復。

 馬車も最後に運搬。

 重い気がするから分けてみたが、軽々過ぎたので、無駄な努力だったことを終わってから知る。


「いや…この先も、見える限りで道が沈んでいるんですが」

「さすがに困りますわねぇ」

「…予想外…」

「さすがにただ座ってるのも飽きたのじゃー」


 はたらけ。

 いや、それをさせるお付きの人ではないが。


「では、私に使わせてくださいませ、サーティオーガ」

「なんと」


 人間で勝手にやっとけ。

 そう、ずっと通すと思っていた魔族の人が、割としっかり役に立ちに来た。


「何かあるのなら、どうぞ…」

「なんか、自信ありそうね」


 おかしい。

 悪魔は信用できない、みたいな意見がない。

 こんな短期間で友達になるフラグがあったんだろうか。

 僕だけ疑うことは言えない、ちょっと空気を気にする考えはもちつつ、オーガくんの操作を交代。


「ふぅむ、このくらいの重さですか」


 丸太の箱を確認。

 すると、奥に歩いて数本の木を折って持ってくる。


「箱に馬を入れて、これに引っ掛けて上に馬車乗せて運びましょう」

「そこまで強引に一度に!?」


 転がったり、傾いて落ちたりしたら簡単に終わりじゃないですか。

 そう、ちょっと説得する時間が生まれたが、魔族の人は「面倒じゃないですか?」くらいしか返してこない。

 マジか。

 この人、細かく生真面目だと思ったのに、むしろ逆?

 なにかしら危機感を感じだしたので、こうなればと、キューブに馬車をしまうことで事故を減らす案を提示。

 なんとか事故率の低下を模索する。

 そして。


「見晴らしは良くなりましたわね」

「慣れると、そこそこ快適ね。揺れるけど」

「…風がよどみを伝えるのです…」

「まぁ、沼だしね」

「…いえその…」


 けっきょく、箱の上に追加の丸太は置き、そこに数人が座ったり、馬の横に居れたり、自由度が増した。

 僕はオーガの頭の上に。

 …匂いがね。

 ストレートに、順調に、進んでいく箱を持ったオーガ。

 なお、そのままずーっと進んでから気付く。

 底なしかの確認を、一度もしていない魔族の人の操縦という事実。

 …割と全滅の危機なかったんですか?大丈夫でしたか?

 一応これも、言わない。

 思いつくけど言えないなぁ、ばかりで、少々ストレスが…いや、飲み込もう、忘れよう。

 日暮れ近くになり、沼を抜けるまでひたすら進むか適当に野営の準備をするかまで、このストレス蓄積ループは続いていくのだが…。


「この調子なら、交代制でオーガを使えるのならずっと進めますよね?」


 という魔族の人の一言で、ずっと進み続けるという驚異の新案が登場。

 占いの子や薬屋の子が動かせるか試すことに、とうとう行きついた。

 そうだ、老人の漏らした計画の話だと、鎧としてみんながこれを使うことはあり得ると、そんなこともいってた…気がするなぁ。

 そんな話は夢だと思いたいところだ。


「なーるほどなぁ…これ、面白いわ」


 薬屋の子、オーガ操縦に好感触。


「こう、高いところで好きに見たいところ見れるの、いいね!」

「いい感じなんですねえ」


 高いところが好きなのは、煙と何とかとよく言いますが…ああ、これも、言うべきではないよな、そりゃあな。


「それと、ちなみになんだけどさ」

「はいはい」

「これ、二台用意したりしてるの?」

「いえ?」

「そこにもう一つなんか、背中があるけど…じゃあ何それ」


 えっ。


「…あの色…あれマッドメガトードの毒々しい背中の色…」

「…よどんだ空気なのです…怒りの波動なのです…」

「それって、まさか…こっちでも、危ない生き物のナワバリに入ったってこと、ですかね?」

「あらあら」


 オーガが沼の半分くらいまで浸かっているくらいの沼に、それを一飲み出来るような口。

 見た瞬間に、だれでもわかる。

 そんなヤバさ。


「本当に、こっちのほうがよかったんですかね」

「口こっちに向けんな駄犬!繁殖期じゃなきゃ暴れないんだよこいつは!」

「いつなんですそれ!」

「今ころ!」

「じゃあ今の言葉に何の意味があるんですかぁ!!」

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