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異世界転生主人公は、ラスダン近くの美少女だらけの村を勢い任せにハーレムにしてしまうかの岐路に常に立たされている  作者: くる


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キューブ改変構築ユニット「ポッド」 アイテム

「まあ、気を悪くしたなら、いいわ」

「とにかく!このままじゃ痛そうですから何とかしないと…」


 痛そうとか、そういう話かな。

 完全に生きてるのが不思議なくらいの死体に見えるものなんだけど。

 激痛やショックで死ぬような感性がないのが、むしろつらいところだが。


「絶対…元気にしますから…」


 目をそらしたい見た目だろうに、そう言ってくれるのは、ちょっと嬉しくはある。

 ただ、早いところちゃんとした手を見つけてくれという気持ちも…。


『ほかの回復手段としては、マスターの所持しているポッドと呼ばれる装置の起動と使用が挙げられます』

「あら…色々隠してらっしゃいましたのね」


 少し安心する様子の人もいる。

 まぁ、気付いてもらえたのは良かった。

 他人も取り出せるように、たぶん、なっているキューブから、ポッドが出せるなら難問は解決のはずだ。

 魔法や、最悪…街までこのまま急いで持って行ってマリカさんに頼る手もなくはないが、そうなると…。

 その前に、街が大混乱だ。

 それは、正直優先したい作戦じゃない。

 この球の生命維持機能は割と優秀なので、これの中の液体に浸っている間に即死しないだろうというのは計画通り。

 ただし、一番近道だろうポッドは…都合の悪いことに、音声入力なのだ。

 今の僕だと、もうちょっと回復しないと使えない。

 なので…何とか、そこにたどり着いてもらいたい。

 もう一つ難問はあると言えば、あるが。

 そんな気持ちを、知ってか知らずか。


「すぐ死んだりは、それならしないんだ?」

『そこは、私がいる限りは絶対を確信してもらってよろしいかと』

「よかった、じゃあ、今日の夕食どうしようね」


 おい。


「…えっ、その…」

「いいんじゃありません?落ち着かないと、いい考えは浮かびませんわ」

「どうせ駄犬…」


 視線を見るに、なぜか仕返しのような悪戯をしようとしている人もいる気がする。

 どうしてだ…。

 死にかけでそんな事するほど酷いことをしたろうか?


「あなた自身は、食べ物、食べたりなさるのかしら」

『わたしは基本的にエネルギー補給を行いません。待機時と、呼び出されるディスク起動時に、持ち主のエネルギーなどが必要ではあります』

「そうですの…ふしぎなものなのですわね」

「そうそう、それと、あいつとは、付き合い長いの?」

『マスターのことですか?お会いした回数はそれほどでもないかもしれません。タイムカウントからすると、期間は6年ほどあるかもしれませんが』

「長い…」

「いい関係、築けているのですね」

「ま、まぁ、長さがすべてじゃないわけで」


 みんなで、ロンドに興味津々なのが気になる。

 知りたがる、というか、調べ上げようとしている、というか、ぶっちゃけ警戒しているというか。

 心持ち、敵というよりライバル視のような発言がある気もするが…どういうことか。

 僕が動けないか寝ている間に、本命か、自分の勝てる恋愛レースの相手かを見定める駆け引きに入ってるから僕より優先した…なんて話なら、嬉しさもちょっとあるけど、この子らにそういうのは、ないだろうな。

 むしろ、用心棒の報酬を、夜に誰か連れてくるという今の形から安くあげられるようにするため、間接的な弱みを握ろうとしている可能性。

 …あると思います。

 思えば、村にいる理由からだいぶ離れたりもしたしなぁ現状。

 攻められる理由が今もうなさげだし、実質役割、終わった可能性も。

 そうでなくても、軍の侵攻に直接かかわることになったら、そんなに抜け出して村に行けない。

  いや、そもそも、近寄らないようにして魔物たちを攻めないといけない、のほうか。

 その一方で、村に危機がありそうなことに関しては、解決した風な形になったと言えるのかもしれない。

 良かった…のだが、そう思うと、その先を計画する必要は、僕にもある。

 今のこの旅が終わった、そのあと。

 さっき双子が取ったアイテム群。

 それと今から調整で幾人かに分けられるかもしれないディスク。

 これらがあれば、彼女らだけで万全に守るだけの戦力は整うかもしれない。

 …そうなると、関わる機会そのものがなくなって、道がもう、分かれることにもなる。

 彼女たちとも縁遠い存在になるのだろうか。

 確かに、ずっと押しかけて酷い要求突き付けているのは、気に病む話ではあったが。

 そうなると、寂しいな…。

 もうちょっと、そうなると、色々見て、話しておきたかった気もする。

 ほとんど動かせない視界で、彼女たちをチラチラ見て、そんなことを考えたりもした。

 あまりに暇なのと痛みで、いろいろとネガティブを考えているが、これは良くないな。

 誰のことを考えるだの、善意も悪意も関係なく悲しくなってきた。

 気分の入れ替えに、眠れなくても少し眠っておくべきかもしれない…。

 そうして、しばらく目を閉じた。


「…おい」


 時間がどれくらいたったのかは、ほぼわからない。

 ただ、いつの間にか日も沈んだころ、そう呼ばれた気がして目を開けた。


「よし、死んでおらぬようじゃな」


 魔王の子だ。


「あまり、周りを苦しませないでおけよ、おまえも」


 当然、そう常々思った行動しているはずだが、何か?

 急な物言いに、不思議そうに視線を向けてみる。


「動かないから、死んだのかとあの者たちがしばらく慌てふためいておったぞ、ちょっとは気にしてやれ」


 そうだった。

 やれることがないから黙って動かなかったが、僕はいま、外から見れば死んでるか生きてるかも確認しにくい、切れ飛んだ破片みたいなものだった。

 悪いことはしてたな…。


「いま、お前の持っていたぽっどとかいうものの使い方などを聞いておったのだ」


 やっときた、よかった。

 それを調べてくれる人がいないと、僕はそれ以外の手段が考えつかない。


「お前の手のほうに、触ると取れるのか?」


 ステータス確認状態のまま止まっているはずなので、おそらく表示させてからポッドに触れれば、他の人でも取り出せると思う。

 説明がどうしたらできるものか。


『大丈夫です、マスター。すぐに用意をいたします』


 ロンドの言葉があってすぐ。

 取れている手のほうに、空中投影のディスプレイ表示が出現する。

 面倒だけど仕事はこの上なくしてくれるんだよな。

 今日は褒めてもいいぞ、ロンド。


「これを触るのか?」

『その表示の、文字列の下から四つ目の表示のところをタッチしていただければお望みの物を取得できるかと』

「ぽち」

『それはメニュー表示です。今だしたものは、ディスクの一つですので、もう一度お試しください』

「…これではなく…この、ひとつふたつ…ぬ…よしっ」


 魔王の手に、飛び出して収まるポッド。


「接合用の薬草固めて、接着する準備もできたわ」


 奥から、薬屋の人も話しているのが聞こえる。


「では、諸々揃えてきたところで皆さん、やりましょうか!リューオの治療を」

「「「はい!」」」

「出来るかわからぬが…世にできるのなら、一度くらい、お前の役に立ってやろう」


 迷いの色が濃い、その目。

 だが、頑張ってくれるのであればそれ以上ない。

 頑張ってください、お願い。

面白いと思われましたら、評価や感想をいただけるととても嬉しいです

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