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異世界転生主人公は、ラスダン近くの美少女だらけの村を勢い任せにハーレムにしてしまうかの岐路に常に立たされている  作者: くる


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420級防護装置 L2055改 L??

 破片のようになり転がる僕。

 かたまって、何が起きているのかわからなくなっている面々。

 そこに、もう一つ、何かが増えた。

 水晶の像?

 それっぽくも見える、透明と、銀色がところどころ組み合わさった、長髪の人間の形。

 調整状態にかかわらずマリカさんが必ず優先して入れてくる特殊ディスク。

 これが、ロンドである。


『……愛してる…』


 来たな。


『愛している、と、いってください』


 普通ならもう失血死化ショック死しているしかないものを見ているはずなんだが。

 相変わらずだなぁ。

 ディスクは全く空気が読めない。

 数人がこちらに走ってこようとしているのを、聞こえないが怒って止めているお嬢様の子が天使に見えるくらいに。

 そしてなんとも面倒。

 この面倒さがあるから、出したくないんだ、これ。 

 でも、マリカさんは、ちゃんといっぱい使ってやれや、と、積極的にこれの利用をすすめてくる。


「…あ…あいしてるよ…」


 声に出せたかわからないが、とにかく、こたえてはみる。

 胸元に穴が開いてるはずなので、発声という機能をさせられてるかが自分には判別がつかない。


『…ああ……』


 胸の前に両手を当て、ロンドが噛みしめるように一呼吸。

 よかった、これは通じている時の奴だ。


『その一言だけで、私は何でもできます…愛するお方…我がマスター…』


 やる気にはなってくれたようだ。

 よくわからない自由意志と、命令すら自由に判断して自分なりの行動をする。

 これが特殊ディスクたち。

 マリカさんこそお気に入りらしいが、扱いにくすぎる。


『ご命令をどうぞ、マスター』


 この間も、数発ロンドはレーザーの対象になっているのだが、全く意に介さない。

 すり抜けるように効かなかったり、場所によっては弾いたり、何もしていなくても、既に村のみんなを守る盾になっては、いる。

 これはまぁ、ありがたい。

(僕の体のかけらを持って、そこのみんなと一緒に、ここから出てくれ)

 多分、すでに言葉ではない言葉になっていただろう。

 が、波長のリンクをしているディスクと持ち主ならば、言おうとしたことは、そのリンクで多分伝わる。

 伝わるはずだ。


『認識しました、了解です』


 安心する。

 痛みはあるが、これで、みんなは何とかなるのではなかろうか。


『エネルギー隔壁よし。反物質生成を開始します』


 容赦ない。

 バリアだけ解除できればと、エアロックのドアを何とかいじってみている一行のほうが絶対正解のはずなのだ。

 おそらくは、ハッキング系の介入を知らないではできないのが問題だが。

 同じ系統の技術があるだろうこいつは、そっちの手伝いで穏便に行ける方法もあると思うが。


『予想消失範囲180キロ。保護対象の確保のため範囲圧縮を実行します』


 意に介さないかのように、破壊を選択している。


『3…2…1…ゼロ』


 言い終わりと完全に同時。

 閃光が走り、無理やりに破壊範囲を圧縮し消し飛ばしたその場所が数秒で視認される。

 完全な、穴だ。

 それに合わせ、室内にアラームと赤い非常時のランプらしいものに染められる。


『フロートアクアリフトを使用。すみやかに当初目的を実行し、当施設を退去』


 やっと命令らしいものを実行したかも。

 僕の体と、残った人それぞれが、ほぼ同時に水の泡のようなものにつつまれる。

 そして、そのまま大穴にすべてのものは吸い込まれるようにして飛び出して行った。

 その中には…。

 ギリギリでわいてきた警備ロボットのような何かも、数体存在する。


「ここは勇者の出番ん~!!!!」


 うわぁ、聞いたことのある、バカっぽそうな声え。


「んー、ていっ!」


 短い刀のようなもので、ロボットらしいものに相変わらず通用しそうにないタマ。

 と、思ったが、返す刀と蹴りで相手を足止めはしている。

 ちゃんと何かしているのは初めて見た。

 すごいぞタマ。

 出てきたその最初に、すでに髪とかボロボロなので格好は付かないが。

 それとだ…。

 今出てきたのは本当に、運がないぞタマ。


『退去確認。目標地点までの中間地点に空間断層障壁およびエネルギー隔壁を展開し、反物質を再生成します』


 こうして…。

 容赦なく、遺跡はロンドの手で、粉みじんに吹きとぶ。

 隔壁の中にいたのか外にいたのか見ていられなかったが、声を聴くに、タマも無事に生きているようでなにより。

 ロンドのその容赦のなさは、怒りがそうしたのか命令に忠実だったのか。

 それとも他の何かがあったのか…。

 それは僕には分からない。

 

 なお、僕に関してだが。


『ほかの皆様のフロートアクアリフトは解除いたします。マスターに限り、生命維持を優先して現状の解除は危険と判断します』

「リューオ、生きてますの?」


 涙目のお嬢さんが見える。

 ステラは動けなくて号泣していたり、ほかも落ち着かない様子だったりするが、こっちとしては動けなくてもう反応が出来ない。

 申し訳ない。


『マスターは危険な状態でありますが、生命活動は安定を確認しており精神状態も錯乱、喪失は見られません』

「そうなの…すごいのね、その玉みたいなもの」

「遺跡が…あんな簡単に吹き飛ぶだなんて…」


 ショックなのだろう双子。

 確かに気持ちはわかるから、まあ、しかたない。

 復活できたら、あそこに連れて行った責任がどうのだの問い詰められない程度にはフォローがしたい。

 終末遺跡は、どうも罠っぽいものが意図的にかけられている感じで、だれも読めないだけだから。


「それでだけど、治せるの…?」


 大丈夫。

 そこは可能なのだが、話すのが出来ないから、ロンドに頼むしかない。


『接合などに関しましては、医療技術が必要であると判断します。この世界におきます魔法などで可能な領域であるかは、こちらでは判断が出来ません』

「薬だけではどうにもできないなぁ…悔しいけど」

「それなら、こんな時に…」


 マッパーの子やお嬢様が、同時に一つの方向を見る。

 それは。

 魔王だ。


「こんな時だし、細かい話は抜きにして、頼めない?」

「少し手を貸していただけるだけでも、構わないです」

「わたくしでいいなら、頭くらい下げてもいいわ」

「…お願い…します…何でもして構いませんから…」


 口々に、僕を助けてくれるようにと、言葉をかけてくれる。

 ありがたいことである。


「…よ……世は…」

「す、すみませんが、これとそれとは別ということで、私なりの模索をいたしますのでご容赦いただけませんか」

「その…世は…」

「や、やりたくないの?」

「いやなら時間がもったいないから、何とか他を当らないと」

「…無理…じゃ…」

「あるじさま、奥でお休みを…こんなことは王の役割などではないのですし」

「世は…なにも、できないのじゃ!!!!」


 不意な涙。

 それに、総勢、あっけにとられてしまった。

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