オーマ=ル=オーマ まおう L184
「世を好きにできるのはそう何度もあると思うなよ!おまえと世では格がちぎゃうのじゃ…あ、喉のところちょっときつい、ウノ」
「あらあら、もうしわけございません」
この子、そういえばあの風呂で、いろいろしていたとに見たな…。
あの時は髪を丸ごとタオルでグルグルにまいていた気がしたけど。
角だったんだね。
立派な感じの角がある。
まぁ、いろいろ、魔物の類なんだろうなという感じはあるが。
どうみても、少女というか、幼いんだよなぁ。
ヤバいぞオマエら。
好きにしなさいと、しかも目上扱いしてる人で、しかも倫理的アウトくさい見た目の人をいきなりこう…その。
「やっぱり、よくなくないかいか」
「大丈夫でございますよ、成人と言ってしまえば成人です」
「ゴミのような発言に本当に歯に衣着せないな!おまえはな!」
「そもそも、状況的にもなにもかも、これで興奮してくれよというのも、その、なあ」
「…し、失礼な奴であるな!」
「心配ございません、あるじさま」
だいたい脱がし終わった鎧が、なぜか胸を張る。
そして、自分もがしゃがしゃと…。
「この下賤なくされ外道相手に失敗する未来など、あるじさまにあるわけがありません」
「僕はいったいどういう立場なのか…」
敵対心を直接ぶつけられるような言葉と、甘い報酬をぶつけられるような状況、かみ合わなくないか。
と、見ると。
「ふたりがかりで、あるじさま無しで生きられないと生涯叫び続けるようなものに、腐れた脳みそを作り直しましょう」
仮にそうなったらそれも周囲から見て最低の腐ったやつに見えそうだがな!
それとは別に、鎧の人が、なんかすごい。
おかあさんだったり、アイーダさんだったり、見せつけるだけある何かをごく最近にたくさん見た気がするが、そのあとでも強力だ。
でかい。
そう言った鎧だなんだで締め付けないと普段の生活やばいから、そんな装備なのかな?
くらいには思ってしまう。
そちらのほうは、なんとも手慣れたというべきか、見事というほどの速さでもう脱ぎ終わっている。
全裸になる意味は、そっちにあるのかい?
「おきれいです、ああ、おきれいです、あるじさま…」
尋常じゃない雰囲気の声色が…。
気のせいだろうか、なんか、撫でまわす手まで怪しく見える。
「そっちのは、床に座っててください」
その瞬間だけ睨むように元に戻る。
よくわからないがとりあえず、言うとおりに。
そのまま、特に断りもなく、当然くらいにベッドに運ばれていく魔王。
これでいいのか、全くわからないが…。
「こ、こうして待っていればよいのか?じい、ウノ」
こっちに向いて、座ったままちょいちょいとポーズをとってくれる感じの、魔王さま。
あ、そういう観客的なシチュなんですかね。
「いいのです!こんなやつにそんな媚びたような態度などしなくても!こんなのには尻でも向けておけばいいんです!」
ひどいことを言う。
とはいえ、そのほうが、その、いやらしい感じくないです?
「ああぁ…かわいい、うつくしい、素晴らしい私のあるじさま…もっとこう、体の力を抜いて…」
でっかい人のほうが、なんというか、こっちの視点から言うと、魔王の子に蛇が絡まりついていくかのように、しっかり絡めとられていく。
「あるじさま、あるじさま…」
もう、語っていいレベルなのか、どうなのかすらをこの時点で超えているような。
肩口を隙をついて舌で舐めたと思ったら、一気に抱き着いて、息をつくような瞬間には、こっちを睨みつける。
隙がない。
こっちがどう動くかに関しては隙がわからない。
どうしろって言うんだい、これ。
強いて言うなら、ひたすら、二人の空間がそこにあった。
置いてけぼりすぎる。
見ているだけでも、いや、ボリュームは凄いんですよ?
何のために自分がいるのか、わからないだけで。
そしてそのまま、日が差す時間まで、ずーっと。
ずーっと、休むことなく、見せられた。
何かを。
何かの内容は、聞かないで頂きたい……。
「リューオ様…」
「なんだい、満足かい?」
「…失礼ですが…リューオ様、不能なんですか?」
「ほっとけよ!!!」
水晶玉からたまに、作業の合間だろうかというくらい声が聞こえたりはしたが、そっちもよく付き合ったもんだと。
老人の計画的には、まぁ、あて外れの結果だったとは、言わざるを得ない。
「ウノ……どうなっておるのか、説明はできるのか、貴君は」
「…最高でした」
「お前の気持ちは聞いておらん!命じられた事を成したかだけでよい!」
「は!!はい!!」
先ほどまで横になって肩で息をしていたのが、跳ね起きる。
やっぱすごいなあれ。
重そうですごい揺れたわ。
「も、もうしわけございません!あの三下っぽいものの欲を掻き立てるために一生懸命だったのですが、我を忘れてしまって!」
「時間からすればもはやリミット過ぎと思って心していけと言ったではないか!どうするのだこの始末!」
「し、死んで詫びても構いません!本当に、本当に申し訳ございません!」
ベッドの上で全裸で土下座し続けるでかい人。
見る分には、むしろそこだけでも見ごたえある気がして。その、まんざらでもないが…事態はそういう話ではなさそうで。
「どうしたらよかったって言うんだ…」
「いえ、ここの方々と違い、オーマ様はこちらに人間が攻めてきたときにも役割を果たさなくてはいけないお方…つまり、魔族の旗印として立たねばならぬお方でありますでしょう」
「まぁ、そうだなぁ」
「二か月あって、ご懐妊がはっきりなされたとなれば、それはもう、こちらの配下の諸氏たちも戦えとは言えませんでしょう?」
「…一か月遅らせてくれって、進軍の時間と合わせての、それのための時間って事なのか…?」
「さようですが」
「……馬鹿にしてんのかな?」
「わたくしめの綿密な計算でございますが」
「……もうなんか、僕がもうちょっと代案だすから、その、ひっどい方針は捨てようぜ」
「…最高なのですがねえ」
「いやもう、色々おかしすぎてこっちがおかしくなるんで頼む」
「そこまで言われますなら…」
お子さん出来るまで毎日これ見せられたり殺されそうな目で睨まれたりするの、嫌だし。
いや、実際手を出したらこの人、殺しに来るよたぶん。
…そういえば、お風呂の時に殺すぞ言ってたの、あれこの人だ。
絶対そうだ……。
そこは、まぁ、黙っておくか、老人には。
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「ほな、なるべく早いうちになー!無事かは伝えておくよって!」
「お願いしますー!」
その日の昼。
フェルマータに乗り、マリカさんは村を立った。
僕に関しての話を街に伝えるためだ。
僕も一緒にのればそれでいいのだが、そうはしない。
理由は二つある。
急いで調整途中で駆け付けたためにフェルマータの起動設定が、僕に対応してないのが発覚したこと。
それだけなら別に乗れると思うが、マリカさんが使うぶんには、ピアニシモがせいぜいな大きさのものしか出せない。
たぶん僕は足に引っ掛かって数時間になるはずだ。
もう一つは、とある提案だ。
ディスク使用のための共鳴の調整だが。
村の子でも街に来れば使えるのではないか、というはなしをマリカさんのほうからしてきて、何人か必要ならつれてきてええよ、という提案。
それなら、連れていくのに僕がいないわけにもいかない。
危険だったらまずいので。
と、いうことで。
何人か希望者などを選抜することになるわけだが……。
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