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異世界転生主人公は、ラスダン近くの美少女だらけの村を勢い任せにハーレムにしてしまうかの岐路に常に立たされている  作者: くる


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ワヤ=ルイツ そんちょう L53

「その村そのものは、おそらく長く歴史のある辺境の村であったと思われます」

「のっけから、手を入れましたと言わんばかりのことを…」


 どうしても聞きたかったこと。

 この場所が、どういった扱いを受け、どういうものだったか。

 村の誰かから、無理に暗い話を聞きだす空気ではもうないから、その気まずさを避けたいなら、もう魔物を問い詰めるしかないのだ。

 僕にとっては。


「実質的に、我々魔族が統括する領地と化す事態となっても構わず人々だけで生計を立てていたのですから、元からかなり、周囲から隔絶されてはいたのでしょうな」

「それで都合がいいと、牧場みたいな使い方をしたというわけか」

「牧場?」

「村に住んでいる住人からそんなこと言われていたのは聞いてる」


 割と素直に言ってしまったが、老人のほうは、少々取り乱し気味に反応した。

 初めてだな、そんな一言で。


「…冗談はおよしくださいリューオ様。わたくしめをなんとか激昂させる考えにしても、見逃せない亀裂まで考えてはおられないのでしょう?いやまさか」

「いや、言われてたことをそのまましか言ってな…」

「それだけは許せなくなりますぞ」


 本気で言ってるのか。


「じゃあ、礼儀でちゃんと向き合おうか?」

「お願いをしたします」

「ならなんなんだ、そこまで思い入れありそうにするなら、あんなに泣かせたりしたオークどもは何だってんだ」


 お嬢さんの泣いた姿、たくさん聞いた悲鳴、作り笑いをした薬屋の子…。

 何しても馬鹿そうなタマ。

 あんなことをする理由とまったく一致しないじゃないか。


「先代様の、おそらく最も心血を注いだ肝入りです。侮辱でこちらを堕とすものとして語られるのは、いくらなんでも心がないというべきでしょう」

「悪魔に人の心求められるレベルかよ、僕…」


 それを仮定として言っていたのは、村の誰かなわけだが…だれだったっけか。


「それなら、しっかり守ったり、もっと何かはすべきだと思うがね」

「時がくれば、そうしましたとも」

「じゃあ今は何なんだ」

「安らかだった時間を味わっていただく時間、何の苦労もなく人間としても生きていけるための訓練時間…様々な複合でございますとも」

「…人間として…」


 嫌な予感することを。


「聞きたいことはもう決まったようですので、申し上げます」


 改まる。

 聞くほうも、一瞬息をのむ空気感。


「その村は先代様が、遺伝や血統で最もよきものを文献や研究で調べ上げてその成果としてすべての円卓どもとの協力を得て作り上げた…逸物だけを、安定した成長を目指して、育てるための場です」 

「じゃあ…」


「おそらくは全て…いえ、ほとんどまでしか言えませんが、魔王や獣神クラスの血を濃く継いだ、そしてそれらの混血だけで作った我々にとっての完成品たちです」


 うわぁ、聞かないほうがよかった。

 注意は聞くべきだった。


「わたくしめが蔑んだ用語で呼ばれるのに怒りを覚えた理由、おわかりになられますかね?」

「マジなんだな…」


 聖域扱いのレベルか。

 普段魔物居なかったのは説明がつくし、根拠の城のかなり近くにあったのも、納得しよう。

 信じたとすると…あの子ら、全員か…。


「正しく、全員が魔王候補者と、わたくしめは信じて疑いません。わたくしめごときが、汚れた足で踏み入ることも許されるべきではありません」

「信仰のレベルまできてるな、その先代どれだけすごかったんだ」

「人格者でございました、それ以上何が必要でございましょうか」


 迷いがないのが、ここにきてちょっと怖いなぁ。


「そうなると、こっちの疑問は何でぼくがそんなところに入っていけたのかと、お前らがオークだカタマリを出してきたかだ、あと村長」

「ここであの方々をリューオ様が無下に扱われないように必要なことでございますし、しっかり一つづつ解消しましょう」

「たのむよ」


 いや、どう何を聞いたら、それであの子らを変に扱う気になるのか、こっちが聞きたいが。


「リューオ様を立ち入れる形にしたのは、それは単純に人間として見られる違和感ない成長をなさっておられるかを見るのと、開戦後に運の悪いファーストコンタクトとして人間側として有力なリューオ様に悪印象を持たれて殺されるなど論外だからですな、単純な話です」

「前もっての保護、か」


 それはちょっと賢いのかもしれない。

 仮に殴ってきても殺してやろうとは、今全く思えないくらいではあるから。


「そして先日の襲撃ですが、あれは最初ではなく過去にもあるのですよ、戦う意思そのものがなくなってしまえば我々も終わりですので、ラインは見極めて確実にあの方たちなら手を振るだけで殺せるようなものを持ち込んだりしております…踏み込んだ時点で死罪ですし何があってもあのケダモノは殺しますがね」

「…そこはもうやめとけ…泣いてたぞ…兵隊じゃないんだから」

「兵隊ですよ」

「またなんか意味の通じないこと言いだしたなおい!」

「なぜ、人に手を回せないから待ってほしいという割に、その地に気を回すのは、こうして時間をかけているのか。そこはリューオ様にとって、つながらなかったのですか?」

「…繋がってんのか」

「誰に対しても過剰な、すべてに備える魔王クラスの意図的な増加、その力の扱い…そこが、あの意思につながります。つまり…」

「空から来るだろう何かと…彼女らが戦うべき、と…?」

「先代様はそう思い、そうすべく、肝入りとしてその地に心血を注がれました。纏う鎧が、サーティオーガを試作としていくつか。先日一人くらいは見つけて内部に載っていただけると思っておりましたが」

「すごい…暴力的なことしてやがる…いろんな意味で…」


 信じようという気になってきた、かもしれない。

 すべて本当につながったわ。


「サポートとしてだけでなく我々が矢面に立ち全滅もあって構わない。あの方たちは纏うべき鎧の使い方を最終的には主に覚えていただき、全てなくなったとしたならば、すべて終わった際には人間に紛れて生きることも、難なくできるように訓練もすべき、それが先代のお考えでございました」

「そこまで全力をそっちに入れていた、か…」

「ただ、わたくしめは、内政の安定のほうに飛ばされれていまして、確定した情報は持っていません」

「先代ってやつの単独でここを整備した?」

「いえ、計画を進める間のその他を任されているわたくしめと、わたくしめ並に信頼のある腹心をもう一匹使っていたのです…が、王の死の直後、後継に名乗りを上げようとしていたので殺しました」

「軽く一言で内戦かよ」

「あやつめがすべての整備の知識と記録を抱えておりましたので、だれがどういった血を引いて、人間が何人いるかなどの比率なども、今はもう正確な資料を探れず…しくじりました、そこだけは」


 殺したこと、被害が出ただろうことに関しては、気にも留めていないんだな。

 ちょっと近いと思っていたところもあったが、やはり悪魔扱いでいいかな。


「人間も、いる可能性があるんだな?」

「何かしらの要因で領地の奥に紛れ込んだものなど、何人かは人間の文化と雰囲気に馴染む教師のような使い方でいたはずでございますが…ただものでない力を別口で何かしら持っていた可能性は高いかと」


 あの剣を思い出す。

 いるんだろうな、彼女がと確定はできないが。

 憶測で言うのもなんだが、魔族より人間のほうが外道で突飛もない行動を…いや、考えるな。


「なにはともあれ、現状は、先代が求めておられた理想に近くはなっております」

「人間らしい、すごい力を持った生き物かもしれない女性たち…という点だけなら、そうなのか」

「リューオ様がアレと違って、まっとうで、それ以上にイラつくほど奥手なのも幸運だったと、わたくしめには思えます」

「イラつくいうな」

「いっそあけっぴろげにハーレムにしてみたりする気はございませんか?リューオさまのご息女なら、さらにお強くなられるのは確実。おひとり次代の継承者としてわたくしめに教育をお任せいただけるなら、それだけで全力の後援をしてもよいのですが…」

「下世話の奨励を胸を張ってするんじゃないよ!」

「まったく…勢い一つでなんとでもなるといいますのに…」


 よけいなおせわだ!


「それに、アレってのが誰だ!外道と比べられるのは俺だって傷つくんだぞ!」

「村長をしていた男でございますよ」

「あっ」


 聞こうとしてこの一瞬でそこが飛んでいるの、忘れてたな。


「あれは本当に最低でしたなぁ…ある程度住人が残っていたのも使った差し出した、場所を一部使うならと色々なものを要求してやったことが下級どもの掃除でなく住民への脅しなど…思わず私の手が及ぶようになった瞬間に監禁して切り落としてやりました」

「お前も相当だよ」

「最後に働いただけ、わたくしめよりは有能であるとは言えるのかもしれませんな…魔物だという目で見て押し付けることで自分は守られた立場を維持しようとしたのではないか、そう思っていますが」

「…あとで、花だけそなえに行こうかな…」


 いろいろあるだろうが、言われように少しかわいそうになった。


「そうでした、それと、一つだけですが…どうしても、もう一つお願いすべきことが」

「この流れでか…言っておくが、村がどうだったとしても、人間攻撃しろなんて流れには乗らないからな」

「いえ、わたくしめにとって、これは論外という…先ほどの話のひとつ、覚えておられますかな」

「なんだっけか」

「ファーストコンタクトで最悪な出会いでないなら、万一のことがあっても躊躇いは生まれるだろう、という話でございますよ」

「あ、なるほどね」


 村の誰も、絶対にそんな、立場が変わったところで殺さないぞ。

 そこすらわかっていないこいつではないと思うんだが。


「そこでわたくし、考えました…守るべく確実な手段、そういったものを」

「お前の身の安全か?」

「そんなわけはないでしょう、つまり…」


 横の鎧が、やっと動いたと思うと、ドアを開ける。


「…不服なのじゃ、じい、ウノ…どうしてもか?」

「あるじさま、一晩だけ、犬にかまれるだけと思えば楽なものでございます…私も泣きそうですが、どうか…」


 入り口には小さな少女がいる。

 そして、鎧の足をつかんで、不安そうにしているような。


「…だ、だれが…なんだ…?」

「当代の魔王、オーマ様でございます。今宵、決して命を奪われない最良の出会いのために、どうか堪能くださいませ」


 は!!?


「本気で言ってやがるか!?おまえらの忠誠どこいって迷子になったんだよ!!」


 こっちの迷いも聞く気すらなく、鎧がその子の服をするすると脱がしだした。

設定語り回が続いて、本当にすみません

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