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異世界転生主人公は、ラスダン近くの美少女だらけの村を勢い任せにハーレムにしてしまうかの岐路に常に立たされている  作者: くる


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チヘイ=ハテナキ まこうしゃく L99

「あ、リューオさん今日もお疲れ様です」

「ごきげんよう」

「おっ、今日も来ましたね、このドエロが」

「あらあら、どうせなら、背中流してくださらない?」

「こっちも!背中流してくださーい!」


 楽しそうな、思い思いの言葉が飛び交う。

 あの地獄みたいな日から何日か経って、こんな笑顔がすぐ戻るのは、奇跡とは言わないが、頑張った甲斐があるというものだ。

 まだ散らばったものの処理も終わってい、その中で、強いなと思う。

 僕は、何があっても反撃できる自信があるから、深刻になる必要がないので別。

 で、そんなこんな。

 今日も忙しく仕事をする必要があるわけだが。

 周りは見渡すに…いや、じろじろ見るのもしにくいが。

 裸。

 裸、裸。

 歩いてる方、通り限る方、横切る方、みんな一糸まとわぬ、裸。

 お風呂だからそうだろうと、簡単に言ってみることはできるが、馴染んで何とかできる気分でもない。

 目線に困る。

 なぜ、こうなったかと言うと…。


 ―――――――――――――――


「こ、これデス、しっかり伝えますかラ、こ、殺さないでくださイ…」


 首輪に、鎖付き鉄球に、手錠。

 羽にも多分、何かついてる。

 拍手したいくらい念入りに縛り付けられ、この、中間管理職なのか下っ端なのか不明な悪魔が命乞いをしている。

 手には、水晶玉のような物がある。

 取られてないないからには、魔力でしまっていたものだろうか。

 それが光ると、映像のようなものが浮かびだし、それが、これの上役であるのは、すぐわかる。


「どうも。皆さんお集りなようで、こやつの役割は十分なようですね…仕事のできる配下を持って、わたくしめも胸をなでおろしております」

「…再生映像だけか?これ」

「いえいえ、きちんと会話できますよ、人間の希望を背負ったリューオ様にお会いできて、不意ながら私も幸運をかみしめております」

「よかったな、次会うときはどっちか死体になってるのが決まったようだけど」

「そのまえに、一度、食事などで楽しく語らいたいものですが、ままなりませんなぁ情勢というものは」


 か細い、という表現になるだろう。

 スーツを着た、白髪の年老いた男性。

 かなり余裕を見せた態度で、何人かの神経を、今、逆なでしている。


「長話も、わたくしめの体調にかかわりますので控えて進めましょう。わたくしめとしては、社交辞令、好きなのですが」

「やめたほうがいいね、こっちの人質も泣いてるしなぁ」

「デス」

「まずですが、今のところ、連続してそちらにお邪魔することは断りなしでは致しません」


 何も信じる気はないが、ずいぶん最初の態度に比べて遠慮した話をしてくるじゃないか。


「そうお約束するために、この場を設けさせていただきました」

「わざわざこう会話できるなら、力ごなしに攻める必要もなかったんじゃないかね?割と迷惑しているし、許せるかというと、そうでない奴多いよ?」

「で、しょうな」


 老人が小さく笑う。


「ですが、リューオ様が軍を率いてこちらに来るだろうという話、いくらなんでもわたくしめの耳にも入ります…そろそろ、他に目を向けられる余裕もなくなりつつあるので、信用していただいてよろしいのではないかと」

「状況的には、というなら、本当になんで、ここに、こんな数を使ってきたんだ…」

「内情としてはそうですな…リューオ様と個人的に話したいところではありますが、大まかとしましては、材料として、その辺に転がっているだろう、その、肉が手軽に必要だった、とでもしますか」

「…今すぐ行って、楽しいお食事会、しようか…?」

「ご遠慮しておきます」


 割と殺意が増しているのに、周囲が引いてないといいけど。

 ついでで聞いてるマリカさんはともかく、村でも多くの人が集まって聞いていて、会話を自分が担当しているだけなので。

 そのせいで目立つからね、今。


「皆様へのご迷惑に関しまして、危害を加えたい悪意というものは、さほどはないのですよ、我々としては」

「攻めてきて、意味が分からないことを言うもんだなぁ」

「ですので、謝罪も含め、片付けと掃除くらいはせめて、我々で行いたいと思っているのもあるのですが」

「どうして、信用できると思ってるんだ!」


 口がちょっと荒くなる。

 さすがに、これは、そうなるだろう。


「これが、先ほど言った、断りなくこれ以上何かはしない、というものでございます。 さらに言うならば、下級と野生の魔物は使わないと誓約もいたしますし、多少の雑用もついでに押し付けて文句は言わないよう申し付けます」

「だから、信じられるような信頼関係もなければ意思疎通ができてる確証すらこっちにねえと言ってるが」

「ああ、それと、絹の布地と宝石類はこちらから運び入れましょう、被害が信頼を損ねている障害であるなら、我々もそこに人間の基準でどれほどなら満足を得られるか、興味がございます」

「あら、いい感じの話になってないかしら、ね?」

「おかあさま、ふせ!」

「やァん!気になる話なのにい!」

「天然物以外は、こっちでわりーと、供給できますので、基準になる物あまりありませんけどねぇ」

「ほうほう、それは有益な情報をいただきましたな、ありがとうございます帽子のお嬢様」

「あらあらぁ」


 年上組…といっていいのか、先生とお母さんの人は、わりと乗り気だ。

 物があれば何でもいいとかか、あいつら。


「では、それらをふまえて、規定行動しかしないだろうと制限が付けられる我々の手持ちのディスクを作業班として付け、天然物の物資を送付…そちらの監視の目が足りなくならないように最低限の我々の人員を、そちらに入れさせてもらう……これでいかがでしょうか」

「ディスク?」

「おや、リューオ様もご存じない話でしたか。我々の領地内にも終末遺跡の断片のようなものがあったので、在庫はあるのですよ」

「…本気で使い道を知ってるなら、お出ししないほうがいいと思うね、あれは一つでも国を怯えさせるよ」

「おやおや、リューオ様がアドバイスとは、あれはそんなにあなたにとって貴重なものでしたか」


 そういう問題ではない。

 こいつがどこまで使えるのかは知らないが、ディスクのエネルギー設定は融通が利きすぎてて、際限ないのが怖いのだ。

 大小の設定があり、正規の設定らしい手順の場合の最大をやると、一度失敗してスタッカートの最大負荷で山みたいな物質を作ったことがある。

 使い方を分かって一斉にやる想像をすると、それだけで眩暈がする。


「なら、作業が終わった後は差し上げますよ、使用したディスクについては」

「…はあ!?」

「うせやろ!?」


 後ろのマリカさんまで叫ぶレベル。

 そんなに単純に手渡ししていいものなのか?


「ディスクの手持ちに関してと、質に関しては我々の中でも疑問が色々あるものでしてね」

「広い範囲で実験したほうがいいってわけか、数枚捨てても」

「それに、私たちではそこのお嬢さんのように気軽に充填などもできませんので、広い目で見た有効活用というものでございますよ」

「持っとる情報、少し出しすぎちゃうの…お宅さん」

「包み隠さず、というのも行き過ぎると、むしろ不審な何かを感じてしまう…難しいものですな、人間なるものは」

「感性はかみ合わない、てのは結構わかって安心する情報じゃないかいお互いに」

「なるほどなるほど、して、ご返答は?」


 今もう実質リーダー化している、村長の近くのお嬢さんの人。

 そして、地図の人、お母さん、先生、薬屋の人が固まっているあたりを見る。

 おかあさんあたりは見る必要ないが。

 ほぼ全員、首を縦に。

 かなり迷っていたが、お嬢さんも、こくりと。


「いいでしょう…期間は最短にしてくれるなら、そして攻撃仕掛けるときはちゃんと一週間前には断りいれるくらいが飲めるなら」

「全く問題ありません、お話しできる方がいて、本当に私は嬉しい、飲みましょう」

「では、成立で」


 お嬢さんが一言。

 本当なら、せめて言葉で謝れ、謝罪しろと言いたかったろうが、飲めて本当にえらいです、村の方々。

 あと、宝石でガッツポーズやめてくださいおかあさん。

 空気読めてないんで。


「それと、その仕事のできる部下ですが、いかようにしていただいても構いません。必要な限りそちらでお使いください」

「ナンデー!!?」

「一つの友好の証ということで、一つ」


 魔物の定義にぴったりの外道だな、やっぱり。

 

 ―――――――――――――――


 といったことで。

 おかしな共同体みたいな村が一時的に出来上がったのである。

 何の迷いもなく差し出されたこの魔物。

 かわいそうではあるが、各々のトラウマが残る間は有活用するしかあるまい。

 そのひとつとして、村傍の崖下に温泉が存在することをなぜか漏洩。

 それなら村の範囲に温泉置けないかと、広場に水がたまるよう囲いをして、丸出しのような露天温泉(仮設)が出来ている。

 みんな、恥じらいはこの際置いてきたのか、盛況だ。

 今更の今更だけど、いいのかね、これ…。

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