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異世界転生主人公は、ラスダン近くの美少女だらけの村を勢い任せにハーレムにしてしまうかの岐路に常に立たされている  作者: くる


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ソッカータ  アイテム L**

「ほら豚!そこの左手の通路と周囲を確認!」

「はい!」

「遅いわよクソ野郎!その辺の家の中に誰かいないか、はやいところ確認しなさい!」

「はい!」


 もうとんでもない下僕ができかあがっているさまだが、何より体が軽い。

 状況、マップ、目的と移動の経路まで任せて安心感があるこの穏やかな気持ち。

 この状況で、なんという安らぎだろうか。


「全員は、見つかり次第この武器屋と広場外れから崖側の通りに集めるわ!安全確認したら、戦える子にも伝えに行くのよ!」

「はい!」

「今、この子から聞いたら、まとまってた集団ばらけたのは崖の草むらに逃げる子たちが急に出てからみたい!まだいると思うから行きなさいよ!犬!飛んでくるやつが完全に逃げたか、わからないからね!!」

「はい!」


 徐々に村の人間の動きがどうなっていっていたか、それが判明してくる。

 村中央側からくる、一番広い通りの進入路は、村長の近くの子が立ちはだかって、止められているようだった。

 あと数人。

 さっきの薬屋の子も、それに入っていたらしい数人。

 他にもオークの退治のほうに回った子たちがいる。

 これからの方針は、その防護しきれているはずの輪を固定させて、守るべき人はもう一度集めて、そこが安定したら反撃にうつること。

 段階が見えて、終わるべき点が見えだすと、やる気になる。

 今なら、地理の理解に関しての有利はこちらにあると言えるし、もう一息といえるだろうか。

 そう思い、走る。

 ただ走る。

 二、三時間経ったろうか。


「ガケは見張りだけで、今はいいでしょうかしらね」

「なんとか、武器屋さんに全員入れるのは、今からでもなしなんですか?」

「そもそも、だれもあれ、あの置き場から動かせないから上からくる以外は無意味じゃないの…」

「お水、だれか必要ですかー」


 周囲から聞く声も、だいぶ落ち着いているようだ。

 聞く限り、まだあの先生とおかあさんが見つかっていない以外はだいたいみんないる、つまり、現状奇跡なのかなんなのか、死者無しらしい。

 ざっと、今になると百人そこら、くらいなのかこの村。

 点呼できるほど余裕ではないので、実数ではないが。

 今も、本来は相手に声などで集まってこられないようにしていた、音すら出さないように頑張っていた中で、一時的に実験しているだけだ。

 これで、一方向から集中するようなら、もう突っ込んで出現場所を潰す。

 まとまって。

 ストレス対策と、本当に足りないもの等の伝達のために、その前準備も兼ねて集中的に声を出すタイミングを作る。

 地形把握の有利はあるはず、ゆえに、周囲監視でどう来るかの見え方、位置の予測はこちらが圧倒的有利のはず。

 これらは、だいたい先ほどあった口の悪い女性が立てた計画。

 本当に助かるが、ここまで行くのに、ずいぶんかかったものだ。


「な~な~、YoYo、そろそろ飯のじかんじゃないのか~」

「おまえ、本当にあちこち見えなくなったり不意に出てきたりするなぁ」

「ボクはボクらしくしてるんだけどま~、そっちは大変ぽいよな~汗とかかくの?」

「精神的にやられても、疲れはしないかなぁ…いや、そうじゃなく、変なことしてないだろうなぁ、おまえは」

「ボクだって、そっちが探してると思って、たまに顔出しているくらいは気をつかってるぞぉ~、むしろ何もないのかよ~」

「お前の幻覚を混乱している時に使ったら、たぶん全員どころか俺もかかりかねないから、うかつにおまえに変な知恵付けたくなかろうよ」

「ひど~い!」


 最初は、こいつを侵入者対策で使おうと思っていた。

 しかし、守るためにいる彼女たちという存在が忘れられずに必ずいると認識したとき。

 そう、こいつの力に範囲と目標選択という概念があるかを忘れていたことにも、気付いたのだ。

 彼女たちがおとなしく出来ていないなら、まとまり続けられない。

 つまり。


「あの混乱の中で、彼女たちにかかるだけでもパニックになって詰みだったからな…オークだけにかかるかと聞くだけでも、お前がニヤついたら終わりだと思ったよ俺は」

「いやだなあ~信頼感ないな~、でも、今言っていいの?」

「なにかあっても今おまえが目の前にいたら止められるだろうし、みんなの精神的に安定はしつつあるだろうし終わりも近いと思ってるから、まあネタ晴らししてもいいだろという心理だよ…ここで何かしたら許さん」


 完全に敵意に近い視線で、布で覆った目の近くでナイフの刃を泳がせる。

 行動で言えば平たく、信頼どころか脅しだ。


「ま、今はボクも気分がいいからそれもアリ~くらいでいいんだけどね~」

「やっぱりあちこちでなんか補給してたな、こいつ」

「ボクが感情の集中する何かを欲する存在なのは知らせてたじゃんよぉ~おくれてるう?」

「意図的な邪魔は、頼むからしないでおけよ……本当にさ」

「わかってるよぉ、あと聞きたいことがあるんだけど」

「あとでな」


 ここでイライラして、あの子の指示に差し支えてもいけない。

 こいつと深く会話するのは避けよう…。

 ちょっと離れて、屋根から見張りをしている何人かを見たり、何かあった時を見据えて改めてストレッチをしたり。


「お元気ですわね、用心棒様は」

「ご苦労様です」


 大きな剣を持った、村長の近くのなんかの人が話しかけてくれた。

 かなり助かっている、というか、この力がないと崩壊していたかもしれない。

 なんとも安心感がある、やりすぎクラスの火力。

 そして、無敵感のある、体にまとう光。

 これぞ、なろう系という感じのどっしりした感じが、実にいい。

 が。

 すっとそれが消えた。


「……えっ」

「こんなの休まずずっと展開してるの、寿命いくらあっても足りませんわ、人間ですのよわたくし」


 そうなのかもしれないですね。

 でもこのタイミングで言います?


「一区切りなんですし、本気出されるんでしょう?」

「いや、かなり、あてに…して…」

「………えっ、そうでしたの………困りますわね、それ」

「まさか」

「いや、当然何度も何度も連続でなんか出せませんわ、あんなの全力で」

「きましたよー!」


 屋根のほうから聞こえる、声。

 いいタイミングで来るな!

 相手の化け物どもも!


「あ、あら?ゴーカさん戻ってたんですねぇ、声は何度か聞きましたけど」


 驚いたように寄ってきたのは、そばにはずっと居たはずの、地図の人。

 もしかして、光っている時には見えていなかったのか?

 いや、その前に、この状況…。

 やばい!!


「な~」

「今、構ってらんない状態になったってば!」

「この、ディスクっていうの、使いかたってどうするのさ~、説明書くれよぉ~」

「ディス……え」


 そうだ、そういえば、あったな。

 正体不明の「コレ」に、直球ヒントを貰うとは。


「俺しか使えないから、貰うぞ」

「お~よ」

「ディスク、ソッカータ起動!供給レベルフォルテ!」


 こいつの目にふたをしていたディスクを取り、あまり好きではないこれを起動。

 使えるならもう、何でもいい。

 割と無差別に前方破壊するやつだった気がするが、建物の被害程度なら、もういい、やってしまえ。


「…動かない?」


 急速に顔が青ざめていく自分を感じた。

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