ゴーカ=ケンラン ???? L???
あの二人の言う、本体と言われていたもの。
コウモリのような空中の魔物の部隊たち。
それをやっと目にしたのは、広場まで走りついて、それから別の光を見たさらに後であった。
さっき立ち寄った武器屋の屋根がなくなって、例の謎の名前の武器が使用されているらしい。
光線っぽいものも混じっているのは気のせいでいいとして、防衛の手段があるというのは、でかいらしい。
回り込んで、村の中から村の女性たちを襲おうという部隊は、まだ見えない。
しかし、数で押してくるなら、脳みそがあるやつらはいずれチャレンジしてくる。
彼女たちに会って移動するか待機するかくらいは決めるべきだろう。
だが、実は、集まっている場所そのものは知らなかったりする。
縛られて、敵が来るのを何となく知って、武器屋に行って、街の入り口で戦闘、という、なんだろう、流れが人を気にしない戦闘狂みたいなルートだ。
なんでもいい、とりあえず縛られてた建物に行けばヒントくらいはあるだろう。
そう思い、急ぐ。
それでだめなら武器屋に武器を動かしている誰かはいそうだし、邪魔しない程度に聞こう。
「やーっと気が付いたわね、アンタ」
「薬屋さん…?」
2日目に寝ている部屋にいて僕を脅していた彼女。
名前は知らないが、割と最後は打ち解けていたと思ったら先ほど迷いなくベッドでアレコレしてくれたので、自分は多少気まずい。
「ケガ、ない?」
「さっき縛られてもがいたときの、スリ傷がちょっとだけ」
「ま、あれだけあなたにとって天国だったわけだから、ちょっとはいいんじゃないの?」
「だから違うと…」
反論しようとしたが、その矢先、くすっと笑われた。
「ちょっと遅れた分の、罰ゲームでしたー」
「笑っていられるってことは、今、大丈夫なんですね?」
「それなりに」
瓶が、言葉と同時に手渡される。
「ヒサキとステラのおかげかもね、後で助けてもらったってチャンというのよ?」
「武器屋さんはわかりますが…」
と、不思議に思いながら遠くを見る。
数人が、瓶を投げているのが見えた。
効くのかどうか、謎でしかないが、それより自由に移動できる空からの敵相手で、なぜ安全に投げられるのか。
「…壁みたいのがある?」
「先生が、空の高いほうに風の渦みたいのを作ってくれているんだって、さっき誰かが言ってたわ」
「あの人、魔法使いだったんだ…」
「維持は、集中できるハクさんか誰かに任せているらしいから、まあ明日中は大丈夫じゃないかなあ」
「いつまで続くかわからないですし、笑っているのもどうかと…」
「そうなったら本拠地に突っ込んだりして助けてくれるんでしょ?あなたがさ」
「過大に評価してくれてて心強いです」
話をしながら、そういえば程度に考えが向かったが、終わりがいつか、そうだ、決まりがあってやるわけじゃないんだ。
何かをして終わりにさせる方法。
今が過ぎて落ち着くことがあったら、考えないといけないんだな。
いつになったら落ち着くものなのか。
「…あれ…あいつら、それはそうと夜目きかないんですか?」
「いやいや、足元よ」
空は空中に気流があって、とび越えられないらしいというのは把握。
崖からきて、村の手前に降りようとするやつがいるのも、それでちょっとは納得するのだが。
歩こうとして薬瓶をぶつけられたり、武器屋からの何かがぶつかるより、先に…。
何か、こけているのがちょいちょいいる。
僕は、夜目がきかないものを使った相手のお茶目か何かと思ったのだが。
「ひっかけるの、たくさん頑張ったみたい」
「…グラストラップか…?」
村までの草原全域?
グラストラップ、というのは、極めて原始的な罠である。
草原の、ある程度高い草を少量、両手にとって結ぶだけ。
何でもない、悪戯程度の手間だけで道具も使わない簡素な罠。
だからこそ、走っている時に不意につかまると引っかかったりはするし、その場のものだけで構成されているから遠目では見つかりにくい利点は一応、あるが。
「…そういえば、あの子に言ったことはあったな」
「健気で一生懸命なステラ、いい子だと思わないかしら?」
そう、あの夜、あまりに自信なさげなので、ちょっとだけ応援した。
そして、したのと一緒に、時間があったら侵入者用にグラストラップも作りたいけど、などとは確かに言った気がする。
集中力しか得意なものがなくとも、そういう小さいことで役立つことはもしかしたらあるかもと。
それを、たぶんずっと、わき目もふらずにずっとやったのだ。
村の外、崖につながる空き地をひたすら一面全域。
驚異的だ。
今、それで歩みが遅くなった奴らに、毒だろう瓶を各々が投げて侵入を防いでいる。
「確かに、お礼、言うべきですね」
「よろしい、よろしい」
「あと、ボウガンかなんか、あります?」
「あっちで何人か使ってるから、分けてもらいなよ」
ボウガンというか、スリングだったが、借りて薬の袋を叩き付ける。
これは結構効果があり、人数がそろうとかなり有効に侵入を防いでいった。
彼女の毒薬が、よくこんなに量があったなと思うほど多く、相手に大ダメージとなる物だったかがわかる。
確実に減っている。
谷に落ちたり、草むらで動けなくなったり。
数は見られないが、半分くらいは近寄られる前に対処できていないだろうか?
「そろそろ、近接組の出番でございますわね、用心棒様」
「固まって、すぐ全員で離れられるように、まとめる指示をお願いします」
「それは一応、今は代わりがいますので、私はこちらをご一緒いたしますわ」
「あなたも含めて、守るお仕事をしているんですが…仕事増えるのは嫌ですよ」
「おっしゃいますわね!」
村長の近くに住んでたかた。
どうも自分が戦うつもりらしい。
そこそこ、石を投げれば当たるくらいだった密度でもなくなり、減ってはいても徐々に降りてくるのが近寄るようになっていた状況の変わり目。
出来れば逃げて欲しい。
薬が効いているのなら、それを塗った刺し武器で行ける芽はある。
それに「アレ」の幻覚が使えそうなら、今度はうまいこと、一人でもこなせそうなのだ。
万一人質が出たら、彼女たちの判断で止まるか攻めるかになるのだから、確実に負けに踏み入るしかない。
それだけは絶対に、考えたくもない。
だから……。
「双眸を開け…主の未来を拓くその視線を…」
「き、聞いてます?」
「…そして照らせ…未来に続く光の道を…御先にあるべき我が道を…」
「なん…何言ってるんです…」
「曇りなき、覇王の道を!」
「魔法でもない、なんですかこの力!?」
『ゲイズ!オブ!ロードス!!』
彼女の前に、光が見えた。
そして、手をかざして光をつかむ。
それは何とも神々しく、みえた。
少し気を失ったのかと思うその時間を抜けたその場には…。
とてつもない、そう表現するほかない、装飾に埋もれたとでも言うべき剣があった。
ひときわ目立つのは、刀身と握り手の間に光る、瞳。
いや、瞳に見せるような装飾と、見たことのない宝石か。
「討ち祓えッッ!!!!」
空中を一薙ぎすると、光が走り、何もなくなる。
暗闇に何かが消えたが、それが何かは、もうわからない。
何なんだろうか、この人と、これは。
「アナタに力で劣るとは、思ったことはございません」
「……いいでしょう、全部倒して、楽しくまたお話ししましょう」
「そうこなくては」
その力は、すさまじかった。
近寄ることもできず、魔物は吹き飛んでいく。
もはや剣の近くですらなく、彼女の纏っている身体の周囲の光だけで消滅していっているようだった。
僕も、毒を塗ったナイフや、光の棒のようなものの力を確かめながら戦うが、数で競ったなら勝負にはならないだろう。
これが本体なら、夜の間で一度、一息つけるか。
と、思った。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そう思ったとき、遠くから聞こえる悲鳴。
「なんですの!?」
「おまえ~、村の中のほうに、即席の転移のゲートできてたぞ~」
「ほっといて言いに来たか!?」
「あれはボクにはいじれないかもなぁ~」
悲鳴が合図なのか、空を飛ぶやつらはもう逃げに入っている。
これも陽動なのか?
振り返って、全力で走る。
走る。
そこで見たのは、村の女性の眼前に迫るオークどもだった。
まずい…。
本当に。
今日中に三本書いて戦闘なんて終わらせたいなと思ってましたが無理がありました
もうしわけありません
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