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魔女になりたい妹と、  作者: 魔女C
3/7

messenger of guard

なんだかんだ前話から3ヶ月たってますね…。

別作品の話に直結するとはいえその別作品ですら月イチ生存報告投稿とかいう、謎しかない状況になってるので全てが綺麗にまとまるのは10年後とかになりそうですね……


…………そんなことにならないよう頑張りますm(*_ _)m

『セリア・フィリアス・ラ・シールイアが魔法学校に通うことになった。』


 ……なんて情報を国中にばらまけば、第二王女であるセリアがどんな目にあうのか想像せずとも容易くわかる。

 そこで第一王女カランは母である女王と相談し、セリアを第二王女の姿ではなく、ただ魔法学校へと通う一般国民という姿に風に仕立てあげるよう話が決まった。


「ということなの、どう?」


「大丈夫!!」


「良かったわ」


 カランは決まった話をセリアに告げた。当の本人に特に不満はないらしく、なんだったらより一層楽しそうな雰囲気を醸し出していた。


「学校で私の名前は何になるの?」


「そうね……そこのところはまだ話してないけれど、セリアが好きなようにしてもいいと思うわ」


「やったぁ!」


「それと、分かってはいると思うけど国の護衛を学校の教員に紛れさせて監視することになっているわ」


「やっぱり……でも仕方ないんでしょ?」


「一般国民に返送したところで、中身はこの国の第二王女。城外で見放す訳にはいかないもの」


 セリアは「ふーん」とそっけない返しをしつつ、ちらりと窓の外を眺めてみる。

 今いるのは姉カランの部屋で、この部屋の窓からは中庭の庭園全体を見渡せる位置にある。

 端から端まで、サラーっと瞳だけ動かして確認をしただけでも、両手でも数え切れないほどの警備にあたる人影が確認できる。

 さらに言うとそのひとりひとりがみんな半端なく強いというのだ、肉体的な強さだけでなく魔法的にも、さらには察知能力すら高い人材だという。


「学校だと何人くらいが私を見張っているの?」


「15人くらいかしら…。必ずあなたの姿を護衛2人が視認できる位置に居るようになっているわ」


「……トイレは?」


「ふふっ、流石にそこまでは覗かないわよ。気配を察知するだけね」


「えっ…………」


 聞かない方が良かったかもしれない事を聞いてしまったセリアは、数秒だけ固まる。


「あっ、護衛にあたる人は15人中10人が女性よ」


「それなりの……配慮?」


「ただ力量を基準に選んだら女性が多くなっただけね」


「あはは…………」


 セリアは改めて第二王女という立場を理解した。


 自分はそんな護られている環境下で魔法について学ぶ。

 そして魔法が使えない自分なんて過去のものにして、姉のような綺麗な魔法を自由自在に扱える人になる。


 できるのだろうか…………


 セリアの中に、ふと負の感情が湧き出る。


 自分が魔法を使えない原因が分かっていない。


 城の近くにある禁書庫にもそのことについて記された書はなかった。


 だが、魔法学校……そこにいる教師は只者ではないと聞く…………



「セリア……!」


「はっ」


「やっぱり学校に行くのは不安かしら?」


「ううん!!そんなことないよ!とっても楽しみ」


「そう、それなら……いいのだけど……」


「お姉ちゃん……?」


 セリアに対してなぜかローテンションのカラン、当然セリアは不思議そうに首を傾げている。


「お姉ちゃんは少し不安なの」


「私が1人で学校に通うこと?」


「えぇ、たとえ護衛が15人いたとしても、やっぱり不安」


 少しの時間、沈黙が流れる……


「お姉ちゃんが、」


「?」


「それはお姉ちゃんが、私がいなくなって寂しくなるのが嫌だからじゃない?」


「っっもう!!!」


 不安と言いつつ、本当のことを言い当てて見せたいもに、顔を真っ赤にするカラン。

 その顔を見られたくないのかセリアを思いっきり抱きしめ、顔が見えないようにする。


「やっぱり……」


「でも、不安があるのは本当よ」


 妹を抱きしめながら小さな声で伝える姉に、思わずセリアは脱力する。


「大丈夫だよ……だって私を見張ってる護衛、笑っちゃうくらいに強いんでしょ……」


「そうだけど……!」


「それに」


「それに…?」


「もしもの時は、お姉ちゃんが助けに来てくれるって信じてるから」


 セリアは首にかかっている飾り物を掌にあげ、見つめる。


 それはセリアが10歳の誕生日プレゼントにカランが送った首飾りだった。

 しかしただの飾り物ではなく、所有者のセリアに本当の危機が迫ると、自動的にセリアを守る結界が複数枚出現し、姉のカランに連絡が伝達されるという機能も付いている、なんとも妹想いの姉が作り上げた1品である。


「そうね、そのための首飾りだものね…!」


「うん!」



首飾り。

パッと見はどこにでもありそうな"石"を魔法的に加工したもの。その見た目は石ころとは思えぬ宝石のようなもの。


魔法を書き込んだ者の技量により効果の大きさは変わり、現在セリアの身につけているその石には数千年単位にひとつという逸品。


耐久性もバツグンなもので、セリアは"何百年先"でもこれを大事にしているという──


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