目が覚めたらピンチでした
俺は吸血鬼、名前はまだ分からない
目が覚めたら森の中だし仕方ないよね
目がさめる前、私は何をしていたのかすら覚えてない。いやそれは語弊があるな、正確には靄がかかったように朧げなのだ
それでいて何故かオタクと呼ばれるであろう知識はスムーズに覚えている、何故だ。
っと、話が逸れました・・・本題に入りましょう
唐突だが異世界転生を知っているだろうか。
一度死んだ人間が違う世界で新たな人生を歩む事を指す、個人で定義は違うかもしれないがここではそう定義しよう。
かく言う俺も気がついたら体験したんだ、うん・・・ただ問題があってね
目が覚めたらクマみたいなのが自分の眼前で口開けてました
何言ってんだこいつと思うだろうけど事実だから仕方ない。
・・・ってそんなこと言ってる場合じゃねぇぇぇ!
喰われる一歩手前だよ!?
その大きな口からは牙がもう凄い
語彙力がなくなるくらいやばいよね、なんならタラーって涎が口から溢れているのがよく見えるわー…うわぁ!?
思わず目を閉じて闇雲に手を振るう
「・・・っ?」
あれ、何も来ない・・・?
10秒、20秒と待ってみたが何か起こる様子はなかった。恐る恐る目を開ければ頭部が消し飛んだ死体が地面に横たわっている。
頭部が消え倒れた死体からじわじわと血が流れ血溜まりを作っていくのをぼんやりと見つめる自分。
普通なら恐怖で腰を抜かしているところだ
だが何故か不思議とそれに何も感じない、それどころか惹かれるものを感じていた。
むしろそんなことを頭のどこかで冷静に考える自分に怖いと思った。
いつまでそうしていただろうか、ふと我に返る
すると一気に頭の中は思考で埋まる
言いたいことはたくさん
でも言葉にならないからこれだけは言わせてほしい
「どうなってんのこれ・・・?」
今日の綺麗な青空にそんな言葉が虚しく響くのだった