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ミニトマト

作者: いなり寿司

そう、これは夏休みが終わり、セミが非常にうるさい

夏のことだった。

まだ、給食が再開していなくてお弁当を

持ってきている日だった。

いつものように4人ずつの班ごとに机を集めて

昼食の時間となる。

その日の僕のお弁当はいつものようにおにぎり、

玉子焼き、ミニトマトの3つのテンプレと肉料理と

野菜料理だったはずだ。

お弁当はお母さんが作ってくれているが、玉子焼きは

本当にうまい。

それと、ミニトマトは僕が好きな野菜の一つだ。

その日も普通にお弁当を食べていた。

そして、ミニトマトが歯に潰されそうになったときに

違和感を感じた。

何かがおかしい。

ミニトマトの内側からの圧力が強すぎる。

しかし、そう思った時はもう遅かった。

歯に押しつぶされたミニトマトは歯の垂直方向に

銃弾のような速さで果汁が飛び散った。

もしかしたら銃弾とは言いすぎたのかもしれないが、

僕にはそのように感じるほどの速さだった。

これは唇の方向も例外ではない。

そして、出てしまったのだ、口の外に。

しかし、かなり速かった果汁が唇で勢いを弱めることができたので、前の席の人の机に

かかることはなかった。

その果汁はきれいな放物線を描いて

僕の机に落ちることとなった。

この時の果汁の量が多いと言う人がいたり、

少ないと言う人もいたりする。

このとき、僕は何が起きているのか

理解できなかったが、ひとつだけ困ることが起きた。

それは、拭くものがないということだ。

しかし、その問題は手を拭く以外使いたくない

ハンカチで拭くという苦渋の決断により解決した。

そして、何事もなかったかのように目線を上げると、

前の人は気付いてなかった。

どうやら、お弁当を食べるのに夢中だったようだ。

隣の席は空席となっていて、

もう1人の班員にも気付かれていなかった。

これで一安心と思った時だった。

6班の目線が僕に集中していた。

見られた!と思った瞬間口から物を

出すようなジェスチャーをした。

やはり見られていた。

運の悪かったことは陰キャクラス

と呼ばれる1組の中では1番陽キャな班の6班に

見られたことだ。

その6班の人にネタにされたり、席替えで元6班の人が

同じ班になって、よく変顔をしたりして、笑いを取る

ようになったのは別の話。

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