第7話 森のハーピー族 7
猫盗賊団のアジトへ落ちている羽をたどって行くことにした二人
どうやら落ちている羽は連れ去られたハーピーたちの物のようだ。
「なるほどなこれをたどっていけば盗賊どものアジトにたどり着くということか」
ピヨは大きくうなづくと森の中へと入っていってしまった。俺はあわてて後を追う。道中ところどころにきれいな羽が落ちている。
「ヒロも一緒に来るの?」
「お前の姉さんに頼まれてしまったからな」
力ずくでつれて帰って来いと言われたがピヨのやる気におされたのか、俺自身興味があるのかどちらかはわからないがなんとなくで付いてきてしまった。
「ふーん、あっねえねえそれ何が入っているの?」
どうやらピヨは俺の鞄の中身に興味が沸いたようだ。そういえば仕事帰りのままだということを思い出した。鞄の中は仕事の資料や使い物にならないスマホ、イヤホン、スーパーで買ったおにぎりと水が入っている。
「ほら腹減ってないか?」
俺は鞄の中からおにぎりを取り出した。どうせ長くは取っておけないだろうから今食べてしまおう。付いていたフィルムを取り除きピヨに手渡した。
「なにこの食べ物?お米?この黒い紙なに?」
「それは海苔って言うんだ」
「のり?紙をつくっけるやつ?」
どうやら糊と勘違いをしている。この世界には米はあるが海苔はないようだ。
難しいことを考えるのが苦手なピヨはツナおにぎりにかぶりついた。
「んーおいしい!」
「そうかよかったな」
俺は能天気なピヨを横目におかかのおにぎりを一口かじった。