第87話 聖なるエルフ族 1
スフィンクスの王の計らいでエレナーゼを仲間にすることができた
俺たちはエレナーゼの案内でエルフ族の村の近くにまで来ることができた。するとこちらの動きを知っていたかのように以前俺の肩を切りつけたエルフの男が馬に乗り目の前に現れた。
「またお前たちかどんなつもりかは知らないが命が惜しくないようだな」
男は今にも俺の首をはねようと長い剣を引き抜く。そこへ慌ててエレナーゼは割って入る。すると男は目を見開き、馬から下りてきた。
「これはどういうことだお前たちまさかスフィンクス族に手を出したのか?!」
「違う、彼らは私の友人よ。命を助けてくれたの。王は彼らを認めたわ」
だが信じられないというように首を横に振った。
「いやあなたは騙されている、こいつらは信用に値しない!」
すると後ろから男をなだめるような年老いた声が聞こえた。
「これこれやめなさい、まったくあれほど言ったのに。お前さんたち怪我はないか?」
白髪に白いひげを生やしたエルフの男が姿を現した。
「ですがロンドーラル様、こいつらは外道です。信じていい相手ではありません」
ロンドーラルという年寄りはふぅと長くため息をつく。
「すまないな青年たちよ近頃は物騒でなこいつも気が立っているんださあ来なさい、中で話をしよう」
俺たちは村の中へと案内された。男は剣を手にしたままこちらをじっと睨んでいる。
「さて話を聞こう、一体なにがあったのだ」
俺はこの森へと入ることになった経緯、もといダークエルフについて話した。
「うむやはりお前さんたちだったのか、フィヨルドから聞いていてな。怪我をしていないか?」
治癒士に助けてもらったことを伝えると、ロンドーラルは顔をしかめ再びすまないと言った。
「フィヨルドは本当はいいやつなんだ、だが少々手荒なところがあってな。ちょっと待ってなさい」
そう言うとロンドーラルはその場を離れた。その間も後ろでフィヨルドという男は剣を片手にこちらをまばたきもせずに監視している。しばらくするとロンドーラルは同じエルフ族の少女をつれて戻ってきた。