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第86話 スフィンクスの王

エレナーゼの魔法を見せてもらった亜李須川とピヨ

 俺とピヨが魔法の説明から戻ると皆すでにそろっていた。そこへ女王がやって来た。俺が礼を言うより先に彼女が口を開く。


「これがあなたの仲間なのね、へえ~すごいわねえ空を飛ぶってどんな感じかしら?」


 まず最初にピヨに迫っていく。


「う、ええとふわーって感じかな?それともブワッて感じ?」


 ピヨは困ったように答えた。


「ふーんあそ、あなたナーガよね?足がないってどんな感じ?子供はどこにできるの?尾、それとも人間の部分?」


 ニーナもまた同じように困った表情を浮かべ、答えに迷っている。


「そうだわケンタウロスって馬のほうからお乳をあげるの?それとも人間のほうから?みんなそんなに胸が大きいの?」


 もう質問が止まらない。始めになにを聞いたかすら覚えていられないほどだ。


「アラクネよね?あなたは?糸はどこから出てくるの、口?」


 ローレンは眉をひそめ黙っている。フィリアナは大きく息を吸うと静かに答え始めた。


「そうですね、私はまだ独り身なのでわかりませんが知人が人間のほうから授乳をしているを見たことがあります。それと私の胸の大きさは遺伝です。母も祖母もそうでした」


 女王はしばらくじっと考え込んでふーんと鼻をならした。


「そう、ねえハーピーは卵から産まれてくるの?」


 再び質問が始まったとき後ろから制止の声がかかった。白い毛皮をしたライオンのような大柄な男のスフィンクスがこちらへゆっくりと歩み寄ってくる。


「私の妻が申し訳ない、この度は仲間を助けてくれてありがとう。礼を言う旅人よ」


 妻ということはこのスフィンクスが王なのだろう。


「ちょっと聞いてよ人間てね本当に尾がなくてつるつるなの、おしりは柔らかくてふにふにしているのよ」


 妻の様子に彼は前足を顔に当ててため息をついた。


「ああ、もう失礼だろうやめなさい」

「なんでよ私退屈なの」


 おしゃべりな彼女を置いといてスフィンクスの王は俺たちの目的を聞いてきた。この森に来た経緯を話すとエレナーゼに俺たちを案内するように命じた。


「本当に失礼なことをした。彼女に森の外まで案内してもらおう。おそらくエルフたちも我々の姿を見て理解してくれるはずだ」


 外部の俺たちを受け入れてくれたスフィンクスたちに礼を言い、エレナーゼを新たな仲間に加え村を出発した。その際女王がエレナーゼに何か耳打ちをしていたが気にしないことにした。

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