第5話 森のハーピー族 5
ハーピー族の女の子ピヨに案内されとりあえず村に着いたが……
村はピヨの話してくれた様子とはだいぶ違っていた。
立ち並ぶ家の一部は破壊され、辺りに砂埃と煙が立ち込めている。
「あれ……?なんで?」
あまりの衝撃に先ほどまでうるさいくらいに話していたピヨも言葉がでてこない様子だ。
「ピヨ、無事だったのね」
村の奥から少女にささえられ高齢の女性がでてきた。
「おばあちゃん!」
ピヨは二人に駆け寄っていく。
「どこにいっていたの?心配してたのよ」
おばあさんを支えている少女はピヨより年上のようだ。
「なに?なんでこんなになってるの?!」
「さっき猫盗賊どもに奇襲を受けて物資の一部と仲間を何人かさらわれたの。兄さんたちが応戦したけど間に合わなかった」
年上のハーピーが答える。俺はなんと声をかけてよいかわからずただ村人たちがせわしなく動き回る様子を遠くから見ているしかなかった。
「さっ突っ立ってないで早く家の中に避難しなさい。それと……」
年上の少女はピヨの背中を押すと同時に俺のほうを睨むように見た。早く誤解を解いて俺も安全な場所に避難しなくてはならない。そう思い口を開いたときそれを遮るようにピヨが叫んだ。
「わたし、みんなを取り返しに行ってくる!!」