第62話 不気味な仲間 2
一緒に旅に出たいと言い出したローレン
「と、いうわけで私旅にでたいの、ね、いいでしょ?」
娘のおねだりに両親は困惑しているようだ。
「あのなローレン、この方たちは冒険者なんだ。それで生計を立てているんだよ。なんていうかプロなんだ」
「ええそうよ、それにあなた家に引きこもってばかりで外なんか全然でたことないじゃない。自然は厳しいのよ」
両親の制止も意に介さず行くと言って聞かない。
「君からも言ってくれないか?」
ローレンの父は俺に困った顔を向ける。
「そうだな、なあなんで俺たちと一緒に行きたいんだ?」
「そ、そんなの決まってる、じゃない!あなたたち強い魔術師に会いに行くんでしょ?く、黒魔術を探して」
「それは俺だけなんだけど……」
当の本人はそんなのおかまいなしといった様子だ。
「なによ、ひ、ひきこもってりゃ文句い、言って、外にでても文句を言うの?」
ローレンの父はまいったというように大きなため息をついた。
「そうかならもう好きにしなさい」
「ええ?ちょっと、許してしまうの?」
両親が去った後ローレンはうれしそうに言う。
「んふふ、こ、これであの口うるさい親ともお別れね。今に、みてなさいわ、私は、最強のネクロマンサーになってみせる」
旅の支度をするため彼女は去っていった。
「はあ、しょうがないな」
「全くだ、まああの調子だとすぐ音を上げるだろう」
俺はシャリンの言葉にうなずきフィリアナが待つ小屋へと戻った。
「あらお帰りなさい」
「フィリアナ調子はどうだ?」
「だいぶよくなったわ、ニーナさんがそばにいてくれたのよ」
ニーナのほうを見ると彼女はプイとそっぽを向いてしまった。どうやら仲直りはできたみたいだ。
「ニーナは買い物しなくていいのか?」
「い、言われなくったっていくわよ!」
俺はシャリンにニーナを案内するよう頼んだ。ついでに行きたいとフィリアナが立ち上がる。
「もう平気なのか?」
「はい、まだ少し腫れていますがわたくしもアラクネの村を見てみたくなって」
フィリアナを支えるようにしてピヨもでていった。その間に俺は少し休ませてもらうことにした。この間に武器でも研いでおこう。
……あとでシャリンにやり方を聞こう。