第61話 不気味な仲間 1
自分の気持ちを伝えられないニーナに素直に謝るようアドバイスを送った
ニーナを送った後、俺たちは一通り市場で食料を手に入れることができた。アラクネたちは以外に気さくでよそ者である俺と仲間にいろいろとサービスをしてくれた。
「こんな森に住んでいるから閉鎖的だと思ったが結構明るい人たちだったな」
「ピヨもお菓子買えたよ見て!」
ピヨは蜘蛛の巣の形をしたグミのようなお菓子を広げ上機嫌だ。
他愛もない話をしながら歩いていると横から一人の男に声を掛けられた。
「おい、お前たち止まれ」
声を掛けてきたのは大柄な男のアラクネで重厚な鎧を身にまとっている。おそらくこの村の護衛だろう。
「お前たちは何者だ、なにをしている」
俺は自分たちが旅人でネクロマンサーの少女にこの村を紹介されたことを話した。すると男はため息をつき大きな手で頭を掻いた。
「なるほどなもしかしてその少女の名前はローレンではないか?」
「はい、知り合いですか?」
「俺はその子の父親だ、すまない娘が迷惑をかけたようで」
俺はとんでもないというように首を横に振った。
「ちょうどどこかで休憩を取りたかったので助かりました」
「死体に襲われなかったか?」
「あ……、襲われました」
ローレンの父親は再びふぅとため息をついた。
「あの子はちょっと変な趣味があるんだ。黒魔術にはまって死体を集めだしたときには驚いたよ。正直俺も妻も参っている」
「一日中小屋にこもってはなにかをやっているんだ、どこで教育を間違えたんだか。お詫びに食事をおごらせてくれ」
俺が大勢いるので申し訳ないと断るとせめてものお礼にと風呂に入れてくれることになった。
これには一同ありがたく賛成し、ローレンの実家へとついていくことにした。
実家へ付くとすぐに彼女の母親と思われる女の人がでてきた。
「この旅人たちを風呂に入れてあげたいんだが」
「もうそれどころじゃないわ、あの子ったら旅に出たいって言うのよ」
「なんだって?!」
今度は俺たちがため息をついた。