第4話 森のハーピー族 4
天使ではなくハーピーのピヨに案内され村に遊びに行くことに
仕方が無いので俺は不安を抱えつつ彼女に付いていくことにした。なぜ俺がいい人間なのか、それは突っ込んできたピヨを受け止めたからだそうだ。俺とは対照的に能天気なやつだ……。
「ねえねえ、あの、ありすえーっとヒロ!ヒロはなんでここにいるの?」
「それはこっちが聞きたいよ」
俺はため息をつきながら今までの経緯を話した。すると案の定
「あははは、なにそれーへんなのーヒロおもしろーい」
と笑われてしまった。それはそうだよな、だれが聞いたってそう思うだろう。俺だって自分が実際に体験していなければ笑い飛ばしていただろう。
「ピヨのおばあちゃんの作るクッキーとってもおいしいんだよ、ヒロにもあげるね!」
俺の顔色などお構いなしに自分の村の様子について楽しそうに話している。家族のことや好きな食べ物、とっておきの場所や兄と釣りに出かけたことなど聞いてみればハーピーの村はそこまで悪い場所ではないように思えてきた。子供のころ夏休みに行った祖父母の家を思い出した。
兄といえばハーピーにも男がいるんだな、なんてことをぼんやりと考えながら歩いていると森が開け村の入り口らしき門が見えてきた。
「へへ、じゃーんここがピヨの村だよ」
こちらを向きうれしそうに自慢するピヨの背には俺の想像していた光景とはまったく違った風景が広がっていた。