第51話 新しい仲間
キラービーとの戦いのあとハネナシに縄張りの外まで送ってもらった
ハネナシはこちらを大きな瞳で見つめている。
「いや、まあとりあえず動いちゃったっていうか」
「私も、私もみなさんみたいに強くなれたら良いのに」
「じゃあピヨたちと一緒にくれば?」
その言葉に皆が一斉にピヨのほうを見た。
「え、わ、私もついて行っていいんですか?」
もの言いたげなニーナの肩をフィリアナがつかんだ。
「でも仲間はいいのか?突然いなくなって迷惑じゃないのか?」
先に進もうとしていたシャリンが振り返り問いかけた。
「それについては大丈夫です、どうせ私なんていなくたってどうってことないですから」
「じゃあ決まりだね!でもなんだかハネナシって名前ピヨ好きじゃないなー」
確かにピヨの言うとおり彼女の名前は生まれつき翅が短いところからきている。いわばちょっとした悪口のようだ。
「好きに呼んでいただいて結構ですよ。私たち姿が似てるしたくさんいるので名前とか適当なんです」
「じゃあーうーんヒロはなにがいいと思う?」
てっきりピヨが考えるのだと思っていたがふられてしまっては仕方がない。
「そうだな……ポリーンなんてどうだ?」
「あんたなにそれ」
ニーナの言葉をよそにハネナシは新しい名前に喜んでいる。
「えへへ、新しい名前をもらってしまいました。みなさんよろしくお願いします」
「ええ、よろしくねポリーンちゃん」
「あたしたちの足引っ張らないでよね」
「ひっぱる足など無いではないか」
シャリンの揚げ足取りにニーナは怒っている。まあ俺としても仲間は多いほうが心強いからうれしい。
なんやかんやいいながら三人は新しい仲間にお互いを紹介した。