第3話 森のハーピー族 3
空から降ってきたピオーネという女の子は天使なのか?
「そうか、ピヨか、じゃなくてだな」
俺の返答に対しピヨは不思議そうに首を傾げている。
「君は、その、人間じゃないよな翼が生えてるし」
「うーん、あっそっかーわたしはハーピーだよ」
ハーピーという単語を聞いて今度はこちらが首を傾げた。えーっとなんだったか、ハーピー、聞いたことがあるような……そうだ!俺は昔やったゲームの敵キャラクターを思い出した。ハーピーとは腕が翼になった女の化け物だ。ということはここはゲームの世界なのか?だとしたら俺は勇者?異世界に送られてきた世界を救う勇者なのか?!
「ねーえねーえどこからきたのー?名前はー?」
ピヨの声で妄想から現実の世界へ引き戻された。
「悪い、俺の名前は亜李須川 弘明だ」
「あ、えーとありす、ひろ?」
「亜李須川 弘明」
「ありすがわ ひろあきね!ちょっと覚えにくいなー」
「なあ悪いんだがここら辺に俺が休めそうな町はないか?このままここにいるわけにもいかない」
望みは薄いが今はピヨに頼るしかない。
「そうだ、ピヨの村にきなよ!おやつあるよ」
「いやだが人間は怖いんじゃなかったのか?」
俺の言葉にピヨは首をひねり少し考えてから
「だいじょーぶ!ピヨがいい人間だってみんなに言ってあげるから!」
そう笑顔で答えた。