第44話 新しい旅 3 ♥
ピヨの説得により勇気を取り戻したフィリアナと旅に出ることにした(このエピソードには少々性的な内容が含まれます、苦手な方は読まなくてもストーリの進行に大きな影響はありません)
その後俺たちは新たな旅のためにそれぞれ装備を整えることにした。貰った服も良いがこれだけでは心もとないのでいくつかの着替えと食料を購入した。
領主の厚意により良質な部屋に滞在させてもらうことができたのでひさびさに風呂に入り豪勢な食事をとった。豪勢と言っても肉とパン、スープ、サラダというシンプルなものだが今の俺には十分だ。
前の世界では当たり前のことだったのになと思うとなんだか皮肉だ。
腹も膨れそろそろベッドで休もうとしていたそのとき誰かが部屋の扉をノック音が聞こえた。
俺は重たい体を持ち上げ客人を出迎えた。
「お、フィリアナかどうしたんだ?」
「あのヒロさんこの度はありがとうございました。そのちゃんとお礼が言いたくて、それにみなさんのことを悪く言ってしまって……」
申し訳なさそうにしている彼女に俺は特に気にはしていないことを伝えた。
それはそれと……プライベートだからか戦闘時に着ていた硬質な鎧はなく、薄手の柔らかなシャツ一枚だ。下着のラインが布ごしにうっすらと浮かんでいる。
「うふふ、これ気になりますか?」
フィリアナは俺の思考を見透かすように前かがみになり豊満な胸を強調する。
「い、いやまあ、そのちが、くはないんだけど」
するととてつもなく歯切れの悪い俺の手を取り自身の胸にぎゅっと押し付けた。柔らかい胸は圧に従い形をやんわりと変える。
「ちょっ、な、なにす」
「さあさあ遠慮せずにどうぞ」
目の前のフィリアナはいたずらっぽく笑い、さらに手に力を加える。人肌の温かさと適度な弾力、ふわふわとした独特の感触が指を包み込む。
は、こ、これはすごい、まさかこんなにふにふにで気持ちの良いものがこの世に存在していたなんて……今まで感じたことの無い甘美な感覚に頭がぼーっとする。
「こんな、こんなのはだめだ、も、もう……だあーー!」
俺はフィリアナの手を振り切り情けなくトイレへと駆け込んだ。
「ふふふ、面白い人」