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第39話 魅惑の悪魔、サキュバス 1

地獄への門の原因が水晶玉にあると気がつき止めに行こうとする

 俺は祭壇へ向けて走り出した。


「そうはさせるかぁ!」


 黒いマントを纏った老人が俺の脚をからめとるように押し倒してきた。上に(またが)り角ばった不気味な手で俺の首を鷲づかみにした。


 恐ろしい形相で襲ってくる手を必死に押さえるも老人とは思えない力で締め上げてくる。


 咄嗟に腰に差していた短剣を引き抜き老人の大腿に突き立てた。


「ぐあーこの小僧が!」

「はあ、ピヨ、あの水晶を壊すんだ……!」


 近くにピヨがいるかはわからないがとりあえず呼びかける。老人が痛みにもがく隙に再び祭壇へ近づこうとしたそのとき地獄へ通じる門から今までの悪魔とは違い女性が出てきた。


 その女性の背からは大きな蝙蝠ようなの翼が生え額からは二本の角が飛び出ている。なにより目につくのはその奇抜な服装だ。まるで成人向け雑誌のグラビアアイドルの水着のようなきわどい服を豊満な肉体にまとっている。


「うふふ、ひさびさにこっちの世界に出て来れたわ。今日はついてるわね、あら?」


 女の悪魔は俺を見つけると赤い口紅を塗った唇をゆがめ怪しく笑った。


「さっそく食事の時間ね、まあごちそうというにはちょっと粗末だけど。いいわ、ないよりましね」


 女はそう言うとこちらへふわりと近づいてきた。持っていた短剣は老人に刺したままだ。


 どうするべきか迷う俺に女はどんどん距離をつめてきた。長い髪から甘い香りがただよい視界がぼやけ、体が浮くような感覚に囚われる。


「さがれ!この悪魔め!」


 耳元で聞こえたシャリンの声にハッと目が覚める。


 気がつけば俺の周りにシャリンとニーナが集まっていた。


「あらあら、あなたただのドーテー坊やだと思ってたけどなかなかやるのね」


 女の悪魔はこちらを見下すように笑っている。


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