第37話 原因の調査 4
三人の調査もむなしくすでに儀式は成功してしまった、町中にあふれる悪魔をよけながら再び仲間と地下に向かう
衛兵とともに地下へと続く階段を駆け足で下りていく。
「気をつけろ悪魔がここを通るかもしれない」
「悪魔ですって?!ちょっとどうなってんのか説明しなさいよ!」
シャリンの言葉にニーナが食って掛かるように声を掛ける。
「ほら前を見ろ!」
突然、闇の中から蝙蝠の翼と黒い皮膚、鋭い爪をしたおぞましい怪物が飛び出してきた。
「これが悪魔か、近くで見るとすごい迫力だな」
俺を含めみな驚き半身を後ろに引いている。
「まったくなんだっていうのよもう、後でちゃんと説明してもらうからね!」
ニーナは短剣を抜くと悪魔に飛び掛っていった。上体を長い尾で持ち上げ低い天井に沿うように体を反転させる。
そのまま悪魔の頭上から後頭部を目掛けて剣を振り下ろす。上からの攻撃に悪魔は咄嗟に振り向きこちら側に背を向けた。
そこへすかさずシャリンが刃を突き立てる。背後からの攻撃をくらい困惑しているところへ攻撃がはずれ落ちてきたニーナの尾に押しつぶされた。痛手を受けた悪魔は再び地下へと戻っていった。
「いったーい、あー最悪」
「ほら大丈夫か、階段に頭ぶつけてないだろうな」
俺は倒れているニーナを起こし歩みを再開した。
「こ、これは……」
地下堂の頭上は悪魔で埋め尽くされまるで大群のカラスのように騒ぎ立てている。
「シャリンどうするこれではどこから沸いているのかわからないぞ」
「いや私には心当たりがある、奥のほうに大きめに作られた部屋があるんだ。そこなら儀式を行うのに十分な広さがある」
俺たちはシャリンに続き奥の部屋を目指した。