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第36話 原因の調査 3

町の地下で恐ろしい儀式が行われていることを知った三人は領主に報告することにした

 俺たちの話を聞いた領主はあごに手を当てうなった。


「そうか、でその証拠はあるのか?」

「このメモ書きだけです」


 俺はシャリンが取ってきたメモをペラリと見せた。すかさず近くにいた神経質そうな側近が口を挟む。


「この一枚だけか?!こいつら本当に調査をしたのか?でたらめなことを言っているだけだろ。フィリアナ、お前は見たのか?」


 フィリアナは気まずそうに首を横に振った。


「悪魔だの儀式だの大体そんなまやかし、あるわけないんだ」

「うーむ証拠がないにはなんとも言えんな」


 領主と側近は当然ながら信用してはくれないようだ。俺は言葉を続けた。


「ですが捕らえられている人が地下にいるのは確かです、これ以上犠牲が増えないよう協力をお願いします」


 だが領主は首を縦に振らなかった。シャリンは仕方ないというように肩をすくめた。


「私たちだけでやるしかないようだな、一度ハーピー族の村へ連絡して仲間に協力してもらおう」


 俺はその言葉に頷いた。そのとき部屋の扉が大きな音を立てて開かれ、息をあげた衛兵が転がり込んできた。


「何事だ?!」


 ノックもなしに入ってきた衛兵に領主は立ち上がり声を荒げる。


「そ、外を見てください。化け物が突然町の中に……!」


 衛兵の言葉に部屋中の者が一斉に窓の外に目をやる。眼下に広がる街路に人々が逃げ惑い、その後ろを翼の生えた化け物が追いかけている。


「な、なんだあれは!」

「私にもわかりませんよ」


 領主と側近が言い合っている中俺は近くにいた衛兵に声をかけた。


「悪いが数人でいい、俺たちについてきてくれ。それと捕まっている仲間を解放してほしい」


 俺は数人の護衛とピヨ、ニーナとともに外へ出た。街中は突然の異変に大パニックだ。


「どうやら一歩遅かったようだな、おそらく地下から沸いてきているのだろう」


 シャリンの先導で俺たちは地下へと再び降りた。

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