表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/1157

第32話 町の異変 3

町の地下にオークが潜んでいることを知った三人

 俺たちはオークが町の地下に巣食っていたことを領主に報告した。


「ふむ、なるほどな。それで数はどれほどいたんだ?それと行方不明の町民、なんの関係がある」

「そ、それは、すいませんそこまではまだ調査が進んでいません」


 フィリアナの話を聞き、領主は引き続き俺たちに調査を続けることを命じた。俺はその命令に従う代わりに捕らえられている仲間の解放を申し出た。もちろん町中には出さない約束でだ。


 ピヨは一時的だが外に出られたのでとてもうれしそうだ。ニーナは中庭で体を伸ばしている。そこへフィリアナがやってきた。


「まさか本当だったなんて、失礼しました」

「いや、こちらこそ危険なことにつき合わせてしまってすまない」


 俺はフィリアナにピヨとニーナを紹介した。ピヨの明るさも手伝い始めて会ったときよりいくらか表情が柔和になった。


 俺たちが談笑をしているところへ助け舟を出してくれた小太りの側近が近づいてきた。


「やあ、たのしそうだね」

「あっあのときの、おかげで助かりました」


 男は笑いながらフィリアナに近づいていく。


「ところでフィリアナ、まだ腹は決まっていないのい?」

「いえ……ごめんなさい、わたくしはまだ訓練に力を入れたいので」


 俺にはなんの話かはわからないが彼女が乗り気ではないのはわかる。


 すると男は彼女の馬体の背をなで始めた。そしてそのまま手を腰に滑らせ、抱きかかえるようにして体を密着させた。フィリアナは言葉を発しはしないが表情は暗い。


 男は俺たちに向けた笑顔とは違い、いやらしい薄ら笑いを浮かべている。そろそろ止めたほうがよいのではないか、そう思ったときピヨが男とフィリアナの間に割って入った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ