第275話 泥まみれのみんな ♥
ぬかるんだ道を進むこととなった一行(このエピソードには少々性的な内容が含まれます、苦手な方は読まなくてもストーリの進行に大きな影響はありません)
その後も水はどんどんと増えてゆき、ついに腰の辺りにまで来てしまった。このままではピヨとポリーンがおぼれてしまう。それにセシリアも背が低い。まあ彼女は心配することなく勝手に泳ぐだろうが。
「あっ今なにかまた触ったわ!」
再びローレンが後ろのほうで声をあげ、ニーナが面倒そうに振り返る。
「もう、そりゃ何かはいるでしょ」
「ち、違うのよ。じ、じゃああなたここに来て見なさいよ」
そう言われニーナは仕方なくローレンのもとへ向かう。そのときローレンがなにかにつまずいてニーナの服につかみかかった。
「ちょっ待ちなさいー!!」
背後で二人分の泥水がしぶきを上げた。俺を含め前を歩いていたみんなが振り返る。
「はぁ、もう!なにすんのよ!全身びしょびしょじゃない」
「ご、ごめんなさい」
暑さのせいで薄着だったニーナは全身に浴びた泥水のせいで肌に張り付き、薄い下着をはさんで肌色が見えている。ローレンはいつものとおり大き目のローブのおかげで平気だ。
「ニーナさん、ローレンさん大丈夫ですか?さあこれを着てください」
そう言ってフィリアナは自分が着ていた上着をニーナに手渡した。
「ありがとう、ってあんたす、透けて、戻しなさいよ!」
顔を赤くして慌てるニーナにフィリアナは不思議そうな表情を浮かべる。今や胸に巻いているさらしだけになってしまったフィリアナだが、汗でゆるみ肌色が隠し切れなくなっている。
「ですがニーナさん、あなたもですよ」
「え?あーーちょっ、おい!エロアキあんたなに見てんのよ!」
突然こちらの視線に気づいたかと思いきや泥の中から鞭のような尾が襲い掛かってきた。だが以前と同じ手は食らわない!今これ以上ダメージを受けてはなるものかと咄嗟に横に避けた。
しかし横を見ずに回避したせいで俺はシャリンに気づかずそのまま泥の中へと押し倒してしまった。
「あっ、悪い!本当にごめん!」
シャリンは無言のままじーっと嫌そうな目でこちらを見つめている。立ち上がったところで俺は背中にニーナの一撃を食らい再び泥の中へと一人で沈んでいった。