第25話 誇り高き騎士、ケンタウロス族 1
ニーナの案内で町の近くまでやって来た三人
俺たちはニーナの助けもありシャリンのアジトがあった町の近くまでたどり着くことができた。
「あれがあんたたちの言ってた町よ」
今まで見てきた村とは桁違いの規模で遠くからでもその大きさがはっきりとわかる。周囲は石の塀で囲まれ、立派な門の付近では大勢の人が出入りしている。
「うわーおっきいーねえねえ早く行こうよ」
「だから言ったでしょ、だめだって」
ニーナの言葉にピヨは残念そうにしている。
「うーピヨも行きたいよー」
「あそこの町は人間が統治してるって言ったでしょ?シャリン、あんたはまだ人っぽいから大丈夫だけど」
「そうだな、獣人や亜人はいるがやはりハーピーとナーガは難しいだろうな」
二人は納得しているようだが実際俺にはよく線引きがわからなかった。獣人も人からは離れているように感じるが。
「でもーせっかく来たのにー」
ぐずるピヨのため町を迂回しアジトの入り口の近くまで行ってみることにした。
シャリンに案内された先には特に何も無かった。強いていうなら薄い木の板に岩が乗っているだけだ。
「どこにアジトがあるんだ?」
「ここだ、この岩の下だ」
どうやら秘密の入り口を木の板で覆っているようだ。一見手薄に見えるが全く目立たない、上手い隠し方だ。
シャリンが岩をどかそうとしたとき後ろから声がかかった。
「あなたたち、そこでなにをしているの?!」
咄嗟に振り返るとそこには下半身が馬になっている女性と二人の男が立っていた。