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第261話 この世界について

平和が戻ったオアシスで沢山の生き物を見つけた

 その晩、俺はひさびさにゆっくりと眠ることができた。ベッドもエアコンもない星空の下での宿泊だがもはや安全な水があるというだけで満足だ。翌朝、まずオアシスの水で顔を洗いのんびりと朝食をとった。辺りを見渡すとケンタウロスたちの簡易的なテントが立ち並んでいる。


 この世界に来てから本当に久しい休日だ。休日といえば……二度寝だ。俺は再び寝袋の上に寝転んだ。オアシスに生えているわずかな木だが水が近くにあるせいか木陰が涼しい。たまに遠くから子供たちの楽しそうな声が聞こえてくる。そうだあとで短剣の手入れをしよう、きちんと洗っておかなければ。そんなことを考えながらまぶたを閉じた。


 目を開けると外は赤く夕日に照らされていた。結構寝てしまった。でもそのおかげでだいぶ体も楽になった。これからまた旅が続くのだから休憩はできるときにしておかなければならない。

 

 俺は起きて早速、短剣をオアシスの水で洗った。静かな水面が夕焼けをそのまま写しまるで空が目の前に広がっているようだ。ケンタウロスたちものんびりとした時間を過ごしている。狩人の姿が見えないが彼女はきっと仲間のために狩りへでかけたのだろう。


 夕食をとるころ太陽はすっかり身を隠し肌寒い夜がおとずれた。この寒さはいやだがここから見える星空は本当にきれいだ。プラネタリウムなんか比べ物にならないくらいだ。


 コルはどうやら新しい友達とうまくやっているようで二人で本を眺めている。よく見ると星座についての本だ。でもこんなにたくさんの星から見つけ出すのは相当骨が折れるだろうな。星、といえば俺がもといた世界と同じなのだろうか。


 ここでふとある疑問が思い浮かんだ。もし星の位置が同じならば違うのは俺がいる地球だけということになる。世界の成り立ちにおける考えの一つにパラレルワールド、というものがある。いわゆる並行世界というやつで同じような世界がいくつも存在しているという考えだ。


 その考えを思いついた人いわくどうやらいくつもの次元が存在し、俺が別の環境で何人も存在しているというのだ。この世界に別の俺がいるかどうかはわからないがもしかすると似たようなものかもしれない。


 俺がいた世界とこの世界の最も大きな違い、それは魔法があるかどうかだ。事実エレナーゼに俺は魔法の適応が全くないといわれてしまった。この世界はもしも魔法という目に見えないなぞのエネルギーが存在していたら、という世界線なのかもしれない。あるいはこれはすべて俺が見ている長い夢か、それとももといた世界こそが夢なのか。


 この魔法だけではケンタウロスやハーピーのような種族がいることの説明になっていないが今俺に考えられる範囲はこのくらいだ。


 そういえば北極星は動かないらしいがあいにく星に関する知識が乏しすぎてこのたくさんの光の中から見つけるのは難しそうだ。

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