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第244話 性急な救出作戦 1

ニーナに背中を押され、本格的に救出を行うことを決意した

 話し合いの結果、俺たちはもうしばらくここにとどまりタイミングをうかがうことにした。


「もしここら辺に親がいるのなら彼らの協力を得るのが先決ですね」


 フィリアナの言葉に皆、うなずく。ではまずはその家族を探さなくてはならない。夜になったらカルベネを連れ酒場にでもいってみよう。もしかしたら何かしら情報を得ることができるかもしれない。


 俺はひさびさにゆっくりと昼寝をし日が沈むのを待った。暑さが落ち着いてきたところでカルベネを連れて町に行こうと彼女を探した。しかしなぜか姿が見当たらない、必要なときにいないなんてまったくつくづくカルベネらしい。するとローレンが袋を手に俺のところへやってきた。


「ね、ねえ私作戦を考えてみたんだけど」


 そう言ってローレンは袋をひっくり返した。中からなにやら長いものがボトリと地面に落ちた。


「うわっなんだそれ、へ、蛇……?」


 一歩下がって覗き見るが動く様子はない。どうやら死体のようだ。どこからどうやって手に入れたのかについては聞きたくない。


「そう、確かあ、あなた鍵は奴隷商人のポケットに入っているって言ってたよね。だから、こ、これを使って盗み出してはどうかなーなんて」


 なるほど俺が気を引いている間に彼女が鍵を盗み出す作戦か。まあ悪くはないが逃がした後、どうやって少年をつれていこうか。もし成功してもすぐに気づかれてしまうだろう。そんなことを考えていると探していたカルベネがどこからか現れた。


「やあ兄さんとローレン、なにこそこそやってるんだい?」

「あっどこ行ってたんだよもう探してたんだからな」


 相変わらずマイペースだ、勝手にいなくなってはいつの間にか戻っている。


「え?私を探してたって?じゃあラッキーだね、こうして見つかったんだから。それより町に敵が攻めてきたって大騒ぎだよ。もう護衛が走り回って大変だ」

「そうだな、ちなみに敵ってなんだよ」


 ただでさえ問題があるのにこれ以上事態が悪化しないといいのだが。


「んーケンタウロスだと、なんでも単身で乗り込んできたらしいよ」


 え?ケンタウロス?アーグナたちか、いやそんなわけはない彼らには襲う理由なんてないのだから。だとすると考えられるのはあの少年の家族だ。でも単身で乗り込んでくるなんてことありえるのだろうか?しかしもしそうなら今がチャンスだ。


 俺はすぐにみんなを集め、このことについて話した。


「なるほどでは今行くしかないですね、なぜ一人なのかはわかりませんがその人を手助けして一緒に脱出しましょう」

「でもどうやって?ただ突撃するわけにもいかないでしょ?」


 ニーナの疑問にみんなそうだと相槌を打つ。


「三つの班に分かれよう。俺とシャリン、ローレンで少年の救出に向かう。ニーナとフィリアナ、ヴェロニカは彼の家族を探しに行ってくれ。残りの人は荷物をまとめてなるべく町の近くで待機してて欲しい」


 ざっと作戦を伝えた後、それぞれの役割を果たすため俺たちは分かれて町へ向かった。

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