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第19話 ナーガプリンセス 2

ナーガ族の少女に侵入者と勘違いされてしまった三人

 硬い鱗と太い尾から繰り出される一撃を全身で受けたシャリンはそのまま俺のほうへ吹き飛ばされてしまった。


「おい、大丈夫か?!」


 俺は飛んできたシャリンを両手で受け止めた。


「うっ……うぐぐ」


 あまりのダメージに息すらできない様子だ。ナーガの少女は再び攻撃の体制を整え始めた。


「まってー!まってまってー」


 地上に降りてきたピヨがあわてて間に割って入る。


「どきなさい侵入者、あんたも死にたいの?」

「違うよ、わたしたちは侵入者じゃないよ!ただここを通りたいだけだよ!」


 懸命に説明するピヨをナーガの少女は睨みつけた。


「嘘をつくな、あたし知ってるんだからねそこの泥棒猫、あんたたち二人も仲間でしょ!」


 どうやら猫盗賊団はナーガの村でも悪さをしていたようだ。


「まっまあそのことについては謝るよ。だがこいつらにも事情があるんだ、今は見逃してくれないか?」


 俺の言葉に少女は首を傾ける。


「ふーんどうかしらちなみにその事情ってなによ?嘘だったらただじゃおかないから」


 疑いを深める相手に俺は今までの盗賊団との経歴を話した。


「なるほどじゃあその泥棒猫たちも住処を追われてるってわけね」

「そうなのそうなの、だから今解決するための冒険をしているの!」


 ピヨが大きく首を縦に振った。しばらくの沈黙があった後、ナーガの少女はバツが悪そうに口を開いた。


「えっとじゃああたしは結局ただの旅人を殺そうとしてたわけ……?」

「まあ、そういうことになるのかな」


 俺は腕の中でぐったりとしているシャリンを横目で見た。


「なっそんなのあんたたちが紛らわしい動きしてたからでしょ!」

「いや別にしてないけど、それに襲ってきたのはそっちのほう……」

「あーもう!うるさいっ手当てしてあげるからさっさと付いてきなさいよ!まったく」


 彼女は顔を真っ赤にしながら歩き出した。こちらを振り返り速くしなさいよ!とぷんすこ怒っている。


「まるでわがままお姫様だな」


 シャリンは薄笑いを浮かべ小さな声でささやいた。



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