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第185話 予期せぬ援軍

協力的ではないケンタウロスたちにニーナが怒りの声をあげた

「ぼくも手伝いたい、お父さんが帰ってこないの。きっと人間に捕まってるんだよね」


 きっと男の子は先ほどのニーナの話を聞いて来てくれたのだろう。だがみんなの顔は依然として曇りががかっている。重い空気の中ニーナが口を開いた。


「気持ちはうれしいけどこれは危険な戦いなの、子供は……」

「いや、彼も仲間に入れよう」


 俺はニーナの言葉を遮って彼を仲間に加えることを提案した。確かに子供を危険なことに巻き込むのは大人として良くないが、彼の気持ちを無碍(むげ)にしたくはないと思ったのだ。


「アリスガワ本気なのか?」

「今は一人でも仲間が多いほうがいい、こっちに来て一緒に作戦を考えよう」


 俺が手招きをすると彼はかわいらしい笑顔を浮かべ、うれしそうに俺の横に座った。シャリンをはじめ仲間は皆、懐疑的な視線を俺に送っている。


 そこへもう一人中年の小太りな女がやってきた。


「私の馬鹿夫も帰ってこなくなったよ、まったくしょうがないね。どーせ今頃行ったことを後悔してるだろうよ、できないのに格好ばかりつけるんだから」


 どうやら彼女の夫も捕まってしまったようだ。はぁーとため息をつきながらどかりと地面に腰をおろした。


「私はね今はこんなだけど若い頃はそりゃ優秀な魔術師だったんだ。ほんとあんたの言うとおりだよ、自分たちが動かなくてどうすんだってね。切り込み隊長は任せな、もうこんなババアだ怖いものなしさ」


 そう言って彼女はがははと笑っている。とりあえず一人戦えそうな人が増えた。


「それじゃ作戦はあんたらに任せるよ、私は昔の感を取り戻しに言ってくる」


 中年の女はどっこいしょと言いながら立ち上がりどこかへ行ってしまった。


「俺は再びキンナラたちのもとに行って来る。銃のことについても相談しようと思う。それまではえっと……みんなは待機しててくれ」


 俺は不安そうにしている男の子にピヨとポリーンを紹介した。初めは恥ずかしそうにしていたが歳が近いこともありすぐに打ち解けたようだ。

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