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第184話 作戦会議 2

戻って来た二人を加えみんなで作戦を立てた

 ケンタウロスたちが非協力的なことに怒りを覚えたニーナは集落の中央で大きな声で話し始めた。


「あんたたちねぇ、恥ずかしくないの?キンナラっていう種族が手伝おうとしてくれてるのに、捕まってるのあんたらの仲間だよ!家族が殺されるかもしれないのによく逃げる準備なんてできるわね」


 いそいそと支度をしていたケンタウロスたちは手を止めて彼女をじっと見つめている。シャリンが慌てて腕を引いた。


「落ち着け、そんなことを言ったってどうしようもないだろう」


 興奮しているニーナは息を荒げている。そこへ今の長であるタッドが姿を現した。


「ふん、キンナラだと?あの腰抜けの鶏どもになにができる。歌って踊るだけだろ、今はそんなものはいらん」

「もとはといえばあんたが……!」


 言いかけたところで俺とフィリアナで彼女を引き戻した。だがニーナの言っていることはもっともだ。元凶は無計画に攻撃をしかけたタッドであり、それについてなにも言わないのは俺も腹が立つ。きっと彼らは多少の犠牲をだしてもより多くの人が生き残る道をとるという考えなのだろう。


 ニーナは腕を組んでドカッと丸太に腰掛けた。


「ふぅーまあ仕方ないわね、私たちだけで作戦を考えましょう。それで、二手に分かれて行くんだっけ?でも扉が開いても入れなかったら意味無いけど」


 ニーナの言葉にみんなうなずく。そこが一番の問題点なのだ。どれほど弾があるのかもわからないし、キンナラの強さもまだわからない。


 行き詰ってしまった俺たちのもとへヨーラがやってきた。


「すいませんこんなことに巻き込んでしまって」

「いやそれよりここはどれほど雨が降るのかな?火薬が湿ってるとやりやすいんだけど」

「ここらへんはあまり雨は降りません、少なからずこの先数日は」


 そうなると銃と真正面から向かい合わなければいけなくなる。時間がないのに全くアイディアが思い浮かばない。魔法が有効かもしれないが射程距離では負けてしまう。皆顔を見合わせているが俺と同じように何も思い浮かばないようだ。


 俺はふとヴェロニカのことを思い出した。彼女なら夜、警備を掻い潜って忍び込めるのではないだろうか。だが出てくるときに見つかってしまう。出かけた策はまた振り出しに戻ってしまった。


 完全に煮詰まってしまった。これは銃だとかいう問題ではない。単純に人数が足りないのだ。もしこれでキンナラから援助を断られてしまった場合、さらに成功率は下がる。セシリアの言ったとおり無駄な時間を過ごしているのかもしれない。


 すると沈黙が続く俺たちの元へ男の子がやって来た。歳は十代前半ぐらいでまだ幼い顔をしている。彼は気まずそうにこちらをきょろきょろと見つめている。


「えっともしかして俺たちに何か用かな?」


 俺の問いかけに彼はうつむいたようにうん、とうなずいた。

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